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トランプ氏、国家非常事態の宣言を検討と 国境の壁めぐり

メキシコとの国境に壁を建設する費用をめぐり米連邦政府の一部閉鎖が続く中、ドナルド・トランプ米大統領は10日、予算決定権を握る議会を迂回(うかい)して建設費を確保するため、国家非常事態の宣言を検討していると再び発言した。

トランプ氏は南側国境の視察にテキサス州へ向かう前、連邦議会が壁の建設予算を承認しなければ、「おそらく、ほとんど確実に」非常事態を宣言すると記者団に述べ、「国家非常事態を宣言する権利が自分には間違いなくある」と強調した。

大統領が国家非常事態を宣言すれば壁の建設を米軍に命じることができるという見方がある一方で、憲法が定める議会の予算決定権を侵害したと無数の行政訴訟が予想される。また、非常事態となっても建設費は他の政府予算から回す必要があり、一部の共和党議員が反対する可能性もある。

一部の米報道によると、米政府内では自治領プエルトリコなど甚大な自然災害の被害を受けた地域の復興費の一部を、壁建設費用に回す案を検討しているという。

一方で、共和党重鎮でトランプ氏を支持するリンジー・グレアム上院議員(サウスカロライナ州選出)は、「国境の壁・柵の建設費用のため、大統領が非常事態の権限を活用すべき時が来た」と表明した。

<関連記事>

トランプ氏は国境の壁建設費用として連邦予算57億ドルを要求し、議会がこれに応じない限り、連邦政府のつなぎ予算決議を認めない姿勢を貫いている。1月から下院・多数党となった民主党は壁の建設費を認めない方針で、それに伴い一部の政府機関は予算切れのため12月22日から閉鎖状態にある。政府職員約80万人が無給状態に置かれている。

「メキシコが小切手を書くとは言っていない」

トランプ氏は大統領選の早い段階から、南側国境に壁を建設する、費用はメキシコ政府に払わせると公約していた。

しかし10日には、「何十万人もの人の前でメキシコが壁の代金を払うと言ったとき(中略)もちろんそれは、メキシコが小切手を書くなどという意味ではなかった」と記者団に述べた。

一方で大統領選中のトランプ陣営ウエブサイトは2016年7月、壁の費用として50億ドルから100億ドルを「メキシコに一括で払わせる」方針をトランプ氏が明示している。

トランプ氏はこれについて10日、直接的な支払いではなく、メキシコは北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の経済効果によって「間接的に何度も何度も払うことになる」と、最近の主張を繰り返した。

しかし、複数のエコノミストはこの効果は期待できないし、USMCAによる経済効果は米財務省ではなく民間企業にもたらされると指摘している。USMCAはまだ批准されていない。

国境視察

トランプ氏はこの日、テキサス州マクアレンの国境警備拠点を視察した。国境警備局が押収したという武器や現金や麻薬を前に、トランプ氏は国境警備官や違法移民に家族を殺害された住民と一緒に記者発表に臨んだ。

「障壁がなければ(中略)この問題は解決できない」とトランプ氏は述べ、問題が解決されなければ「大勢が死ぬ」と強調。「壁は中世的だと言われるが(中略)うまくいくものもある」と述べた。

(英語記事 Trump visits border amid US shutdown wall row)                                             

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