記事

「SPA!」問題…過激じゃないと売れないって本当? - 石川優実

1/2
BLOGOS編集部

こんにちは。石川優実です。私は2017年末に自身の芸能界での性暴力を「#MeToo」し、その後セクハラやジェンダーの問題について学んでいます。

先日、扶桑社の「SPA!」で「ヤレる女子大学ランキング」というものが掲載されました。それを見た山本和奈さんたち大学生が署名活動を行い、出版停止・謝罪となりました。そして、先日山本さんたちと扶桑社の話し合いも行われ、扶桑社側は「女性をモノ扱いしていた」とコメントを発表しました。

SPA! 2つの大きな問題点

さて、もうすでにたくさんのメディアが取り上げた問題ではありますが、この「女性をモノ扱い」という言葉にピンとこなかった人たちも多いのでは?と私は思ってしまいました。

そこで、自分なりに今回の「SPA!」は一体何が問題だったのか?考えてみました。

ちなみに私は署名をし、山本さんたちと扶桑社の話し合いが行われる前の時間に開かれたオープンミーティングにも参加してきました。

私は今回の「SPA!」の大きな問題点は2つあると思っています。

1つ目は、大学の名前を出してランキングをしたことで、実際、今その大学に通う女性に被害が及ぶ可能性があるということ。

オープンミーティングで、実際にこの記事が出た後に実名が出た大学の中高一貫の高校に不審者が現れたりしているらしいとの話も聞きました。

例え不審者じゃなかったとしてもこんな記事が出たことで高校生の子は怖がるだろうし、どっちにしてもすごく迷惑どころの話ではない迷惑がかかっています。

大学に通う人たちは「自分の大学がそんなふうに見られているのは怖いし不快」などの意見を出しているし、実際にランキングに載った全ての大学から抗議文が発表されています。

2つ目の問題は「ヤレる」という言葉に女性側の意思が見えないことです。

セックスとは、男性も女性も双方が「この人とセックスがしたい」と思ってすることです。しかし、この「ヤレる」という言葉にはそれが感じられません。女性側がセックスをしたいかしたくないか、そこが全く考えれていない。

よくこの問題をツイッターなどで検索すると「抱きたくない男ランキング・抱かれたい男ランキングはいいのか!」との意見を目にします。

私はそもそも、人を勝手にこういうランキング付けすることがあんまり好きではないですが、仮にこれが「抱きたい女ランキング」とか「抱きたくない女ランキング」とかだったら炎上しなかったように思います。(私的にはそもそも男性が「抱きたい」女性が「抱かれたい」というのもなんだか変だなとは思います。お互いが対等にセックスをするのだったらあまり使わない表現なんじゃないでしょうか…)

問題は「相手の意思を尊重せずに行為に及ぼうとしていること」、例えば「酔わせればヤレる」とか、「強引に行けばヤレる」とか。

オープンミーティングで彼女たちも何度も言っていましたが、「性的同意」が全く大切にされていないように思える表現が「ヤレる」なのだと思います。逆に男性だったら何がダメだろう?と考えた時に「ヤレる男子大学」、これは確かにダメだと思いますが、なんとなくピンとこないな…と思ったのは、現状女性が男性を酔わせて無理やりセックスをするということが逆バージョンほど多くないからでしょうか。実際の力の強さの違いもあると思います。

自分的には「ここの大学は強引に言えば飲食代を全額払わせられるランキング」みたいなものでしょうか。男性側が「奢りたい!」という意思を明確に示しているわけではないのに、「酔っ払ってるからこの人に全部お会計払ってもらっちゃおう!」とか、「気が弱いからちょっと圧力かければ全額払ってくれるだろう」とかが、同じ類いのものなのかな、と感じました。いじめですよね。

ここで一つ言いたい大切なことが。セックスをすることも他者に奢ることも「その本人が心からそれを望んでいる」ならもちろん問題はないのです。

「SPA!」に対して批判が出た時に、「女性が性に奔放なことの何が悪いんだ」という意見が出ていましたが、とてもトンチンカンな意見だなと思いました。そんなこと言っていないのです。女性が自分の意思で、セックスをしたい人としたいだけすることは何も悪いことではありません。そしてそれの逆ももちろん。大切なのは「その人がしたいのか、したくないのか」。それを全く考えられていないのが「ヤレる女子大学ランキング」だったのではないでしょうか。

最近、大学生による強制わいせつ罪が立て続けに起こっています。被害者を責める声も見られます。

「酔っ払っていたから」
「奢ってもらったから」
「露出の多い格好をしていたから」

いろんな声を聞きます。

しかし、
「セックスしてもオッケーと言った」=「セックスしてもオッケー」
でしかないのです。

「お酒を飲む」=「セックスしてもオッケー」
ではないし、
「嫌だと言わなかった」=「セックスしてもオッケー」
でもありません。

「性的同意」に「粋じゃない」とか「雰囲気が」など言う人もいますが、そのような人は「相手が喜んでするセックス」と「相手が内心嫌がってするセックス」、どちらが自分にとってもよいのか、もう一度自分に聞いてみてもよいかもしれません。

権力差のない状態で同意を取っていれば、仮に後々「#MeToo」と言われても「こうやって同意をとりました」と説明できるはずです。

あわせて読みたい

「MeToo」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    パワハラ原因?オスカー崩壊危機

    渡邉裕二

  2. 2

    相次ぐ「GoTo外し」観光庁に疑問

    木曽崇

  3. 3

    公選法に抵触 毎日新聞の終わり

    青山まさゆき

  4. 4

    菅首相を揶揄 無料のパンケーキ

    田中龍作

  5. 5

    ニトリが島忠にTOB 家具業界の変

    ヒロ

  6. 6

    陰性の「安心感」に尾身氏がクギ

    BLOGOS しらべる部

  7. 7

    菅首相に見る本読まない人の特徴

    山内康一

  8. 8

    TBS番組が伊藤健太郎逮捕で誤報

    女性自身

  9. 9

    伊藤と交際報道の山本舞香は号泣

    女性自身

  10. 10

    橋下氏 毎日新聞のご飯論法指摘

    橋下徹

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。