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なぜ、成長を続けてきた大手スポーツチェーンが衰退を始めたのか

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August_0802 / Shutterstock.com

大手スポーツチェーン「アルペン」による希望退職者の募集が話題となっていますが、この状況を予測していたというのは、無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者である梅本泰則さん。梅本さんは今回の記事中にその理由を記すとともに、中小規模のショップに大きなチャンスが巡ってきているとし、その波を掴む方法をレクチャーしてくださっています。

とうとうその時がやって来た

スポーツ用品業界にも、とうとう来るべきものがきたという感じです。

1月9日に、大手スポーツチェーンのアルペンが300人の早期退職希望者を募集するという記事が載りました。経営が苦しいのでしょうか。

この数十年間、大手スポーツチェーンは売上を伸ばし続けていますが、私は、いずれその勢いは衰えると予想して来ました。それは、チェーンストア理論による経営だからです。

チェーンストア理論は、大量生産時代にアメリカで誕生しました。「標準化」「単純化」「専門化」といった生産理論を小売業にあてはめたものです。ですから、今の時代にマッチしているのかどうか、疑問なところがあります。

そこで、スポーツチェーンがチェーンストア理論をどのように戦略に落としているか観てみましょう。

商品戦略」では
・広い売り場で、多くの商品を取り扱う
・どの店舗でも同じ商品を販売し、同じ陳列をする
・店舗オリジナル商品を開発し、売上と利益に貢献する

流通戦略」では
・問屋を通さずメーカーから直接仕入れる
・専用倉庫で効率の良い配送を行う
・郊外の立地に広い駐車場を構え、来店を促す

価格戦略」では
・他店との競争力のある価格設定を行う
・本部の一括集中仕入れで、仕入価格を抑える

プロモーション戦略」では
マス広告による大量販売を狙う
少ない人数で売場の運営管理をする

といったことになります。これらの戦略が時代に合っているときは、問題ありません。ところが、時代は大きく変わってきました。それぞれの戦略に問題が出てきたのです。

大手チェーンの問題点

例えばこんな問題があります。

商品戦略」では
・どの大手チェーンも同じような商品で、差別化がない
・店舗オリジナル商品も、思ったほど売れない
・競技別にみれば、品ぞろえはそれほどでもない

価格戦略」では
・社内から仕入価格を下げ続ける圧力がかかり、担当者が疲弊していく
・メーカーの生産体制が変わり、バーゲン用商材が減ってきている

流通戦略」では
・郊外のショッピングセンターが衰退して、集客力が無くなっている
・メーカーの直販店が増えて、競争優位性が低下している

プロモーション戦略」では
・バーゲンや割引価格といった戦術に偏り過ぎている
・売場では商品POPに頼った販売体制になっている
・SNSが有効活用されていない

「標準化」「単純化」「専門化」ばかりを優先することで、こんな問題が起きているのではないでしょうか。

さらにいえば、「人」に対する前向きな戦略が見られません。「人」とは「社員」や「お客様」のことです。例えば、販売スタッフに対する商品教育はたいして必要ないと思っているように見えます。そして、お客様と親密になる方法も考えてはいないようです。また、地域とのつながりも薄いような気がします。

こんな現状に対して、大手スポーツチェーンはどこへ向かって行くのでしょう。

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