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2019年、不安定化する国際秩序の中で、日本がリーダーシップを発揮するための土台作りを

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 新しい年は、日本の役割が問われるとても大きな歴史的な年です。

 そのため私は、日本のぶれることのない立ち位置を、この正月に改めて考える必要を感じています。

 この一年、世界はその未来が見通せないほど状況が悪化しています。

 米中対立は米中二極の「新冷戦」の世界を生み出しかねない状況となり、戦後の世界秩序や、私たちの社会の土台である民主主義自体が世界で壊れかけています。その急激な変化に戸惑っている方も多いと思います。

 私が、日本の立ち位置を再確認すべきだ、と考えるのは、世界の大国の覇権をめぐる対立や自国第一主義の行動に動揺するのではなく、日本こそが多国間主義やルールに基づいたリベラル秩序、さらには民主主義や平和のためにリーダーシップを取り、世界と連携すべきと考えるからです。

 日本が目指すべきなのは、新しいリベラル秩序と平和に向け、国際世論と連携した第三の道なのです。

 私は、日本政府が現在、同盟関係にある米国と中国との間でそのための努力を行っていることを理解しています。新年6月の大阪でのG20はその大きな舞台になるでしょう。

 しかし、この新しい道を実現するためには、政府間の取り組みだけでは不十分です。市民や民間側の幅広い理解と世界の世論との連携がなければ、その土台をつくれないからです。

 私たち言論NPOの新年の決意もまさにそこにあります。

私たち市民にその力はあるのか

 私たち言論NPOの考えは、市民が強くならなくては、そして市民が様々な課題に挑戦しなくては民主主義を強く機能させることは難しい、というものです。

 そのため言論人や知識層は課題に無関心を装ってはいけない。率先して課題に挑み、議論を社会に提供する必要がある。18年前に、そうした目的で誕生してから、私たちは国内や国境を越えて様々な課題に挑んできました。

 もちろん、こうした知識層や市民側への一方的な期待は、そう簡単に実現するものでないことは私たちも理解していますし、乗り越えるべき課題もいくつもあります。

 しかし、それでもなお、市民の役割を信頼し、世論の喚起にこだわるのは、超大国の対立や自国第一主義の攻防が強まる中では、規範や理念に基づいて、それを求める声が世界的に繋がり、より大きな声とならない限り、対抗することは難しいと思うからです。

 そうした行動を取る大国も国内の市民層の意識、世論の役割を無視するわけにはいきません。

 私たちが昨年行った幾つかの世論調査では、多くの国の国民は希望を共有しています。

 例えば、日本と韓国、そして中国の国民がこの地域の将来に最も期待しているのは、「平和」と「協力発展」であり、米国や日本も含め欧米の民主主義国では、トランプ米大統領の自国第一主義の行動に反発は強く、多国間主義に基づく国際協力やルールに基づく現状の国際秩序の継続を求めているのです。

 問題はこうした声に、大国間の対立やガバナンスの亀裂、さらには、民主主義国内に見られるナショナリズやポピュリズムと対抗する力があるのか、です。

 残念ながら、そうした動きは国際社会ではまだ弱いものです。だからこそ、新年、私はまずこの日本でその第一歩を大きく踏み出したいのです。

日本の代表制民主主義の危機の意味

 日本の政治は、世界の民主主義国と比べても比較的に安定していると言われます。しかし、昨年、私たちが行った世論調査では、日本の国民の意識は、試練に直面する世界の民主主義国と同じです。

 7割近い国民が、政党や国会を信頼せず、また、7割の国民が日本の将来に不安に感じながら、その6割の回答は、その解決を日本の政治に期待はできない、と回答しているのです。

 私は、昨年のフォーラムでこの事実を日本の政治家に問いました。石破茂代議士の発言は意外なものでした。

 「そうした意識は理解できるが、多くの政治家も有権者を信頼はしていない」。
自分の利害や負担をだけを嫌がる有権者の声を意識したら、政治は課題の解決ができない、との反論です。

 その時に、私は日本の代表制民主主義の危機の意味を理解したのです。この状況を立て直すには、国民が主権者としての意識を回復し、有権者の民意と政治の距離を縮めなくてはなりません。そうした動きがこの日本で始まらないとしたら、いつの日か、この日本も民主主義を市民が見捨てる日が来てもおかしくない、と思うのです。

 私が、言論NPOの創立の初心やその立ち位置をぶれずに、新しい年に臨まなくてはならないと決意を固めているのも、こうした危機感が背景にあります。今ここで新しい動きを始めなくては、私たちが背負う歴史的な役割とチャンスを活かせない、と考えるのです。

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