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調子に乗る韓国 防衛省は対応を誤った

火器管制レーダー照射問題で、防衛省は「大人の対応する」として、協議打ち切りを宣言しました。

「レーダー照射“音”公開し協議打ち切り…日本側「最終見解」も韓国側「謝罪促す」」2019年1月21日

音声記録の公開と同時に「最終見解」を発表し、「相互主義に基づく客観的かつ中立的な事実認定に応じる姿勢が見られない」と韓国側を強く非難。同時に「これ以上実務者協議を継続しても、真実の究明に至らない」として、韓国側との協議を打ち切る考えを示した。

FNNの取材に対し、防衛省の幹部は「これで日本側は打ち止めだろう。韓国が引くに引けないことも分かっているから、日本は大人の対応をする」と述べた。

https://www.fnn.jp/posts/00414380HDK

「大人の対応」ねえ。

対して、韓国側は「レーダー照射がなかったことが科学的な結論」と勝利宣言をしました。

「「照射なし明白、科学的結論」韓国が反論声明」2019年01月22日

声明は、2度の再現実験や乗員への聞き取り、資料の分析結果を踏まえ、「火器管制レーダーは照射されなかったとの明白で科学的な結論に達した」と主張した。防衛省が公開したレーダー波の探知音については、「我々の火器管制レーダーの電波受信音だと断定する根拠は何もない」と強調した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20190122-OYT1T50076.html

戦うことがヘタクソな防衛省って、大丈夫なんですかね? その存在意義にまで疑いが向けられる気がするのですが。

■結論:証拠の逐次投入は愚の骨頂である

この問題で、防衛省が対応を始めた最初の段階で、当ブログはこう指摘しました。

「<火器管制レーダー照射>防衛省映像公開 証拠の逐次投入は愚の骨頂だ」2018年12月28日

韓国側は「軍事情報を公開することはありえない」と見切っているため、全く非を認める姿勢はありません。

相手は全く発言を変えても、なんとも思わない人たちですので、やるなら情報の小出しは発言を変えるチャンスを与えるだけです。

http://d.hatena.ne.jp/tenten99/20181228/1545991806

そして一か月が過ぎようという今、やはり懸念どおりの展開になってしまったな、と感じます。「大人の対応」というのは、論争の落し所や、引き際をわかっている相手にやるものです。韓国は違います。彼らが思うのは、「日本に勝った。だから同じような主張をすれば日本に必ず勝てる」ということだけです。

実際、もう同じ手を使って攻撃してきました。

「防衛省は冷静に情報収集 取り合わない考え」2019年1月23日

韓国国防省は「日本の哨戒機が23日、韓国海軍の艦艇に接近し、低空脅威飛行をした」と発表し、「明白な挑発行為だ」と激しく非難しました。

防衛省は韓国側の突然の発表に驚きつつも「そんなはずはない」として冷静に受け止め、事実関係の情報収集に努めています。

背景には、北朝鮮問題などを踏まえてこのまま対立が続くことは「好ましくない」として、いったん収束させる方向で進めていました。このため、政府高官も「やってはいないと思う。韓国向けの問題だ」として、取り合う考えがない点を強調しています。

http://news.livedoor.com/article/detail/15915138/

韓国側は収束させるつもりがないどころか、攻撃手段としているのに、何を呑気なことを言っているのでしょう?

だいたい、何の予兆もなくいきなり韓国側からレーダー照射してくるような状況が解決していないと、通常の任務に支障が出ますよね。「低空飛行による挑発行為を受けた」という理由で、これから火器管制レーダーを頻繁に受けるようになったら、どう対応するんです? 当初の問題がなんにも解決されていないじゃないですか。

この状況判断の不味さは、いったい何が理由なんでしょうね? とんでもない予算つけて兵器を揃えているくせに、それを使う瞬間が全く理解できてないとしたら、こんな危ないことはないんですけど。「専守防衛」だから、攻撃されたら反撃すればいいので、状況判断する必要がないとか、そういう話なんですかね。

■この飛行記録は全く役に立たない

レーダー照射探知音公表の公表と共に明らかにされたのが、哨戒機の飛行ルートの概略図です。

「P1哨戒機の飛行ルート」

https://www.asahi.com/articles/photo/AS20190122000323.html

この発表された飛行記録が、全く役に立ちません。スケールが無いので、レーダー照射を受けた時には、どの程度離れていたのかとか、最接近距離が実際どの程度だったのかとか、さっぱりわからないです。

いったい防衛省は、この飛行記録で何を言いたかったのでしょうか? 哨戒機が警察艦などの上を飛ばなかったってこと? だったらその主張は遅すぎます。韓国はもう上を飛んだという主張を引っ込め、「威嚇的に接近した」という主張に切り換えています。

それにこの図には、警察艦と駆逐艦しか書かれていません。そもそもの原因である、北朝鮮船の位置をなぜ書かないのでしょうか? SOSを発信していない北朝鮮船は、この時点で不審船なのですから、その位置関係は必要な情報のはずです。

この辺りにも、防衛省が「何のために、どういう情報を出すべきか」ということについて、「検討していないのではないか」という疑問を持たざるを得ません。

■防衛省にはまだやるべき検証がある

収束を目指しているらしい防衛省ですが、彼らにしかできない検証がまだ残っています。それは韓国側が出した映像の検証です。実際のP1哨戒機を持っているのは、自衛隊だけなのですから、実機を使って検証動画を作成することができるんですね。

つまり「150メートル上空、距離500メートルだと、P1哨戒機はどのように見えるのか?」とか、「韓国側の動画のP1哨戒機は、実際にどの程度離れていたのか?」などの検証動画を、製作できるということです。意図のわからない飛行記録を出すよりも、遥かに意味のある「最終見解」になるでしょう。

防衛省には、すでにこの問題が「政治問題である」という認識があるのかもしれません。しかし、「レーダー照射を受けた時に、どう対応したか」ということは、今後の自衛隊の活動において、必ず大きな影響があるでしょう。韓国の船舶が、我が物顔でEEZ内をのし歩くかもしれないのです。そうなれば、真面目に仕事をしている日本の漁船が、まともな操業ができなくなる可能性だってあり得ます。それは、日本の領土や領海を守る自衛隊が、その役割を果たしていないということです。

何も武器を持って正面から戦闘するだけが、戦いではありません。中国もそうですが、勝手に人工島を作ったり、軍艦が居座ったりといった、武力衝突では無い形で、じわりと領土が侵犯されていくのが、現在の領土や領海をめぐる戦いです。防衛省には、もっと「国益のために戦う覚悟」を持って欲しかったですね。

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