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毎月勤労統計不正の背景の一つにはフランスの6分の1と異常に少ない日本政府の統計職員数がある

 厚生労働省「毎月勤労統計調査」の不正な統計調査によって、雇用保険などの過少支給がのべ2千万人を超す事態となっています。

 この「毎月勤労統計調査」は、雇用・賃金・労働時間の動向を毎月調査するもので。従業員500人以上の事業所はすべて調べることになっています。ところが事業者の約3割が東京に集中するなか、厚労省は東京都分の約1,400事業所のうち約3分の1を不正抽出。2004年から2017年にかけたこの不正抽出で東京の事業所の調査数が大幅に少なくなり、賃金が低くく出ていたため、この「毎月勤労統計調査」をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険、船員保険で本来より少なく給付されていた人が延べ約2,015万人、雇用調整助成金など事業主向け助成金でのべ約30万件、合計の追加給付額は約560億円に現時点でなってしまっています。

 国会では衆院厚生労働委員会において1月24日から、この不正統計問題で閉会中審査も予定されていますが、なぜこんな不正統計調査がまかり通って来たのか、徹底した真相究明が必要です。

 加えて、不正統計調査という質的な問題を引き起こした大きな背景の一つとして、日本政府における脆弱な統計調査体制の問題もあらためて指摘しておきたいと思います。



 上のグラフは、総務省「主要国の統計機関における職員数」から人口10万人当たりの統計職員数を国際比較したものです。日本の統計職員数はカナダの10分の1、フランスの6分の1、イギリスの約4分の1、アメリカの約3分の1、ドイツの約2分の1と極めて少ないのです。



 上のグラフは、総務省「府省等別統計職員(本省職員)等の推移」から、全省庁の統計職員数と、厚生労働省本省の統計職員数の推移を見たものです。全省庁の統計職員数は、2006年の5,581人から2016年の1,886人とこの10年間で66%(3,695人)も削減されているのです。今回の不正統計調査で問題になっている厚生労働省本省の統計職員数も2006年の331人から2016年の237人へと激減しています。今回の不正統計はもちろん質の問題がいちばん大きくそこを改める必要があると思いますが、一方で脆弱な日本政府の統計の体制も統計職員数を大幅に増やすことをはじめとして拡充する必要があると思います。(井上伸)

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