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殺人、自殺、焼死…「事故物件は意外に安くない」と専門業者

オウム真理教の本部はいま…

「殺人、自殺、火災死、孤独死などがあった物件を『事故物件』と定義しています」と話すのは、不動産業者・大島てる氏。これらの物件は『心理的瑕疵(心理的欠陥)』があるとされ、貸し主(大家)は借り主(入居者)に事前に「告知」をする義務がある。

「しかし告知義務は曖昧なもの。事故後、何人めの入居者にまで『告知』するかは決まっていません。そのため不動産業界では、事故後1人めの入居者に伝えれば、2人め以降への告知義務はないとしています。なかには1人めにも告知せず、通常の家賃で募集する悪質業者もいます」

 また、告知義務があるのは事故があった部屋だけで、隣室や階下の住民は何も知らされずに住んでいることも多い。そんな事故物件の「その後」はそれぞれだという。

「戸建ての場合は建物を取り壊して駐車場にしたり、広い土地であれば『どの場所で事故が起きたか曖昧になる』よう、土地を分割して狭小住宅を建てて売ることもあります。

 事故物件の住宅ローンや税の払い手が亡くなると、物件が差し押さえられることもあります。

 2016年には『ヤフオク!』の官公庁オークションで『この物件は2014年1月に建物内で殺人事件が発生した物件です』と注意書きが添えられて、公売にかけられた物件もありました」

 たとえば、2018年7月、元幹部ら13人の死刑が執行されて「ひとつの区切り」を迎えたオウム真理教事件。当時、多くのマスコミが詰めかけていた南青山の教団本部の建物は3年前に取り壊され、今は更地になっていた。

「ブティックやオフィスが入っていましたが、あまり繁盛している様子はありませんでした」と近隣住民が言う建物の跡地は、今後どうなるのか。

 中野区内のワンルームマンションに住んでいた劇団員の女性が殺害された事件。犯行現場の部屋について、同じマンションに住む住民が語ってくれた。

「事件から半年くらいたったころ、ほんの短期間だけ誰かが住んでいましたよ。その後すぐにまた別の方が入居されたようでした。家賃はワンルームで5万円です」

 今この部屋に住んでいる住民は、はたしてこの部屋の「前歴」を知っているのかーー。

 年間に起きる殺人事件は350件ほど。今も次々と新たな事故物件が生まれている。だが、事故物件の売買も手がける「ハッピープランニング」の大熊昭社長は「事故物件を気にしない方も多い」と言う。

「病気の孤独死は心理的ハードルが高くないようですが、殺人事件で未解決の場合は、犯人が戻ってくる恐れもあるので嫌われます。事故物件の価格ですか? フルリフォームするので皆さんが想像するよりは安くありません。相場の1、2割安い程度ですよ」

(週刊FLASH DIAMOND 2018年11月10日増刊号)

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