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新天皇即位儀式 女性皇族は認めず

政府は、昨日17日、皇位継承に伴う一連の儀式の詳細を検討する「式典委員会」(委員長・安倍首相)の第3回会合を官邸で開き、新天皇が三種の神器の一部などを引き継ぐ「剣璽等承継の儀」の参列者は前例を踏襲する次第概要を決めました。

皇族は成年男性に限定し、女性皇族や秋篠宮家の長男悠仁様(12)は、参加されません。平成の代替わりの際の「剣璽等承継の儀」では、皇族だけでなく全体でも女性の出席者はいませんでしたが、今回は片山さつき地方創生担当相が、憲政史上初の女性参列者となるみこみ、と報じられています。

雅子様をはじめとする女性皇族に儀式への陪席を認めない方針は、昨年3月の式典準備委員会で、事務局が既定のものとして説明し、異論は出なかったそうです。政府が議論を避けたのは、女性・女系天皇の是非論に飛び火するのをさけるため、といわれています。平成の代替わりからは30年経っていて、時代や意識は変化しているのですから、改めて検討し、女性や未成年皇族も参列できるようにすればよかったと思います。政府の有識者ヒアリングでも対応を求める意見が相次いだということです。

所京都産業大名誉教授は「男女の未成年皇族も参列が望ましい」と主張。本郷東大史料編纂所教授は「歴史的には天皇を巡る儀式で女性の参画を禁忌とする原則はなかった」と指摘しています。しかし、安倍首相は、「女性宮家を認めることは、125代続いてきた皇位継承の伝統を根底から覆しかねない」と月刊誌に寄稿するなど、女系天皇につながる女性宮家の創設に批判的な立場をとっています。

現実には、剣璽等承継の儀に出席する成年の男性皇族は、前回の6人から2人に減ります。2017年に成立した退位特定法に関する国会の付帯決議では、「女性宮家の創設等」を法施行後速やかに検討するよう政府に求めています。大島衆院議長も、昨年末に「永続する皇室を今後どのようにつくるか。我々の最も大臣な宿題だ」として、議論を進めるよう訴えました。その通りだと思います。これまでも男性皇族がいなかった時に、女性が天皇になったことが、8人10代(同じ女性が再びなったため)あります。

しかし、保守の多くの人たちは、日本の皇室は万世一系の神聖なもので、手を触れてはいけない、と考えているようです。現実には、これまでの天皇のうち、半数近くが正式の妻ではない人の子なのです。ロマンの世界ではなく、現実のこととして超少子化が皇室でも現実のものとなっていること、宮家を11から現在の数に減らしたこと、正妻以外の子がなることは認められない現状、などから、早期に検討して、大事と考える人にこそ、皇室を持続可能なものにすることを考えてもらいたいと思います。

国際的にみても、各国の王室などで、女性が継げない国は、ないと思います。そうした議論のきっかけになるチャンスだったのに、前例踏襲で、今回も女性皇族は出席しない、と議論もなく決めてしまったことは、残念でなりません。

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