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- 2019年01月09日 16:40
安倍首相が改憲に執念をたぎらす3つの背景
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安倍首相は臨時国会の最終日に、2020年に新憲法を施行する意志について「その気持ちは変わりがない」と言い切り、1月6日放送のNHK番組でも通常国会で与野党による憲法改正論議の進展に期待を示し、「憲法は国の未来、理想を語るものであり、日本をどのような国にするかとの骨太の議論が国会で求められる。各党が考え方を持ち寄るべきだ」と述べました。安倍9条改憲NO!3000万人署名運動の効果もあって、昨年中の改憲発議という目論見が挫折し改憲スケジュールに大きな狂いが生じていますが、改憲に向けての安倍首相の執念には変わりがないようです。
しかも、今年の7月には参院選が実施され、ここで改憲勢力が3分の2の議席を失えば、2020年までに改憲発議を行うことはほとんど不可能になります。常識的に考えれば、2020年新憲法施行が実現する可能性はかなり薄まっていると見られますが、それでも安倍首相が改憲に執念をたぎらせているのは何故でしょうか。
その第1は、安倍首相には個人的な野望があるからです。安保条約の改定を成し遂げた後に改憲を実現したいという祖父・岸信介元首相の望みを受け継いで改憲を達成したいと考えているのでしょう。
昨年の12月19日に公開された外交文書で、岸信介首相が就任後初の1957年6月の第1次訪米を前に旧安保条約を改定した後、憲法を改正する二段構えの構想を描いていたことが明らかになりました。岸元首相も安保改定だけでなく、改憲にも執念を燃やしていたわけです。
しかし、安保闘争によって岸内閣は倒れ、改憲どころではなくなりました。安倍首相はこの祖父の執念を受け継ぎ、自分の手で達成したいと考えているにちがいありません。
もし、それが可能になれば祖父の願いを実現できるだけなく、戦後初めて改憲を成し遂げた首相として、歴史に名を残すことができます。このような功名心が安倍首相自身にとって大きな野心を生み出す背景の一つではないでしょうか。
この独りよがりの功名心によって憲法をめぐる国民世論は分断され、大きな対立が持ち込まれる結果になりました。今憲法を変えなければならないと考えている国民は少数なのに、安倍首相の個人的で勝手な思い込みによって大きな混乱が持ち込まれているのが現状です。
「憲法は国の未来、理想を語るものであり、日本をどのような国にするかとの骨太の議論が国会で求められる」と安倍首相は語っていますが、すでに現行憲法によって平和国家としての「国の未来、理想」は示されており、「日本をどのような国にするか」という民主国家のビジョンも、憲法によって明らかにされています。安倍首相をはじめとした国務大臣や国会議員は、このような憲法を「尊重し擁護する」ことこそが、99条に示された義務であることを再確認する必要があるでしょう。
第2に、憲法に自衛隊の存在を書き込んで普通の軍隊とし、集団的自衛権の全面的な行使を可能にすることです。安倍首相はすでに安保法制(戦争法)の成立によって「戦争する国」に向けての制約を一部とり払いましたが、それをさらに進めて全面的(フルスペック)な集団的自衛権行使への道を開こうと考えているのです。
安倍首相は9条をそのままにして自衛隊の存在を書き込んでも、自衛隊の任務や性格には何ら変わりはないと説明しています。しかし、これは真っ赤な嘘です。
法律には「後法優位の原則」があり、前に制定された条文と後から付け加えられた条文とが矛盾した場合、後から制定された条文の方が優越します。新しい条文の方が法制定者の直近の意志を示しているからです。
そもそも、変わらないのであれば変える必要はありません。自衛隊の存在を書き加えることによって憲法上の位置づけを与えて正当化すれば、自衛隊の性格も任務の内容も大きく変貌するにちがいありません。
それは、集団的自衛権を全面的に解禁し、アメリカの要請に応じた海外での武力行使を可能にするでしょう。日本は「戦争する国」となって、自衛隊が戦争に巻き込まれる危険性が高まります。
しかし、自国第1で脱中東化を進めているトランプ米政権の登場によって、このような必要性があるのかが改めて問われ始めています。韓国や日本からの米軍撤退の可能性も囁かれるなかで、軍事大国化のための改憲自体が東アジアの国際情勢と緊張緩和に逆行する時代錯誤で無用なものになってきている現実を直視するべきでしょう。
しかも、今年の7月には参院選が実施され、ここで改憲勢力が3分の2の議席を失えば、2020年までに改憲発議を行うことはほとんど不可能になります。常識的に考えれば、2020年新憲法施行が実現する可能性はかなり薄まっていると見られますが、それでも安倍首相が改憲に執念をたぎらせているのは何故でしょうか。
その第1は、安倍首相には個人的な野望があるからです。安保条約の改定を成し遂げた後に改憲を実現したいという祖父・岸信介元首相の望みを受け継いで改憲を達成したいと考えているのでしょう。
昨年の12月19日に公開された外交文書で、岸信介首相が就任後初の1957年6月の第1次訪米を前に旧安保条約を改定した後、憲法を改正する二段構えの構想を描いていたことが明らかになりました。岸元首相も安保改定だけでなく、改憲にも執念を燃やしていたわけです。
しかし、安保闘争によって岸内閣は倒れ、改憲どころではなくなりました。安倍首相はこの祖父の執念を受け継ぎ、自分の手で達成したいと考えているにちがいありません。
もし、それが可能になれば祖父の願いを実現できるだけなく、戦後初めて改憲を成し遂げた首相として、歴史に名を残すことができます。このような功名心が安倍首相自身にとって大きな野心を生み出す背景の一つではないでしょうか。
この独りよがりの功名心によって憲法をめぐる国民世論は分断され、大きな対立が持ち込まれる結果になりました。今憲法を変えなければならないと考えている国民は少数なのに、安倍首相の個人的で勝手な思い込みによって大きな混乱が持ち込まれているのが現状です。
「憲法は国の未来、理想を語るものであり、日本をどのような国にするかとの骨太の議論が国会で求められる」と安倍首相は語っていますが、すでに現行憲法によって平和国家としての「国の未来、理想」は示されており、「日本をどのような国にするか」という民主国家のビジョンも、憲法によって明らかにされています。安倍首相をはじめとした国務大臣や国会議員は、このような憲法を「尊重し擁護する」ことこそが、99条に示された義務であることを再確認する必要があるでしょう。
第2に、憲法に自衛隊の存在を書き込んで普通の軍隊とし、集団的自衛権の全面的な行使を可能にすることです。安倍首相はすでに安保法制(戦争法)の成立によって「戦争する国」に向けての制約を一部とり払いましたが、それをさらに進めて全面的(フルスペック)な集団的自衛権行使への道を開こうと考えているのです。
安倍首相は9条をそのままにして自衛隊の存在を書き込んでも、自衛隊の任務や性格には何ら変わりはないと説明しています。しかし、これは真っ赤な嘘です。
法律には「後法優位の原則」があり、前に制定された条文と後から付け加えられた条文とが矛盾した場合、後から制定された条文の方が優越します。新しい条文の方が法制定者の直近の意志を示しているからです。
そもそも、変わらないのであれば変える必要はありません。自衛隊の存在を書き加えることによって憲法上の位置づけを与えて正当化すれば、自衛隊の性格も任務の内容も大きく変貌するにちがいありません。
それは、集団的自衛権を全面的に解禁し、アメリカの要請に応じた海外での武力行使を可能にするでしょう。日本は「戦争する国」となって、自衛隊が戦争に巻き込まれる危険性が高まります。
しかし、自国第1で脱中東化を進めているトランプ米政権の登場によって、このような必要性があるのかが改めて問われ始めています。韓国や日本からの米軍撤退の可能性も囁かれるなかで、軍事大国化のための改憲自体が東アジアの国際情勢と緊張緩和に逆行する時代錯誤で無用なものになってきている現実を直視するべきでしょう。



