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「非核化ショー」の裏で粛清続く北朝鮮

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■ 護衛総局幹部まで処刑

2018年の平昌冬季五輪が終了した頃から南北融和が加速したが、この融和の裏で粛清はむしろ強化された。

ヒョン・ジュソン人民武力省後方局検閲局長(人民軍中将)は4月10日、戦時物資の総合検閲をする際、西海(ソヘ、黄海)ロケット発射試験場供給用燃油実態を点検しながら「もう緊縮しながらロケットや核兵器を開発する苦労をしなくても済む」と述べたが、これが党の先軍路線に反対する利敵行為発言だとして問題視され、金正恩によって平壌市順安(スンアン)区域の姜健(カン・ゴン)軍官学校射撃場で公開処刑された。金正恩は死刑を命じた時、「我々は理念的な中毒の芽を摘み取らなければいけない」と述べたという。

同じく4月には金剛開発総局への検閲で社長が「不正行為」で処刑され、総局の党責任幹部とその側近2名も処刑された。5月~6月は米朝首脳会談のために粛清を自粛していたが、米朝首脳会談後の7月に入って再び検閲が行われ粛清が強化された。7月から8月にかけて人民軍後方総局が検閲され幹部6名が粛清された(処刑されたとの情報もある)。

10月には護衛総局が組織指導部によって検閲された。この検閲については「内乱陰謀」があったのではとの噂が流れた。11月1日からは軍の新年度訓練が始まるのだが、「2・8文化会館」に軍幹部が集められ、バスで美林飛行場(平壌にある軍飛行場)につれて行かれた。そこには護衛司令部傘下の平壌市防衛司令部の司令官と政治委員など数名が縛られていた。彼らは集められた軍幹部たちの前で不正腐敗の名目で処刑された。処刑された幹部たちは金日成の母親である康盤石系列だったという。

このような権力中枢、それも金正恩警護機関の人物まで処刑される者が出るのは異例のことである。こうしたことから「不正腐敗」ではなく何らかの「陰謀」があったのではとの噂が流れたのである。

▲写真 金日成、金正日親子の像(平壌 2012年4月16日) 出典:Tormod Sandtorv flicr

■ 金正恩はウソつきだ

こうした中で今年の正月には国境地帯の軍部隊で兵士が上官を袋叩きにする事件が発生した。原因は兵士たちに配給される食糧、酒、たばこなどを上官が横領、自分たちだけで宴会を開いたことにあった。これに腹を立てた兵士たちが無断で脱営して付近の住民に酒と食料をねだり、酔っぱらったまま部隊に戻ったことから事件が大きくなった。

規律違反だとして脱営した兵士たちを上官が棍棒で滅多打ちにしたところ、見ていた兵士が集団でその上官を袋叩きにする事態が起こったのだ。司令官が収拾したものの、上官が兵士の分配物を横領したことが原因だったことから金正恩には報告せずじまいだったという。司令官は金正恩の自身に対する厳しい責任追及を恐れたからだ。

このようにいま北朝鮮では、粛清を恐れて金正恩に報告されない事例が激増しているという。住民の間では、金正恩が軍の疲弊も住民の苦しみも分からなくなっているのでは、との話がささやかれている。そうした事例として、11月28~30日の金正恩の三池淵(サムジヨン)非公開視察時のことが語られている。三池淵に来た金正恩が、工事に動員された労働者の食事内容を見て「なぜコメのご飯が出ていないのか」と激怒したというのだ。しかし地方には米を蓄える余力はすでになくなっていたのである。

このところ北朝鮮住民の間では占いが流行しているが、「今年はカエルも死ぬ年となる」「血が降る年となる」などとの噂が広がっている。そして「核を持てばすべてが解決し生活もよくなると言っていたが、何も変わらないだけでなく、むしろ悪くなっている。金正恩は嘘つきだ」との話が広がっているというのだ。

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