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パワハラ被害の半数「されるまま」の絶望

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厚労省の調査によると、職場で働く人の約3分の1にパワハラを受けた経験があり、そのうち半数弱は解決を諦め「されるがまま」の状態にあるという。パワハラの実態調査の経験がある日本総研の研究員は「パワハラをする側は『自分は正しい』『自分のチームは良い組織だ』と思い込み、またターゲットとなる被害者の周囲も見て見ぬふり。社内調査で『パワハラの事実を正直に答えられる雰囲気ではない』と答える社員も多い」という。「パワハラし放題」の実態とは――。

■パワハラ被害者の半数は、なぜ「されるがまま」なのか?


※写真はイメージです(写真=iStock.com/alphabetMN)

厚生労働省の「2017年度個別労働紛争解決制度施行状況」によると、都道府県労働局に寄せられる企業と労働者の紛争に関する相談のうち、「いじめ・嫌がらせ」に関するものは、2016年度で7万2067件に上り、2002年度(約6600件)に比べて著しく増加しています。

「いじめ・嫌がらせ」が増加している理由の1つは、パワーハラスメント(以下、パワハラ)に関する訴訟が増加していることだと指摘されています。

職場で行われるパワハラは、パワハラを受けた従業員の健康を害し、職場の生産性の低下にもつながる深刻な問題です。本稿では、政府などの調査及び筆者が今回の記事のために実施したインタビューを元に、パワハラの現状と課題、対策について考えます。

(1)パワハラを受けても「自ら対策を講じなかった」従業員が半数弱に達する不可解

厚生労働省によると、職場のパワハラとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」のことを意味しています。

一般的には、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指していますが、先輩・後輩間や同僚間で行われるものも含まれています。

職場のパワハラの形態としては6つが類型化されています。あくまでも代表的なもので、これらに当てはまらないもので問題になるケースもあります。

1.身体的攻撃(暴行・損害)
2.精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
3.人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
4.過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の内容)
5.過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる、仕事を与えない
6.個の損害(私的なことに過度に立ち入る)

■「何をしても解決にならない」「職務上不利益が生じるから」

実際に、パワハラはどれくらい存在しているのでしょうか。


※写真はイメージです(写真=iStock.com/VectorFlames)

厚生労働省のパワハラ実態調査(※)によると、パワハラを受けた経験があると回答した人の比率は、調査対象者の32.5%に上っています。

※厚生労働省委託事業「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」(2017年3月、委託先:東京海上日動リスクコンサルティング株式会社)。以下、「パワハラ実態調査」とする。

そして過去3年間に、パワハラを受けたと感じた人のうち、事後「何もしなかった」人は40.9%に上り、その理由として「何をしても解決にならないと思ったから」、「職務上不利益が生じると思ったから」が挙げられています。

職場で働く3分の1近くがパワハラを受けた経験があり、その半数弱がパワハラの解決を諦めている深刻な実態が窺えます。

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