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シューズで見る箱根駅伝2019 「ナイキ ヴェイパーフライ」はなぜここまで広まったのか - EKIDEN News

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 東海大学の初優勝にわいた第95回箱根駅伝。最後まで熾烈な戦いが繰り広げられた裏では、もう一つの熱い戦いがあった。各メーカーのシューズ戦争である。あの選手はどこのメーカーのどのシューズを履いていたのか。前回大会と比べ、シューズ勢力図はどう変わったのか。今年のトレンドを、駅伝好き集団「EKIDEN News」(@EKIDEN_News)の西本武司さんがマニアックに読み解く。

【図】メーカー別シューズ割合は衝撃の結果に

◆ ◆ ◆

 今年の主役もやはりナイキでした。ナイキは昨年の箱根駅伝で、これまでの「靴底は薄いほうがいい」という常識を覆す、まったく新しい厚底シューズ「ヴェイパーフライ4%」を投入してきました。昨年、男子フルマラソン日本記録が2度も更新。設楽悠太、大迫傑両選手がこのシューズを履いたこともさらに追い風となりました。2018年の箱根駅伝がヴェイパーフライ4%のデビューの年だとしたら、2019年はヴェイパーフライシリーズが一気に広まった年といえます。


2019年は「ナイキ ヴェイパーフライシリーズ」が広まった年

2年で約3倍に増えたヴェイパーフライ

 どれぐらい広まったのか、まずは2019年の内訳を見てましょう。

【2019年箱根駅伝のシューズ内訳】

・ナイキ 95人(ナイキV【ヴェイパーフライなどの厚底タイプ】=87人+ナイキ【その他のナイキ】=8人)

・アシックス 51人

・ミズノ 24人

・アディダス 39人

・NB(ニューバランス) 21人(NBML【NBのミムラボモデル】=15人+NB【その他のニューバランス】=5人+ML【三村モデル】=1人)

 昨年の内訳はこうでした。

【2018年箱根駅伝のシューズ内訳】

・ナイキ 58人(ナイキV【ヴェイパーフライなどの厚底タイプ】=39人+ナイキ【その他のナイキ】=19人)

・アシックス 54人

・ミズノ 37人

・アディダス 35人

・NB(ニューバランス) 23人(NBML【NBのミムラボモデル】=18人+NB【その他のニューバランス】=5人)

・ML(三村モデル)【NBと契約する前に三村さんがミムラボで作ったシューズ】=3人

 ちなみに2017年にナイキを履いた選手は36人。この2年で3倍近くに増えています。ナイキは箱根駅伝のタイミングに合わせて昨年12月に、東洋大学の選手たちをモデルに起用し、ジョグやレースなど、目的やレベルに合わせて選べる5つのモデル「EKIDEN PACK」を発売。このモデルは爆発的人気を集め、発売から数分でソールドアウトとなりました。

 このEKIDEN PACKを箱根駅伝では多くの選手たちが着用していました。白地に赤のスウォッシュが入ったデザインといえば、思い出す人も多いのではないでしょうか。

ナイキのプロモーション戦略の変化

 ナイキは箱根駅伝のレース中に、それぞれの区間で何人の選手がヴェイパーフライを履いていたかを、ほぼリアルタイムで配信していきました(http://nike.jp/ekiden/pc.html)。これまで特定の選手にしか提供しなかったシューズを、何人が履いたと発表したことで、ナイキは今年は物量でアピールするプロモーションへとシフトしたのではないか、そんな予想が成り立つわけです(※ちなみにナイキのリリースと上記のEKIDEN News調べの数が異なりますが、ヴェイパーフライと極めて似たシューズを履いた選手をナイキがカウントしたためと思われます)。

ヴェイパーフライを履けば誰でも速くなるの?

 ではヴェイパーフライを履けば誰でも速く走れるのでしょうか? そうとは言えません。

 今年の箱根駅伝は、ヴェイパーフライで良い結果を出すために以前から準備してきた選手と、そうでない選手に分かれた年とも言えます。ヴェイパーフライは履きこなすのが難しい、ヴェイパーフライに適した走りが求められるシューズです。「ナイキ ヴェイパーフライ 4% フライニット」の定価は28080円。推奨距離が200km弱ということもあって、価格、耐久性がネックとなり、普通の大学生が何足も履き潰せるシューズではない。そういう裏事情もあってか、今回もおろしたてのEKIDEN PACKで箱根を走り、うまく履きこなせていない選手がいたことも事実。昨年12月の福岡国際マラソンで走った設楽悠太選手や服部勇馬選手の足元には最新のナイキ ヴェイパーフライ 4% フライニットではなく、旧カラーのヴェイパーフライであったことからも、彼らほどのトップ選手であっても、準備が必要であることがうかがいしれます。

 そんななかで着々と準備をしてきたのだろうと思わせる選手が、6区に2人いました。1人は東洋大学の今西駿介選手。彼は昨年も6区を走りましたが、多くの選手がヴェイパーフライを履く東洋で、走りと靴がフィットしなかったそうで、ナイキのストリークシリーズを履いていました。そんな彼が今回選んだのはアッパーがフライニットではない、ヴェイパーフライ。しかもチームカラーの鉄紺です。チームカラーのヴェイパーフライは以前のモデルなので、これを履いているということは、彼がいかに練習を積み、準備してきたかの証明といえるのです。

 もう1人、東海大学の6区で快走した中島怜利選手は、昨年に続いてヴェイパーフライですが色は東海ブルー。新製品に飛びつくのではなく、旧モデルできちんと準備をして、この日のために取っておいたモデルを履いたのでしょう。

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