記事
- 2019年01月02日 11:00
フジ、“守りから攻め”の日曜ゴールデン改編 編成部長が語る狙い
2/2■番組の持つ“可能性”から決断
――マイアミさんは30代前半で、10月にスタートした『99人の壁』の千葉悠矢さんも20代と、ゴールデンで若い演出の起用が続くことになりますが、そのあたりも意識しているんですか?誰でもいいから若い人にやらせてみようということではないのですが、やはり今の若い人の感覚を、われわれのような年代が理解しないといけないなと思っています。今はいろいろなメディアがあるわけですから、最先端の面白いものを知っている感性を、バラエティの制作に取り入れることが必要だと思っています。「若いからまだまだ」とか「理解できない」とか言うのではなく、こちらからその感性を理解する・勉強する必要があると思っています。
――『アオハル(青春)TV』も『99人の壁』も正直、視聴率としての結果が出ていなかった中でレギュラー化となりましたが、“若手の起用”という意識も判断の背景にあったのでしょうか?
もちろん、単発で10%以上とっている番組がたくさんあったら判断は楽ですが、そこは、やはり番組の持っている可能性を感じられるかだと思います。MCを佐藤二朗さんにやっていただくと考えた千葉の感性もそうですが、番組を見てこれは面白いんじゃないか、可能性を秘めているのではないか?というところで決断していくことを心がけています。
――日曜のゴールデン帯は、これまで『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』という日本テレビさんの独壇場だったところ、10月から『ナニコレ珍百景』『ポツンと一軒家』を編成したテレビ朝日さんが追い上げてきている状況で、少し構図が変わってきたように思います。このタイミングで、再度勝負を仕掛けるにあたっての目標は、どのように定めていますか?
新しくゼロから始めるので、最初は正直苦戦すると思いますし、結果は後からついてくれば良いと考えています。視聴率だけにこだわって番組を作っていくと、方向性や表現するものが変わってきてしまうので、目標値についてはあえて制作と話はしていないんです。もちろん、走り始めてから方向性を修正した方が良いということになるかもしれませんが、それからでも支持していただけるようアジャストできる番組であるとは思っています。早いうちに1位を目指すのだ…なんてことを言うのは、今の段階ではありません(笑)
②月9上向きも「満足してはいけない」
――秋の新番組がスタートして1クールが経過しました。『ドッキリGP』は初回で10.4%と2ケタに乗せ、『坂上どうぶつ王国』は9.1%でスタート、『99人の壁』は12月1日の放送で単発時代を含めて自己最高の7.1%(いずれもビデオリサーチ調べ・関東地区)をマークするなど、少しずつ結果が出てくるようになったと思いますが、いかがですか?本当に牛歩みたいな形ではありますけど、徐々に徐々に評価いただけるようになってきていると思います。自分が見ても面白い番組だと思いますので、まずは見てもらえるための努力、そして制作者がポテンシャルを最大限発揮できる環境づくりを、編成としてやれればと思っています。
例えば、去年の4月改編で、20時54分のニュースと天気予報をなくしたんですね。それまでは、20時54分から21時までの6分のうち4分程度がCMだったのですが、20時台の番組から21時台の番組にスムーズに入れるように、本編を20時59分まで放送してCMを1分にしました。その分のCMは別の時間帯に移したので、実はCMの量は減らしていないんです。このように環境を整えることは編成として大切な仕事ですし、他にも広報センターと連携してキャンペーンを立ち上げるなど、できることは何でも積極的にやっていきたいと思います。
――1月からは新ドラマもスタートします。月9は『コンフィデンスマンJP』『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』『SUITS/スーツ』と高評価のドラマが続いていますが。
昔の視聴率から考えれば、これで満足してはいけないと思っていますし、もっと上を目指していかなければならないと考えています。また、ドラマの見られ方が変化している中で、やっぱり“月9”というブランドが背負っているものを伝統的に守っていかなければならないとも思っています。その中で、今回の『トレース~科捜研の男~』(1月7日スタート、毎週月曜21:00~)は、錦戸亮さんの主演で、新木優子さん、船越英一郎さんといった豪華俳優陣も登場します。実際に科捜研の研究員だった古賀慶さんのリアルな原作を元にしていますので、幅広い層に受け入れてもらえる見ごたえある月9になればと思います。
――木10は、最近勢いのある共同テレビさん制作の『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』(1月10日スタート、毎週木曜22:00~)ですね。
うちの編成担当が本当に思いを持って企画した作品です。最近、現実の世界でさまざまなスキャンダルが多くなっている中、それを解決していく女性弁護士の物語を、久々の地上波ドラマ主演となる竹内結子さんを主人公に、オリジナル脚本で作り上げます。木10という枠にフィットする形で、多くの女性の方々の共感が得られるようなドラマになればといいなと思っています。
■可能性のある番組を信じて4月改編へ
――ところで、『99人の壁』は、バラエティを制作する第二制作室の社内公開プレゼン大会から生まれた企画ですが、このプレゼン大会の意義というのは、どのように捉えていらっしゃいますか?この半年程度で何百という企画書を見させていただきましたが、実は書面だけではあまりピンと来なかった企画でも、あのプレゼン大会では「おや!? いいな!」と思ったりすることがあるんです。実際に企画者のプレゼンを聞くと、その説明の仕方や人となりなどが相まって、ものすごく期待できる見てみたい企画に思えることがあります。企画書だけでは分からなかったけど、「あぁ、こういうことがやりたいんだ」と気付づかされることも多いので、そういう意味であの大会はすごく重要なものだと思いました。
――17年の10月改編、18年の4月改編、10月改編で、宮内正喜社長は「3段階のセット改編」と説明していましたが、次の4月改編はどのような位置付けになるのでしょうか?
視聴率だけを見て、低い番組を総取っ替えすることが改編だとは思っていません。今ある番組が少しずつでも受け入れられていく可能性があるのか、ないのか。『バイキング』も、番組スタート時は苦戦していましたが、今の生討論スタイルにして受け入れられてきましたし、『奇跡体験!アンビリバボー』のように長く続いて、より受け入れられて見ていただけるような番組もあります。この3回の改編でかなりの番組を変えてきましたから、可能性のある番組はそれを信じながら、次の4月改編に取り掛かっています。並行して、今ある番組が「こんなに面白いのやってたんだ。これから見てみよう」と気づいてもらえるようなPRについても、さらに努力していきたいと思います。



