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稀勢の里に角界で応援ムード 「なんとか延命してほしい」

【何としてでも”勝たせたい”?(UPI/AFLO)】

「今場所は2ケタ(10勝5敗)で十分」──初場所初日を前に、関係者の間では横綱・稀勢の里にそんな“合格ライン”が設定されているという。もちろん、「東の正横綱」に求める成績としてはあまりに低い。

 8場所連続休場から1場所挟んでまた休場という惨状なのに、角界では本場所が近づくほどに温かい“応援ムード”が湧き起こっているのだ。

 初日の1週間前には、稀勢の里と2002年の初土俵同期で、2004年の新十両も同年昇進だった元大関・琴奨菊(前頭4)と十両の豊ノ島が田子ノ浦部屋へ出稽古に訪れた。「稀勢の里を励ますために琴奨菊が声をかけたというが、本場所で対戦予定の相手が激励のための出稽古なんて異例中の異例」(協会関係者)だという。

「白鵬、鶴竜のモンゴル2横綱が全休し、22歳の貴景勝(関脇)が初優勝した九州場所の千秋楽の視聴率は20%超えで、その前の場所より約10%も高かった。改めて“日本人力士の活躍あっての相撲人気”という機運が高まり、唯一の日本人横綱の現役続行を願う声が強くなってきた。

 さすがに本気ではないだろうが、同じ二所ノ関一門の親方の一人はベテラン力士に、“星を回して(八百長)でも残せないのか”と真顔で話していた。一門の連合稽古(1月9日)で貴景勝を8勝1敗と圧倒したが、これもできすぎた話。そのくらい“なんとか延命してほしい”という空気が広がっている」(協会関係者)

 昨年末に稽古を再開した時は、同部屋の大関・高安に三番稽古で勝ち越したことも話題となったが、「こんな状況だから高安だって兄弟子にケガさせられないと気遣って当然」(同前)で、周囲がこぞって“サポート”に回っているのだ。

 先場所は初日から4連敗で休場に追い込まれているだけに、カギは序盤となる。

「審判部も序盤の対戦相手は慎重に決めるだろう。審判部長は二所ノ関一門の阿武松親方(元関脇・益荒雄)。他の親方衆も和製横綱の延命を望んでいる」(同前)

 ただ、“今場所の主役”である稀勢の里には、懸賞が集中するのは必至。「誰に対しても手加減なしの若手ガチンコ力士たちは、スポーツ紙の一面を狙っていつも以上に目の色を変えて向かってくる」(同前)という見方もある。

 土俵際の稀勢の里は綱を張り続けられるのか、運命の初場所が幕を開ける。

※週刊ポスト2019年1月18・25日号

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