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- 2019年01月15日 12:31
NGTメンバー告発に総合プロデューサーの秋元康氏はどうした!
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NGT48 Official Site
「(運営側は)事件を隠蔽しようとしていたんじゃないか」
「AKB48グループの管理・運営体制は本当に大丈夫か?」
といった疑問の声がファンの間でも巻き起こり、既にネット上は騒然となっている。
事件は、昨年12月8日の午後9時頃に起こった。公演を終えた山口が自宅マンションに帰宅すると、2人の男――いずれも25歳の無職の男と大学生の男が玄関先で待ち伏せしていたという。驚いた山口は家に逃げ込もうとすると、その男らから顔を掴まれ、さらには押し飛ばされるなどの暴行を受けたという。
「ドアを閉めようとしたら手が出てきました。それから顔を掴まれ押し倒されそうになりました。必死に追い返そうとしました」(山口)。
危険を感じた山口は運営担当者に連絡、その通報で駆けつけた新潟警察署員によって2人の男は暴行容疑で逮捕された。取り調べに対して大学生の男は「好意を持っていた」「話をしたかった」などと供述したようだが、2人とも「暴行はしていない」と容疑を否認したことから、新潟警察署は「不起訴処分」とし、釈放したという。
ところが、その事件が明らかになったのは、何と今年に入ってからだった。
被害者本人が事件を告発する事態に
事件から1ヶ月が経った1月8日夜から9日の早朝にかけて、山口本人が動画配信サイトや公式ツイッターで「被害を受けた」と涙ながらに告白したのだ。「本当のことを言わないと何も解決しない」。
動画配信サイトやツイッターで山口は、運営だけではなくメンバーに対しても不信感を露わにした。
「何で、他のグループでは許されないことが、NGTで許されるかもわからない。ずっと言い続けてきたのに、全部対処すると言っていたのに…」
「この1ヶ月怖かったけど、ずっと待っていた。だけど結果、何もしてくれてなくて。悪いことしていた人たちも全部そのままで…。意味がわからない」
「誰かが取り返しがつかなくなったら、どうするんだろう。(支配人は)クリーンなNGTにすると言ったのに、新しいNGTにするとか…。悪いことをしている奴らだって解雇するって言っていたくせに。何も対処してくれなくて」
「みんなの個人情報もバレてるし、何で真面目にやっている人が、こんな目に遭わないといけないのか分からない。真面目にやってきたことが悪いの?何で、こんなに怖い目に遭わないといけないの?」
それは悲痛な叫びだった。
一昨年の日本相撲協会内の不祥事以来、日本大学アメフト部や日本レスリング協会を始め、日本ボクシング連盟に日本体操協会…。それこそプロ・アマ問わず大学や各競技団体内での不祥事やパワハラが社会問題となった。
そういった中、2016年体操女子でリオ五輪代表だった当時18歳の宮川紗江選手が、たった1人だけで記者会見を行い、日本体操協会への不満を洗いざらい吐き出したことがあったが、今回の山口の〝告白〟は、その宮川選手の会見に匹敵するほどの衝撃度となった。
NGT運営は事件を隠蔽しようとした?
それにしても、今の時代は本人が叫ばなければ解決の糸口すらつかめないと言うことか。起こったことも無かったことに…都合よく揉み消されてしまうことだってあり得るわけだ。しかも、今回の出来事は、不起訴処分とは言っても警察も動いた〝事件〟である。それが発生から1ヶ月間も表沙汰にならなかったのは凄いことだ。と言うより、これほどまでSNSが発達した時代では理解に苦しむ。やはり運営側が事件を巧妙に隠蔽しようとしていたと言われても仕方がないだろう。
いずれにしてもケガなく済んだのは不幸中の幸いだった。ただ、山口を襲った男が不起訴になったのは、おそらく山口が「被害届」を出さなかったからだろう。考えられるのは、前述したように、事件が明るみに出ると、運営の責任も問われることになり、担当者は責任を取らなければならなくなる。ここは穏便に済ませたいと考えた運営側が山口を言いくるめて、警察に「被害届」を出すことを止めたものと推測される。
しかし、今となっては、さすがに警察内部でも今回の捜査に対して疑問視する声が巻き起こっているに違いない。
NGT48は2015年に、作詞家の秋元康がプロデュースする国内5つ目のAKB48グループとして誕生した。これまでにシングル4枚を発売しているが、山口は、その1期生。現在、メンバー・研究生は合わせて42人が在籍しているが、その中でも11人いる「チームG」の副キャプテンだ。
グループ内ではネットのライブ配信サービス「SHOWROOM」などにも積極的に取り組んでいた。タイプ的には〝不思議ちゃん〟だったようで〝まほほん〟の愛称で親しまれていた。ちなみに「選抜総選挙」では17年が53位で、昨年は70位だった。
今回の事件発覚で11日の研究生公演、そして14日に行われる予定だったチームGの劇場公演が中止されたものの、先ごろ(10日)、新潟市のNGT48劇場で開催された「NGT48劇場3周年記念スペシャル」公演には山口も出演した。
山口はステージ上で一連の騒動について謝罪。その終演後には運営側もコメントを発表し、そこでNGT48のメンバーが、ファンに山口の帰宅時間を教えるなど、騒動に関与していたことを明らかにした。
これに対して指原莉乃(26)は、自らのツイッターで、
「ここまで大きな事件を、彼女に謝らせる運営だとは思いたくないし、でも、本人発信だとしても、こうなってしまったことを謝らなきゃ!と思って自分を責めているんじゃないかと心配です。そこで謝らなくてもいいんだよ!と言えるスタッフがいなかったことも、どうかと思います」
と書き込んだ。
- 渡邉裕二
- 芸能ジャーナリスト
芸能ジャーナリスト。静岡県御殿場市出身。松山千春の自伝的小説「足寄より」をCDドラマ化し(ユニバーサルミュージック)、その後、映画、舞台化。主な著書に「酒井法子 孤独なうさぎ」(双葉社)など。