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リオデジャネイロ五輪の負の遺産:ブラジルでポピュリスト大統領が就任 

 2019年1月1日、ブラジルでは、極右のジャイル・ボルソナロ氏が大統領に就任した。

昨年の10月28日、南米の大国ブラジルで大統領選が行われ、極右、社会自由党のジャイル・ボルソナロ氏が、左派で労働党のフェルナンド・アダジ元教育大臣を破って当選した。得票率は、55.13%vs44.87%であった。

「ブラジル第一」、「ブラジルを再び偉大に」とトランプ大統領そっくりのスローガンを掲げ、労働党政権下での経済不振、汚職の蔓延、凶悪犯罪の増加などを厳しく批判した。これが、中間層や富裕層の支持を集めることに繋がったのである。

 外交については、イスラエル寄りの姿勢を堅持し、ブラジリアのパレスチナ大使館の閉鎖を主張している。ベネズエラやキューバなど中南米の左派政権を批判し、難民の流入に対しては厳しい対応を提案している。地球温暖化対応のパリ協定や国連人権委員会からの脱退を示唆するなど、トランプばりの政策を掲げている。

 また、ブラジル国内に積極的な投資を展開している中国に対する警戒心を表明し、中国に対する過度の依存を戒めている。また、TPPから離脱したトランプ政権と同様に、メルコスル(南部共同市場)のような多国間ではなく二カ国間で貿易問題を解決することを主張している。

 女性に対して差別的な発言をしたり、軍事政権時代を称賛したり、粗野な人権抑圧傾向が危惧されているが、これもトランプによく似ている。治安対策として国民が銃を所有することを提唱し、ライフルを持つポーズがトレードマークとなっている。

 経済政策については、国営企業の民営化、税制の簡素化などともに、最低賃金の5倍(月額約15万円)まで免税、それ以上は税率20%に統一という大衆迎合的な政策を掲げている。

 第二次大戦後のアルゼンチンで誕生したペロン政権は、今日のポピュリズムの嚆矢でありであるが、ペロニズムは左翼ポピュリズムの典型であった。しかし、今回のブラジルのボルソナロ政権は右翼ポピリズムである。大国ブラジルの新政権が他の中南米諸国にどのような影響を与えるか注視しなければならない。

 因みに、リオデジャネイロ五輪から2年余が経過するが、経済悪化、治安不安などで極右大統領が誕生することとなった。オリンピックは、ブラジルを良くするために何の貢献もしなかったどころか、宴の後始末でマイナスの遺産を残したのではなかろうか。

 その意味で、2020東京五輪を成功させ、プラスのレガシーを残す必要がある。豊洲騒動などで五輪の準備が遅れており、成功へのハードルはますます高くなっている。

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