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第373号(2019年1月21日)

またもや厚労省の不祥事が発覚致しました。中小企業や中堅企業・大企業それぞれに平均給与額等、生活まわりの実態調査をする作業、すなわち毎月勤労統計が規定通りに行われていませんでした。中小企業はその数が膨大なため、一定数のサンプル調査にし、そのサンプルは毎年三分の一ずつ入れ替えていきますので三年間で全対象企業が入れ替わるわけです。一方、従業員500人以上の中堅・大企業は中小企業に比べはるかに数が少ないということで、全社調査が義務付けられています。

そしてこれは都道府県に委託をするものですが、東京の場合、その対象数が多いということで事実上のサンプル調査に変更されていました。東京都の作業負担が大きいのでサンプル調査に切り替えたとしたなら、きちんと調査方法の変更を申し出て、政府として承認した上でサンプル調査結果に補正値を掛けてより実態に近いものにしなければなりません。

それらの手続きを一切無視して勝手にやっていたということになります。14年前からこの方式が取られていたということですので、民主党政権の3年間も含めて内閣はそのことに気づいていなかったわけです。ただし、このことが明るみに出るきっかけは安倍内閣が全ての政府統計の正確性を検証し、より正確な政府統計データを作るべきだと提唱し、諮問会議でも麻生財務大臣から提言がなされたことを受けて調査した結果、発覚したということですから、そこは事実関係をしっかり認識すべきです。

昨年、私が党行革本部長の時にも山本幸三前内閣府大臣を小委員長としてGDP統計を始めとする、政府統計手法のアップデートを提言しております。野党も揚げ足取りだけの議論をしていると、じゃあ自分たちの三年間はどうだったんだ?とブーメランが飛んできますから、是非与野党で前向きな議論をしてほしいものです。

英国のEUからの離脱、ブレグジットが迷走しています。そもそもはキャメロン前首相が勢いに任せて行ったEU離脱の是非を問う国民投票が国民への十分な説明が行き届いておらず、予想に反した結果となったことに端を発しているように私には思えます。それにしても議会の迷走ぶりを見ていると、これが本当に議会制民主主義の元祖・英国の実態なのかと疑うような事象です。

何の取り決めもなく離脱するハードブレグジットはあまりにもリスクが高く、産業経済、国民生活を破綻に導くとの考えがマジョリティーでありながら、一向にコンセンサスが得られない。このまま行ったらハードブレグジットになってしまうのに、歩み寄る気配が見えない。いっそのことハードブレグジットで産業がガタガタになり、国民生活がどん底になったときにもう一度国民投票をして目を覚まさせる以外に道はないのではないかとすら思えてしまいます。

さて一昨日、1月19日総理官邸でTPP11発効記念の集いがありました。私も功労者の一人としてご案内を頂きました。このTPPにその英国が関心を示しています。規定上入ることは可能ですが、まずはBrexitの処理を適切に行なって頂いた後に、交渉を進めていくということになります。ともすれば、世界が保護主義に奔りそうな状況の中で貿易の自由化こそが世界のGDPの拡大に資するということを掲げ、自由と民主主義と法の支配という普遍の価値観を世界中に共有させていく重要なツールとしてTPPは世界のスタンダードになっていくはずです。

日本と、後に離脱したアメリカが作った貿易・投資・知財と広範囲に渡る公正なルールが世界標準になろうとしている意義を米国も重く受け止めてもらいたいと思います。

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