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同性婚求める初の違憲訴訟がスタートも 専門家「婚姻制度の前提は男女の組み合わせ、裁判は負けるだろう」「同性婚より婚姻の平等を」

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 2019年2月から3月にかけて、同性婚を求めて初の違憲訴訟がスタートする。同性婚は現在世界24カ国で認定されているが、G7の中で法的制度がない国は日本のみ。この違憲訴訟で論点となるのは、憲法24条の「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立」という文言の解釈。定められた当時は親の承諾が必要で、これは当人の間での合意があれば結婚できるという意味での“両性”の合意。つまり、性別の話はしていないという解釈だ。


 同性婚は憲法に違反するのか、また認めるのは尚早なのか。ゲイの弁護士“夫夫(ふうふ)”を描いたドキュメンタリー映画『愛と法』に出演した南和行弁護士やトランスジェンダー活動家の杉山文野氏、憲法学が専門の麗澤大学教授の八木秀次氏、ゲイを公表し『新潮45』に論文を寄稿した元参議院議員の松浦大悟氏らが徹底討論した。

■八木氏「婚姻制度の前提は男女の組み合わせ。この裁判は負けるだろう」

 八木氏は「憲法24条の規定を受けて民法でも“夫は”“妻は”としている訳だから、当然男女の組み合わせの婚姻制度だという前提がある。この裁判は負けるだろう」との見解。南弁護士も「両性の意味は当然“男女”で、ハードルが高い部分も多いだろう」との見方を示す。


 一方で、南弁護士は違憲だとする声には反論し「日本国憲法は『人は誰でも幸福かつ平等になれる』と定めているので、同性婚法を作ることはできると思う。憲法が禁止するのは秩序として国は認めないということで、例えば奴隷的拘束(18条)や拷問(36条)の禁止は、『これは労働だ』『説得だ』と言っても秩序として認められないから禁止する。そういう意味では、同性婚法は憲法違反にはならない」と主張。また、現行の婚姻制度に触れ「できないのは、生まれた子の親になる、共同親権を持つ、同じ名字になる、相続人になる、相続税軽減などの法律で決まっていること。それを同性婚でどうするかという話が議論のコンセンサスで、それには今ある男女の婚姻制度について議論をしない限りは辿りつかない」と述べた。


 同性婚という権利を勝ち取ることに杉山氏は「制度的な話と感情的な話の両方があると思う。すべての国民は皆不平等だというルールなのであれば、納得はできないけど理解はできる。でも、すべての国民は皆平等だと言っているのに、結婚できる人とできない人がいるのか。僕たちも税金を払っているのに『そこに税金を投入するのは…』と否定されるのは、二級市民的な扱いだと感じる。そういう感情は絶対に残るので、権利を勝ち取るということは、同性婚ではなく婚姻の平等という方向。よく『伝統的な家族』の話が出るが、それを否定するつもりは全然なくて、シングルマザーやシングルファザー、LGBTといろいろな形が増えている中で、社会的な変化に合わせられないのは誰も幸せになれないのではないか」と訴えた。

 八木氏が指摘するのは、婚姻制度の前提となる“世代間継承”の考え方。「民法772条1項で『妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する』と定めている。あくまで推定だが、法的に早めにその子どもの父親を決めてあげる、その父親が責任を持って子どもを育てていくという体系は、多くの人たちにとっては良くできていると思う。それとは別に、世代間継承がないと考えられる同性カップルの契約関係を保護していく制度はあっていいと思う」と説明する。


 慶応大学特任准教授などを務めるプロデューサーの若新雄純氏は、杉山氏が挙げた“伝統的な家族”を踏まえ「みんながこだわっているのは、家族の絆よりも“家”という箱なんだと思う。“家”は最高なシステムというよりもそこそこ便利なもので、言い方は悪いが結婚制度があることでバカでも“家”を持てる。その制度を壊すのは、個人の自由を守る一方、個人の本当の自由を考えた時にみんながまだ議論できない状態にあると思う」と持論を展開。

 一方、松浦氏は同性婚が文化に影響を与える点に触れ、「同性婚を一般市民がしたとすると、必ず『天皇家はダメなのか』という議論になる。イギリスのロイヤルファミリーが同性婚をしたが、日本もそういう社会になっていくのかというと、議論はまったくされていない。天皇家を元にしたお祭りはいっぱいあって、例えばお雛様は『お内裏様とお内裏様じゃダメなのか』という意見が必ず子どもから出てくる。こうした議論をしなければいけないのに、同性婚の時は不完全な情報だけで議論してしまう。あえてそうしているのかもしれないが、情報をオープンにして議論しないといけない」と述べた。

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