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【読書感想】ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く

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 これだけ格差が開いた世界において、みんなが納得できる解なんてない。それぞれの人が見たい「現実」を見て、楽しく生きた方がずっといい。彼氏/彼女がいなくて肩身の狭い思いをしているのなら、すべての人がイケメン、萌えキャラに見えるメガネをかけて生きた方がずっと幸せです。

 もちろん、今の世の中で生きていくためには最低限のお金が必要ですし、絶対的な貧困状態にある人は「メガネをかけて楽しく生きろ」と言われたら憤慨するでしょう。

 だけど、貧しいとはいってもそこそこ暮らしていけているのに、「あいつらは俺らから搾取していい暮らしをしやがって」とか、「自分の生活は全然キラキラしていない、なんて惨めなんだろう」と不満を感じている人は多くないですか?

 そんな鬱屈を抱えて生きるより、自分の現実をそれぞれデコって生きる。
「みんなが同じ現実に向き合う」のではなく、「それぞれが別々の現実を生きる」。
 これこそ、人間の悲願なのではないでしょうか? これから10年、20年、そうした消費者ニーズはもう止められないでしょう。

 実際、「結婚しない(しようと思ってもできない)人」が増え、子どもの数も減ってきています。
 これまでは、「社会や身内からのプレッシャー」もあり、結婚しなくては、と思っていた人がほとんどだったのですが、最近は、「結婚や育児はコストパフォーマンスが悪い」という考え方をする人も少なくありません。

 仮想現実に浸っていたほうが、現実でのさまざまなトラブルに振り回されるよりも幸福なのかもしれませんよね。僕は、そう思うことがあります。

 現実というオンラインRPGでは、みんなが勇者にはなれないのならば、非オンラインの『ドラゴンクエスト』のように、プレイヤーがみんなそれぞれの世界の勇者となれる世界をメインに生きれば良いのではないか?

 飢え死にしないのであれば、ブラック企業の社畜+家族の問題に悩まされて生きるより、仮想世界で勇者をやっているほうがいい。

 むしろ、そのほうが「結果的に平等に近い世の中」になるのかもしれません。
 ただ、「そういう生き方」が社会に受け入れられていくのは、技術的に可能になるよりずっと難しくて、時間がかかりそうな気もします。

 ちなみに、タイトルにある「ユーチューバーの消滅」については、「今後数年で、日本人ユーチューバーの市場もアイドルや芸人に荒らされ、10年以内にはハリウッドスターなどのグローバルスタンダードとの競争を強いられる」と書いてあるのですが、元SMAPのメンバーのYouTubeでの活動は、まさにその先駆けとなりました。現時点では、ネット動画ならではの見せ方において、まだ既存のユーチューバーたちに一日の長があると思いますが、おそらく、技術的な差はどんどん詰まっていくはずです。

 岡田さんは、さらに「最適化されたAIユーチューバー」の出現まで予言しています。
 あまりに進化したAIは、人間の好みに合わせる、というより、人間を意のままに操っているように見えるのではなかろうか。

 いまのネットでも、新しいサービスやSNSが出ても、すでにネットで有名な人たちが先に居場所をつくってしまうので、なかなか新しい人が出てこられないんですよね。

 いま、ユーチューバーに憧れている子どもたちが、将来、ユーチューバーとして活躍するハードルは、ものすごく高い。
 僕の世代では、多くの人が堀井雄二さんに憧れてゲームデザイナーを目指したにもかかわらず、堀井さんに追いつき、追い越せた人はいませんでした。

 僕の未来予測はいかがでしたか?
 ワクワクする一方で、生き残っていけるか、食っていけるか不安になった人も多いのではないかと思います。
 じゃあここでは特別に、「残る仕事」ではなく、「生き残るための仕事の見つけ方」とお教えしましょう。

 その方法は、2つだけ。

 うまくやっている人の役に立つか、うまくやっている人の機嫌を取るか、どちらかです。
「なんだそれは!」と思いましたか? でも、仕事を突き詰めていったらそうなるんです。

 岡田さんが現在やっていることを考えると、なんだか手前味噌だな、と感じるところも多いのです。
 それでも、「同じ世界でみんなを幸せにする」よりも、「それぞれ別の世界で勇者になる」ほうが、ベンサムの「最大多数の最大幸福」に近いような気がするんですよ。
 本当に、身も蓋も無い話なんですが。

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