記事

それでもアメフト学生が大企業にモテる謎

2/2

伝統校が大切にするOB・OGとのパイプ

一方で、伝統校の体育会も就職に強い。

「慶應義塾大学の野球部やラグビー部など、伝統のある体育会では、OBとのつながりの濃さが就職に有利に働くことがあります。大手企業各社にいるOBが寮にやってきて、現役生を対象にセミナーや座談会を行い、関心を持った学生をピックアップする活動が行われたりするようです」(清水氏)

OB・OG会が自主的に就職支援の組織を運営し、学生が望む業界があれば、積極的にOB・OGをつなぐ体育会もあるという。これは伝統校ならではの受けられる恩恵だ。

とはいえ、体育会の活動に真剣に取り組んできた学生ほどOB・OGに頼らざるをえない、という事情もある。体育会の活動は週6日以上が大半を占め、引退時期は4年生の夏が多く、なかには12月まで試合が続くところも。就活の時間が十分に取れない体育会学生にとって、自分を引き上げてくれるOB・OGとのコネクションは大切な命綱なのだ。

そして、「地頭のよさ+体育会経験」が重視される就職市場で、今後、「+ビジネスセンス」も期待されるという見方もある。

「最近の大学スポーツでは、プロチームのような組織運営をするという新しい潮流があります。その先駆者的立ち位置にいるのが、筑波大学蹴球部(サッカー部)。チーム内に、地元の企業などにスポンサーを依頼する営業担当スタッフや、活動を情報発信しチームのブランディングを行うSNSスタッフなどがいて、学生が組織運営上の何らかの役割を担っています。似た動きは他大学でも出てきており、上位校・強豪校であるうえに、組織運営でビジネスセンスを培った学生に、人事は間違いなく注目するでしょう」(久保谷氏)

一見、門戸が狭そうな体育会だが、高校からのスポーツ推薦でなければ入部できない体育会はごく一部。つまりスポーツエリートでなくても、一般入試で上位校に入学し、新入生を歓迎する傾向のあるラクロス部、アメフト部などに入部すれば、人事に評価される体育会ブランドを手に入れることはできる。ただし識者が口を揃えるのは、「就職だけを見据えて体育会に入っても、4年間続けるのは難しい」。就職市場で体育会が評価されるのは、本当に好きなスポーツを真剣にやりきった副産物と考えたほうがいいようだ。

▼必要なのは「硬い筋肉」よりも「柔らかい発想」
昔は…「体力」「命令に従順」「メンタルの強さ」
今は…
1.自主性
上からの指示をただ待たない。常に当事者意識を持ち、自分が組織の中のどのポジションで、どう動くべきかを判断して行動する。

2.計画性
目標達成のために、今何をするべきか、これから何をするべきかという逆算思考ができ、それをコツコツと遂行していく。

3.組織調整力
レギュラーになれなかったらサポートに徹して全力を尽くすなど、チームワークの重要性を踏まえた行動ができる。

4.積極性
業務の改善点や新提案など、自分の意見を物怖じせず、進んで言える。さらに、実現まで粘り強くプッシュし続ける。

5.コミュニケーション能力
チームプレーを成立させるため、自分の意見を人に伝え、さらに相手の話を聞く。先輩・後輩との接し方も把握している。

(山田 由佳 写真提供=一橋大学端艇部、筑波大学蹴球部 写真=iStock.com)

あわせて読みたい

「就職活動」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。