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安倍政権の改憲は「上からの改憲」(朝日社説)だと?〜そもそも「下からの改憲」ってあるのか?

さて自民党が今年の運動方針案でついに「改憲への道筋」をつけることを前面に掲げました。

 18日付け毎日新聞記事より。

自民党

「改憲に向けて道筋」 今年の運動方針案

 自民党は2019年運動方針案を固めた。安倍晋三首相が目指す憲法改正について「改めて国民世論を呼び覚まし、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟だ」と前文に明記。改憲案の賛否を問う国民投票をにらみ、世論の醸成を図る姿勢を打ち出す。

(後略)

https://mainichi.jp/articles/20190118/ddm/005/010/085000c

 「改めて国民世論を呼び覚まし、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟だ」とのことです。

 さて9条を確認しておきましょう。

第9条

1項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 安倍首相の改憲案は、9条に3項を追加し、自衛隊の存在を憲法上に明記するというものです。

 2項を従来通り維持することに対する批判があるのは周知の通りですが、ここに触れると公明党などがまず賛成してくれませんから、安倍案は現実的な改憲案であるといえます。

 憲法改正発議を目指す自民党に残された時間は少ないのです。

 戦後73年、現行憲法発布以来71年、この国の憲法は一言一句変わっておりません。

 この国の憲法が「不磨の大典」と化してしまったのは、憲法改正論議自体をいつでも反対と決めつけ、その改正内容を議論して国民の理解を深めることをしないまま「平和憲法を守れ」と思考停止の、改憲議論が結論を得ることが事実上不可能な高さにハードルを上げてきた一部野党や一部メディア勢力の愚かな主張によるものでしょう。

 安倍政権には、堂々とかつ粛々と改憲発議まで政治日程をこなしていただきたいです。

 繰り返しますが、安倍政権に発議成立に残された時間は少ないのであります。

 ・・・

 しかし朝日新聞です。

 朝日新聞はここ数年、「安倍政権下の憲法改正は反対」キャンペーンを紙面にて派手に展開しています。

 例えばこんなアンケート調査も繰り返しています。

安倍政権下の改憲「反対」58% 朝日世論調査

https://www.asahi.com/articles/ASL4R4HT3L4RUZPS005.html

 さらにです。

 2015年6月30日、朝日新聞は憲法学者ら209人にアンケートをしています。

 当時国会で討論されていた安全保障関連法案は合憲か、違憲か、はたまた自衛隊そのものは合憲か、違憲か、そして憲法9条は改正すべきか否か問われました。

 その偏ったアンケート結果が話題となりました、非常に有名な朝日憲法学者アンケートであります。

 現在でも以下でネットで公開されています。

朝日新聞

安保法案学者アンケート

https://www.asahi.com/topics/word/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E6%A1%88%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88.html

 さてその質問4「現在の自衛隊の存在は憲法違反にあたると考えますか。」との問いの結果がこちらです。


※朝日新聞社による2015年6月30日付アンケート調査より

 グラフは『木走日記』で作成

 ご覧のとおり過半数(6割以上)の憲法学者が自衛隊は憲法違反もしくはその可能性があると答えていました。

 さらに質問5「憲法9条の改正について、どのように考えますか。」との問いの結果がこちらです。


※朝日新聞社による2015年6月30日付アンケート調査より

 グラフは『木走日記』で作成

 実に8割の憲法学者が改正する必要なしと答えています。

 このアンケート調査が示していることは、わが国の憲法学者の多数は「自衛隊は違憲である」が「平和憲法は守れ」と主張しているのであります。

 日米安保条約により米軍の攻撃力に依拠しつつ防御力主体に国土防衛に当たっている自衛隊による現実のわが国の安全保障政策の実態を、「憲法違反」の一言で現実を無視し「憲法改正反対」と机上の空論を弄んでいるのであります。

 「憲法違反」と批判している自衛隊が現実に存在しているのに、でも「憲法改正」には反対という自己矛盾の主張を繰り返す学者たちなのであります。

 この状態は異常としか言えません。

 世界主要国の中で自国の軍隊を学者の多数がその存在そのものが「違憲」であるとみなしている国は日本以外にはありません。

 さて朝日新聞は10日付け社説で安倍政権の改憲は「上からの改憲」であり無理筋であると批判します。

憲法論議 「上からの改憲」の無理

2019年1月10日05時00分

https://www.asahi.com/articles/DA3S13842493.html?ref=editorial_backnumber

 安倍首相の自衛隊明記案は「自衛隊員の誇り」という情緒論が理由だと痛罵します。

 首相は自衛隊明記にこだわるが、理由として強調するのは「自衛隊員の誇り」という情緒論だ。9条が改正されても自衛隊の役割は何も変わらないというなら、何のための改正なのか。

 「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振る」のは「無理筋である」と批判しています。

 昨年の憲法をめぐる動きを振り返ると、憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振るという「上からの改憲」が、いかに無理筋であるかを証明したといえよう。

 朝日新聞の「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振る」という「上からの改憲」はダメだとの主張ですが、それこそ現行憲法違反の暴論と言えましょう。

 96条には憲法改正には「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議」と明文されています。

 その上での「国民投票」です。

第九十六条

この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 すなわち憲法改正には「各議院の総議員の三分の二以上の賛成」を国会で実現しなければ不可能なわけで、ときの政権(朝日新聞いわく「憲法に縛られる側の権力者」)が必要ならばいくつかの野党を巻き込んで改正案を国会に提示(朝日新聞いわく「自ら改憲の旗を振る」)せざるを得ません。

 ほかに手段はない。

 これを「上からの改憲」はダメだと批判するならば、それは現行憲法の改正手順を批判するに等しいのです。

 そもそも「下からの改憲」ってあるのか?

 「下からの改憲」ってなんなのか?

 こうして朝日新聞による「安倍政権下の憲法改正は反対」キャンペーンは「無理筋」に続くのであります。



(木走まさみず)

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