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韓国レーダー照射問題 中朝韓のわなにはまるな ~日本海の波高し~その3

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トップ写真:韓国駆逐艦DDH979・DDH971 出典:Frickr;National Museum of the U.S. Navy

岩田太郎(在米ジャーナリスト)

【まとめ】

在韓米軍撤退は西太平洋地域における「中国夢」実現の一歩。

・嫌韓論と断交論の高まりは日本の半島関与を弱めたい中朝韓の罠にはまること。

・日韓関係を悪化させて挑発に乗ってはならない。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=43659でお読みください。】

韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」が2018年12月20日、海上自衛隊のP1哨戒機に対して敵対的な火器管制レーダーを照射したとされる問題では、日本の排他的経済水域(EEZ)における、韓国海洋警察や韓国海軍の「主権実力行使」の増加による、将来的かつ継続的な日韓衝突の可能性が注目される

この日本海における日韓関係の緊張に北朝鮮が絡み、日本の地政学的な利益が侵食され、さらに韓国がレーダー照射事件や慰安婦問題、徴用工賠償命令、竹島問題などで日本世論を挑発し、嫌韓論や断交論を高めておいて、韓国が日米韓同盟を放棄する大義を立たせる可能性がある。

そうなれば、中国を宗主国と仰ぐ北朝鮮主導の半島統一が達成しやすくなり、日本の目前である玄界灘に統一朝鮮との軍事境界線が迫る危険性が高まる。そのため、今回の事件はより大局的な見地からの検証が必要になるのである。

■韓国と北朝鮮の不可解な動き

大和堆(やまとたい)における韓国軍の海自機に対するレーダー照射は、日本のEEZ内で治外法権を与えられた韓国海警に韓国軍が便乗し、北朝鮮船のインシデントを積極的に利用して、日本のEEZを「韓国の海警と海軍による実効支配」の下に置こうとした試みである可能性は前回、指摘した。

▲画像 大和堆 出典:Wikipedia

北朝鮮の密漁船が大量に出没する大和堆の暫定(ざんてい)水域(2017年だけで海保が1900隻超に退去警告や放水)、それに隣接する韓国EEZ内の操業自粛水域は、韓国海警や韓国軍が「北朝鮮漁船保護」「韓国漁船保護」を口実に、大和堆の暫定水域でわがもの顔に振る舞い始めている

その意味では、尖閣諸島の周辺で中国漁船の保護や取り締まりを名目に実効支配を深める中国の手法と似通っていなくもない。韓国の場合は、これに第三国かつ一体化しつつある北朝鮮が絡むため、さらに不可解でややこしい。

また、北朝鮮船はさまざまな活動のため漁船に偽装することがあり、海路での脱北、覚醒剤などの海上密輸、「瀬取り」と呼ばれる洋上取引、韓国の親北グループとの秘密接触、日本上陸のための工作船、などの活動が知られている。

今回、韓国が「救助」したとされる北朝鮮「漁船」は、救難信号が出ていたのではなく、韓国漁船と思われる他船から「漂流している漁船がある」という通報が韓国海警にあったと伝えられる。また、脱北者が乗っていた可能性が指摘されている。

漂流する船に緊急輸送を必要とする急病人がいることを想定し、最寄りの竹島周辺に展開中で、ヘリコプターを搭載する「広開土大王」が出動したというシナリオも成り立たなくはない。それならば、1トン未満の漁船の「人道的救助活動」に444トンの最新鋭駆逐艦が向かった理由には一応なる。

韓国の『中央日報』紙によれば、この北朝鮮船には4~5人が乗り組み、漂流中に少なくとも1名の死者が出た。「餓死寸前で脱水症状がひどい」乗組員に手当てを行い、「救助」から2日も経たない12月22日午前11時、生存している船員3名と死亡した1名を板門店経由で北朝鮮側に引き渡したとされる。

だが、なぜ韓国当局は、それほどまでに乗組員を早急に北朝鮮に引き渡さねばならなかったか。200名近くが乗り込む「広開土大王」には病院設備があるはずで、艦内で高度な治療は可能なはずだ。ましてや、「餓死寸前で脱水症状がひどい」状態ならば、まず韓国の病院で入院させて容体を安定させてから引き渡すだろう。

それ以前に、漂流船に関する韓国の発表は真実なのか。本当に「救助」が目的であれば、様子を見に来ただけの海自機に「広開土大王」が敵対的なレーダー照射を行う必要はなく、海自機に意図を問い合わせ、人命救助に協力を求めれば済む話だ。韓国軍はなぜ交信を試みず、極端な反応をしたのか。

読売新聞』は12月28日に、韓国軍は北朝鮮漁船の「救助」に普段から関わっている可能性があると意味深に報じているが、ここに、海自の哨戒機が現場に出動した真の理由と、韓国軍によるレーダー照射の動機が隠されているかもしれない。韓国軍による自衛隊への敵対行為は起こるべくして起こったのだ。

なお、海自や公安は「救助された」北朝鮮船と本国の交信をはじめ、韓国艦と本国の交信の内容、韓国艦と韓国海警の交信、韓国側と北朝鮮側の交信も傍受して、暗号解読や分析済みである可能性もある。

いずれにせよ、日本EEZでは北朝鮮船や韓国船が入り乱れ、南北の「半島勢力」の活動が活発化する一方であることは、日本にとり重要な関心事である。

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