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それでもアメフト学生が大企業にモテる謎

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就活で人気といわれる体育会学生。売り手市場も相まって、引く手あまたかと思いきや、企業が求めるのはその一部だという。同じ体育会学生でも、どこで線が引かれるのかを検証した。

体育会なら誰でもOKの時代ではない

就職市場では古くから「体育会系学生は就職に強い」と唱えられてきた。企業が評価するのは、練習で養われた体力、物怖じしないメンタルの強さ、指示に従う従順さなど。さらに先輩・後輩・同期と縦横のネットワークを持ち、「顧客を引っ張ってくる」側面も一部の企業には魅力で、今も証券や不動産の営業といった職種に根強い人気があるという。


写真=iStock.com/8213erika

しかし、採用コンサルタントの谷出正直氏は、「体育会なら誰でも欲しいという時代は終わりました」と指摘する。

「根性のある体育会人材も需要はありますが、今、大企業の人事部が求めているのは、地頭のいい体育会です。つまりスポーツ推薦やAO入試など、入学時に学力を免除された学生ではなく、一般入試で入学している学生。体力やメンタルの強さに加えて、体育会での経験をビジネスに変換する能力があるからです」

さらに人事部は、体育会で培ったどんな資質に注目するのか。体育会人材の就職支援サービスを展開するスポーツフィールド社長室室長の久保谷友哉氏は、「積極性」を挙げる。

「体育会出身者は、こうしたい、こうすべきという自分の意見をストレートに言えるタイプが多い。提案をプッシュし続けて実現させる突破力は、企業に高く評価されます」

谷出氏が着目するのは、「組織調整力」だ。

「チームワークの重要性を、理論ではなく経験で知っているのが体育会の強みです。自分がどのポジションでどう動けば、チームの能力を最大限に発揮できるか、と考える癖が彼らにはついている。状況によってはサポートメンバーになることも厭わない利他的な発想は、体育会の経験があってこそ生まれるものでしょう」

また、華々しい戦績があるにこしたことはないが、たとえ4年間レギュラーでなくても、人事部が評価するケースも多い。成果を出すために目標を設定して、コツコツ取り組んできた学生は、「上に言われたままにやったら結果が出た」という学生よりも興味を持たれるのだ。

人気を集める国立大の強豪校

それでは、どんなスポーツや体育会が企業に人気なのか。人材採用支援企業のワークス・ジャパン社長・清水信一郎氏は、人気の条件として「個人競技よりもチームスポーツ」「一部を除いて基本的にスポーツ推薦がない国立大」「上位リーグに所属して、体育会として結果を出している部」を挙げる。

「これらの条件を満たしている、東京大学と一橋大学のラクロス部男子、アメフト部、一橋大学の端艇部(ボート部)などは大企業に人気です。アメフトは、ポジションに分かれてプレーするという特性から、選手はチームプレーに徹しつつ、個の強みを生かして考えながら動ける、という評価をする人事が多い。日大アメフト部事件で、ネガティブな印象も持たれましたが、謝罪会見をした学生を採用したいという企業の声も聞きました。自分の立場をわきまえ、言い訳せず謝罪して、次へ一歩踏み出す。あの姿勢が体育会学生のよさを表しているのかもしれません」

他のスポーツに比べるとマイナーなラクロス部も評価が高い。男子は激しいボディコンタクトの応酬があり、別名「地上最速の格闘球技」。ルールも複雑で戦術に重きが置かれるなど、頭脳プレーも要求される。

「ラクロスは、高校ではほとんど行われていません。なので、『ラクロス部員=一般入試での合格者』であり、ある程度の学力レベルが保証されています。また部員はほぼ全員が初心者の中、成長しながら4年間活動していくため、団結力が非常に強い。そうしたチームワークづくりの能力を期待する部分もあるのでしょう」(谷出氏)

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