記事

『立憲的改憲-憲法をリベラルに考える7つの対論』(山尾志桜里著)の問題点

1/2
 『立憲的改憲-憲法をリベラルに考える7つの対論』
 山尾志桜里議員の著作を読みました。昨今、しきりに改憲論を主張していることや、今週末、札幌弁護士会主催での憲法問題を考えるシンポにお越し頂くということで、私も読んでみました。



 これは小泉政権から脈々と続く憲法9条の実質改憲が現在の安倍政権になり、集団的自衛権の行使を認める解釈改憲、さらには安保法制(戦争法)の制定によっていよいよ憲法が無力化してしまったのではないかという問題意識から出発しています。

 立憲主義を守るためには、不文律で守られてきた立憲主義を明文化する必要があるのだと。

 しかし、今、何故、野党側がから改憲論を主張しなければならない必要性は最後まで理解できませんでした。

 要は、安倍自民党が改憲案として持ち出したのは「自衛隊」の3文字を加える案が今のところ最有力改憲案ですが、これに問題があるのはもはや論じるまでもありません。安倍氏は、「自衛隊」を明記しても一切、これまで変わらない、憲法学者に違憲と言われている論争に終止符を打つためだというのですが、改憲とは、「これ以上は違憲となるから憲法改正が必要、国民のみなさんどうですか」というのが改憲であり、単に違憲論争に終止符を打つためというのは立憲主義の観点からもん問題があり過ぎです。

 山尾氏は野党側(所属税党)から9条改憲を言う必要があるのと言うのですが、自民党案を「それならば、こういう改憲案でなければダメでないですか」と批判するために用いるのであればわかりますが、何故、提案という形になるのかが理解できません。

 これでは本当に単なる改憲論です。
 この山尾氏の論法は駒村圭吾先生(慶應義塾大学法学部教授)に見事なまでにひっくり返されています。

 安倍自民党が自らの案を引っ込め、山尾試案に乗ると言ってきたら賛成しますか、と。

 そうしたら乗るというのですね。山尾氏はやっぱり改憲こそがしたいんだとわかりました。

 その前にも駒村先生から、立憲的改憲というが、立憲と改憲のどちらに重きを置いているのかという根本的な質問を受けています。

 山尾氏は立憲とは答えるものの、駒村先生からそのための改憲の必要性があるのか、山尾氏のいうようなことは改憲がなくてもできることではないかと指摘されています。

 その後の山尾氏はかなりムキになって自説を論じていますが、喝破されたという感じです。

 それ以上によくわからないのが政府による憲法9条の解釈が極めて複雑になっている、国民には理解不能になった、だからわかりやすくするということについてです。

 これも意味がないどころか有害な議論です(駒村先生に反論されています)。複雑になったのは、これは政府が自ら自衛隊を合憲にしよう、海外派兵を合憲にしよう、集団的自衛権の行使を合憲にしようという観点から、自衛のための必要最小限度の実力は保有を禁じられている「戦力」に当たらないということを出発点に理論を組み立てたことに起因していますが、だからこの論理が逆に自衛隊の行動の足かせになってきたというのが、政権側の認識です。

 確かに安倍政権いよる憲法蹂躙は甚だしいのですが、それでも現実に集団的自衛権の行使が可能なのかどうかというのも現行憲法9条が歯止めになっています。

 政府をして存立の危機は想定できないと述べているのです。

現職自衛官による安保関連法に基づく出動命令の是非 裁判所は積極的に違憲を宣言すべきときだ

あわせて読みたい

「山尾志桜里」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    バレてる? ポルノサイト閲覧記録

    島田範正

  2. 2

    進次郎氏「デキ婚」に伯母が激怒

    SmartFLASH

  3. 3

    香港巡り日本が中国に絶妙な指摘

    やまもといちろう

  4. 4

    韓国大使に一喝 河野外相を称賛

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム

  5. 5

    香港デモの対応に困り果てる中国

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  6. 6

    反日精神を批判する韓国の講義

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム

  7. 7

    N国代表の崎陽軒謝罪 見事な戦略

    かさこ

  8. 8

    N国「ひとり放送局」詐欺行為か

    文春オンライン

  9. 9

    埼玉県知事選の流れはほぼ決まり

    早川忠孝

  10. 10

    日本中があおり運転に激怒する訳

    PRESIDENT Online

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。