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ZOZOTOWNの非正社員比率は67%ー派遣や非正社員に過度に依存する企業体質からの脱却を

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ZOZOTOWNの非正社員比率は約67%と高い

昨日はZOZOTOWNにおける派遣労働者や非正規労働者の問題に焦点を当てた。

多くの方から反響があり、足元の労働者を大切にするべきではないか、利益を労働者に還元するのは当たり前ではないか、月に行ったりお年玉企画するより賃金上げろ、など多数の賛同もいただいた。

実態を見れば、なぜZOZOTOWNが利益を上げられて、前澤社長などが豪遊できるのか見えてくる。

その内容については僕がZOZOTOWNの非正規労働者の賃上げにこだわる理由ー日比谷公園年越し派遣村の教訓と派遣労働者ーを参照いただきたい。

2018年の有価証券報告書によれば、(株)ZOZOは2,764名の従業員のうち、1,860名が派遣等の非正社員である。

平均なので実態としてもう少し多いと思うが、単純に計算してみると、非正社員比率は約67%と極めて高い。

派遣労働、非正規雇用に依存している経営といえる。((株)ZOZO有価証券報告書2018

ZOZOは労働者3人のうち2人は派遣を含む非正社員で成り立っている。

非正社員と比べて賃金も高く、安定雇用である正社員の少なさは特徴的だ。

日本の労働者のうち、非正規労働者は37,3%(厚生労働省2018)である。

ZOZOTOWNの非正社員比率67%という数字は異様に高いことがわかる。平均の1,8倍だ。

前澤社長を含む役員、株主などへ利益を配当するために働く現場は、非正規雇用に支えられていることは明らかだ。

時給1,000円程度の大量の非正社員の奮闘があり、低賃金労働者を使いながら利益を上げるビジネスモデルと言える。

何度もいうが、儲かっていないから賃上げできないのではない。

一部上場企業で衣料品のネット販売最大手のリーディングカンパニーでこの有り様である。

なかには、正社員や無期雇用への転換を希望する者もいるはずだし、後述するように生活苦のなかで働いている労働者もいるだろう。

今後、読者の方には前澤社長の豪遊ぶりがメディアで映し出された際に、彼の足元にいる非正規雇用で働く労働者の姿、そこへの想いを寄せてほしいと思う。

生存すら難しいワーキングプアの増加と非正規労働問題

いまでは非正規労働者の数は2,036万人にもおよぶ。

30年前と比較しても、正社員の人数は一貫して横ばいであるが、非正規労働者の数だけ増え続けている。

ざっくりいえば、平成にあたる30年間の経済対策や雇用政策で増えたのは正社員ではなく、非正社員だけだった。

平成期を象徴する非正社員の急増を受けて、同時に増え続けるのはワーキングプア(働いている貧困層)、相対的貧困率である。

日本の相対的貧困率は15,7%であり、子どもの貧困は13,9%とOECD先進諸国ではともに高い水準にある。

なかでもひとり親世帯(主は母子世帯)の相対的貧困率は、50,8%と世界最悪の水準を記録している。

特に、シングルマザーは8割以上が働いているのにも関わらず貧困なのである。

その就労形態で多いものは派遣、パートなどの非正社員だ。

要するに、企業による非正社員、派遣労働の拡大は確実にワーキングプアや子どもの貧困を生み出し、社会に深刻なダメージを与え続けている。

シングルマザーの母が低賃金ゆえに仕事を掛け持ち(ダブルワーク)し、子どもと向き合う時間がなくて、虐待に発展する事例も散見されている。

全国で拡大する子ども食堂や無料の学習支援塾ができたとしても、根本的な親の所得が上がらなければ貧困は改善しない

社会問題の背景にワーキングプアを含む労働問題が横たわっている。それを生み出してきたのは企業の低賃金労働者に依存する甘えだろう。

生活困窮の相談に至る方の多くも非正社員を経験し、貯蓄や資産形成のゆとりすらない中で働かされている人々だ。

企業は一貫してゆとりがあるにも関わらず、安定雇用を増やさないできた。そのツケが全国各地で噴出している。

このように、まさに平成期は非正社員と貧困の急拡大の時代だった。

新興産業におけるZOZOTOWNが、いくら新しさを打ち出しながらパフォーマンスを展開しても、結局はこの30年間の雇用構造を打破するには至っていない。

むしろ、率先して雇用構造に甘え、非正社員に依存する形態で利潤を上げて、労働者に還元しないのは残念というほかない。

このように非正社員とワーキングプアを生み出しているのは日本の企業なのである。

ここに向き合わない限り、次の時代に人々が安心して働き、暮らせる社会にはなり得ないだろう。

例えば、ZOZOTOWNに限らず、「非正社員の多い会社」トップ500ランキング(東洋経済)でも指摘される企業やその労働組合には、日本社会のワーキングプアや子どもの貧困を生み出す構造をどうしていくのか、大きな責任があることを自覚してほしい。

普通に働いたら普通に暮らせるように、そろそろ日本の雇用構造を転換していきたいものである。

ZOZOTOWNから非正社員に甘えて、誰かが豪遊するのではなく、共に豊かになる働き方を提示し、日本社会をリードしていく存在になってほしいものだ。

※Yahoo!ニュースからの転載

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