- 2019年01月19日 19:14
僕がZOZOTOWNの非正規労働者の賃上げにこだわる理由ー日比谷公園年越し派遣村の教訓と派遣労働者ー
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ZOZOTOWNとのこれまでのやり取り
僕は(株)ZOZOの前澤友作社長が1,000億円近くかけて月に行く予定という記事を昨年見てしまった。
その後、Twitterで「月に行く金があるなら非正規雇用などの労働者へ還元すべき」「資本家が利潤をあげられるのは労働者がいるため」など、資本家や企業の言動に対する反対姿勢を貫いてきた。
様々な論点はあるが、一番追求してきたのは、得られた利潤を労働者に還元し、足元の労働者の処遇改善を先にしろ、ということである。
そういうと決まって「ZOZOは待遇がよい」「社員の満足度も高い」「外野が勝手に騒ぐな」「前澤社長の資産と会社資産を一緒にするな」などの意見が飛んでくる。
まずZOZO「給料一律同額」に驚き。平均年収と社員のホンネは?など多くの記事でも指摘されているが、(株)ZOZOは基本給が一律でボーナス支給も一律だそうだ。悪口や競争原理をなくすためだというが、そもそも意味が分からない。
正社員でも一律の賃金に不満があれば賃上げ要求をすべきである。
さらに、彼らのいう社員のなかには、派遣労働者や非正規労働者は含まれていない。派遣労働者の時給は1,000円程度であり、社員と一律ではない。
ZOZOをめぐる報道や記事は、前澤社長を含む「光」の部分が多く、「影」として存在し、裏方で支えている派遣労働者には一切焦点が当てられていない。この間、ZOZOの派遣労働者に焦点化された記事は一本もない。
社長らの自己愛や承認欲求を満たすために派遣労働者が利用され、その存在を軽視するならば企業の社会的責任をどれだけ行っているといっても形式的と言わざるを得ないだろう。
僕はここを一番問題視してきている。
ZOZOの幹部社員含めて、聞いていないことは自ら情報公開するにも関わらず、派遣労働者数やその人々の処遇は全く公開していない。
隠したい意図があるにしてもあまりにも露骨すぎる。

僕は直接、ZOZO派遣労働者と話したり、交流させてもらってきている。
例えば、新習志野の倉庫作業をしている20歳代男性の時給も1,000円であり、時給を上げてほしいという声が現場からも聞こえてくる。
現代日本の雇用構造を象徴する正社員と非正規社員の待遇差別、処遇差別が足元にある。
もちろん、日本に広がっているワーキングプアや子どもの貧困、若者の貧困がここから派生することは言うまでもない。

正社員は一律で給与保障されているが、現場の配送を担う倉庫で働く労働者は派遣労働、外国人労働だ。
ZOZOBASEと描かれたバスにそのような労働者が乗せられ、毎日毎日倉庫に行き来させられていた。
僕は大みそかの12月31日に労働組合メンバーと派遣労働者に語りかける街宣活動をおこなったが、労働者は年末年始も昼夜を問わず働いていた。