- 2019年01月16日 10:33
モスがマック、ケンタより愛される理由
2/2▼ファストフード…3社平均NPS●-29
苦戦のモスがNPSトップ。マックはまさかの最下位
■マックは値段で顧客つなぎとめる
ファストフードでは、店舗の削減など、いま苦戦を強いられているモスバーガーがNPSでトップに立った。しかし、NPSは収益との相関性が高い指標のはず。なぜ、モスが1位なのか。

「NPSはすぐに収益に影響が出るとは限りません。この結果からいえることは、モスが復活してくる可能性が高いということ。高価格帯のヘルシー路線はおそらく間違っていません。いま苦境に立たされているからといって、必ずしも方向性を大きく変えるべきではないでしょう」
ちなみに欧米では、実績はいまいちでも、NPSが良い企業は、今後株価が伸びる可能性が高いとし、良い投資対象としてみる投資家が増えているという。一方、V字回復したマクドナルドがNPSでモスに大きく離されているのはなぜなのか。
「マックが顧客を握っている最も大きな要因は商品の値段です。これはある意味、危ない状況です。マックと同等の商品をより安く提供する店が現れれば、すぐに顧客をとられます。また、もし以前起きた異物混入事件のような、イメージを悪くする事態が起きれば、再び低迷することになるかもしれません」
No.1 モスバーガー
愛着度+15%/NPS●-14%/店舗数●1333店/モスカフェ含む、18年7月末
No.2 ケンタッキーフライドチキン
愛着度-6%/NPS●-35%/店舗数●1153店/KFCチェーン、18年3月末
No.3 マクドナルド
愛着度-10%/NPS●-39%/店舗数●2900店/18年7月末

▼家具・インテリア…3社平均NPS●-24
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商品種類の多いニトリが1位。ブランド力は無印
■イケア流の売り場テコ入れが必要か
家具・インテリアではニトリが強さを見せた。ニトリの顧客が「商品を決める時」に高い期待をかけているのに対して、ニトリもそれに応え、店舗に大量の種類の商品を並べる。

そんな中、海外の店舗ではNPSを積極的に活用しているイケアは、日本ではニトリに水をあけられた。詳細調査からは、イケアの顧客は商品のデザイン性を高く評価している一方、価格に関してはニトリの顧客よりも評価が低い。今西氏は「家具が安くても配送料が高いことへの不満の表れ」と分析する。
今西氏はイケアの「商品の探しにくさ」の評価の低さも指摘する。イケアでは、顧客はリビング→ダイニング→オフィスなど、店が指定した道順で売り場を回っていく。入店したらすぐに自分の欲しい商品の売り場まで向かう、日本の一般的な小売り量販店とは異なる設計だ。
「NPSは国民性や文化にも左右されます。欧米では受け入れられてきた独特な売り場も、日本ではいまいち不評なのかと思います」。今後新たにユーザーを獲得したり、NPSをさらに上げたりするためには、売り場の改善が必要となってきそうだ。
また、詳細調査からは配送手続きや購入後についてイケアの顧客の不満が強いことも明らかになった。
No.1 ニトリ
愛着度+4%/NPS●-20%/売上高●5720億円/ニトリHD、18年2月期
No.2 イケア
愛着度±0%/NPS●-24%/売上高●740億円/イケア・ジャパン、17年8月期
No.3 無印良品
愛着度-4%/NPS●-28%/売上高●3795億円/良品計画、18年2月期

▼家電量販店…3社平均NPS●-38
ヨドバシが突き放す。商品の探しやすさに強み
■「業界で大変動」今西氏が予想
家電は売上高で3社中3位のヨドバシカメラが2社を突き放した。その主な要因は商品の探しやすさだ。

「業界トップのヤマダ電機とヨドバシの違いは売り場にあります。ヨドバシは機械の細かい部品など、たくさんの品物を所狭しと置いています。一方でヤマダは広い通路で、ゆったりとした雰囲気を醸し出しています」
実際、詳細調査からはヨドバシは「商品の探しやすさ」「フロアガイドのわかりやすさ」「品揃えのよさ」の顧客評価で他2社を上回っている。売上高トップのヤマダは「店内の清潔感」で他社を上回った。商品数は少なくても店舗数で他社を圧倒するヤマダは大きめの「町の電器屋さん」という立ち位置になっているのか。
しかしヤマダのNPSの数値から、顧客のロイヤルティーが低いことがわかる。電化製品に関する目が肥えた日本人にとって、ヤマダの品揃えでは物足りないと思っている可能性が出てきている。ヨドバシがNPSでトップだったことに関して今西氏は「長期的には今後のこの業界で売上高の大変動が起きてくると思います」と話す。
No.1 ヨドバシカメラ
愛着度+12%/NPS●-26%/売上高●6805億円/18年3月期
No.2 ビックカメラ
愛着度-4%/NPS●-42%/売上高●7906億円/17年8月期
No.3 ヤマダ電機
愛着度-9%/NPS●-47%/売上高●1兆5738億円/18年3月期

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今西良光(いまにし・よしみつ)1982年、東京都生まれ。早稲田大学大学院修了。日立製作所、ファーストリテイリングを経て、2013年に現在のエモーションテックを創業。
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(プレジデント編集部 撮影=村上庄吾 写真=iStock.com)
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