- 2019年01月08日 17:35
渦中のファーウェイ、2019年も快進撃は続くのか
破竹の勢いで成長を続けるファーウェイが、正念場を迎えている。2018年には、米中対立が深まる中、カナダでのCFOの逮捕や米国などにおける政府調達からの排除が連日報じられ、世界的な注目を浴びた。

日本市場でファーウェイは、ソフトバンク向けの基地局に加え、スマートフォンやタブレットといった各種端末を展開しており、シェアを拡大している。果たして2019年はどうなるのだろうか。
日本市場に大きく食い込んだファーウェイ
世界のスマホ市場でファーウェイは、2018年第2・第3四半期にアップルの出荷台数を抜き、シェア2位に浮上。12月25日には年間出荷台数が2億台を超えたことを発表するなど快進撃を続けており、トップシェアのサムスン電子の背中が見えてきた格好だ。
国内ではSIMフリー市場でシェア1位を維持しており、大手キャリアを含めたスマホ市場全体では5位(MM総研調べ、2018年度上期)にランクインした。秋葉原に続き、梅田にもヨドバシカメラ店舗内のショップをオープンするなど、着実に存在感を高めている。

ファーウェイが急速にシェアを伸ばしている背景には、端末のコスパの良さがある。価格が安いだけの製品なら悪評が広まってすぐに売れなくなるが、ファーウェイ製品は実際に購入したユーザーからの評価が高い。コストにシビアなMVNOからも品質の高さや故障率の低さが評価され、採用が相次いでいる。
さらにファーウェイは、国内大手キャリア向けにモバイルWi-Fiルーターやタブレットなどの端末を納入してきた実績がある。2018年には最上位スマホの「HUAWEI P20 Pro」をNTTドコモが、「HUAWEI Mate 20 Pro」をソフトバンクが採用したことで大きな話題になった。

日本の消費者を相手にする国内大手キャリアは、品質への要求が非常に高いことで知られている。日本で採用されたという実績はファーウェイのブランドイメージ向上を後押しし、海外展開にプラスに働いている面もあるようだ。
だが、一連の報道ではファーウェイの名前が連呼されたことで、ファーウェイを知らない消費者にも知名度が上がった一方、中国への不信感と同様の感情をファーウェイにも抱いた人が少なくないと思われる。これが2019年にどう影響するのだろうか。
基地局インフラからは除外も、端末販売は継続か
2018年12月19日に開かれたソフトバンクの上場会見では、ファーウェイ製の「基地局」と「スマホ」の扱いについて、CTOの宮川潤一氏が説明。基地局については政府方針に従って置き換えを検討するものの、スマホについては「『消費者が選択できることもあり、政府は言及するつもりはない』と聞いている」と語った。

基地局について宮川氏は、「技術が良くて、価格も安い。使いたいのはやまやまだが、日本政府の方針に従う」と、技術者ならではの本音を漏らす場面もあった。業界内でもこうした声は多く、安い、速い、サポートが手厚いといった理由でファーウェイを評価する向きは多い。
一方、スマホについては利用規約においてユーザー情報収集をしているとの説明があり、不安の声が上がった。だが、これは他のスマホメーカーと大差ないもので、ユーザーの同意に基づき製品の機能改善やバグ修正に必要な範囲にとどまっているという。
一連の騒動を受け、ファーウェイ・ジャパンは日本市場向けにメッセージを打ち出しており、東日本大震災における復旧への取り組みや、日本企業から6700億円の部品を調達していることなどを訴えている。中国に漠然とした不安を覚える人が増えた一方で、ファーウェイには信頼感を持った人も多いようだ。
2019年のモバイル市場では、端末と回線の分離が焦点となり、スマホ本体を値引きする端末購入補助が問題視される確率が高い。その結果、iPhoneのニーズは底堅い一方、高価格帯の国産スマホは大きく苦戦する可能性が指摘されている。
端末購入補助がなくなると、スマホ本体はコスパ重視の競争になる可能性があることから、ファーウェイで日本国内のデバイス事業を統括する呉波氏は、「端末メーカーが同じスタートラインに立てる」と予測。コスパ競争ならファーウェイが有利になるとの含みを持たせた。

2019年10月には、楽天が自前でインフラを整備する通信キャリア事業に参入する。楽天はファーウェイなど中国メーカーの基地局は採用しないと説明しているものの、スマホについてはかつてファーウェイ製品を独占販売し、成功させた実績がある。楽天とファーウェイのタッグが再び実現するかどうかも2019年の見どころになりそうだ。
- NewsInsight
- ニュースインサイト “ニュースが一歩、深化する”



