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マグロ初競り3億3360万円「すしざんまい」店頭は大盛り上がり

 1月5日朝6時15分。

 肌を刺すような寒さのなか、まだ薄暗い早朝の築地に、人混みができていた。みな、晴海通り沿いに立ち、勝どき方面を眺めている。近くのすしざんまい本店の前には規制線が貼られ、報道陣が所狭しと立ってカメラの照準をあわせている。

 晴海通り沿いに立つ我々の前に、1台の白いトラックが止まった。

 今日は初売りということで、路上にはさまざまな業者のトラックが止められており、ようやく見つけたぎりぎりのスペースにそのトラックが止まった。側面には、大きくすしざんまいの写真が貼られている。

 路上で待っていたすしざんまいのスタッフが、思いのほか手前に停車したトラックまで走りより、大きな声であいさつを交わしていた。おもむろにトラックの荷台のドアが開けられ、その中に278キロのマグロが横たわっていた。

 青森県大間産のこのマグロは、史上最高額となる3億3360万円(1キロ120万円)で株式会社喜代村(すしざんまい運営会社)が競り落とした。築地から移転した豊洲市場の初競りで、小池都知事も見守っていた。

 ちなみに、これまでの最高値は、2013年に同社が競り落とした222キロのマグロで、1億5540万円(1キロ70万円)だから、2倍以上の落札額だ。

 大人8人がかりでトラックから荷台に積み下ろしたところで、木村清社長が目の前に現れた。「おめでとうございます」という女性レポーターの声に、手をあげて笑顔で答えていた。周りにはいつの間にか多くの報道陣が集まり、その照明でひときわ明るくなった。

 荷台に乗ったマグロが歩道に運ばれ、木村社長がマグロを左手でとんとんとたたきながら「いいマグロだ!」とつぶやくと、「ありがとうございます」とスタッフが笑顔で答えていた。

 距離にして20mほど「すしざんまい本店」まで木村社長が歩き、店頭にマグロが荷台ごと置かれた。10mほど離れた場所に順番を待つように指示された報道陣がざっと40名ほど。

 記者は本店に入り、カウンターに座った。店内には20名ほどの客がおり、店頭に立つ木村社長をマグロ越しに撮影していた。何貫か食べたとき、木村社長が店内に一瞬入ってきた。スタッフたちから「太っぱら!」と声を掛けられると、笑顔になり、次の瞬間ぱっと両手を広げ、店内のスタッフの号令とともにお馴染みのポーズで「すしざんまい!」をやってみせた。

 店内の客から拍手が沸き起こり、木村社長は笑顔でまた店頭に戻っていった。

 解体は14時ごろ、人だかりによる迷惑を回避するため、周囲の店舗が閉まってから行われるという。頭部や骨などを除くと100キロ近く減るが、握りで約1000貫は出来るだろうと、カウンターの中の寿司職人が話してくれた。17時ぐらいから店頭に並ぶ予定だそうだ。

(取材、文/中嶋和)

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