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【2018年総括】、Amazon G0がゲームチェンジャー!レストランに行くけど食事はしない?

Amazon GoのJust Walk Out!

■2018年のアメリカ小売業で最も象徴的な出来事となったのは、レジなしコンビニエンスストアのアマゾンゴーだ。アマゾンゴーは、人工知能やコンピューターヴィジョンを駆使することで、レジでの精算なしで食品を買うことができる革新的な店舗。レジなしで決済できることでレジがなく、レジ待ち時間を無くすなど来店客の利便性を高める。

1年以上にわたりアマゾン社員のみの利用に限られていたアマゾンゴーが1月22日、一般に公開した。アマゾンゴーは現在までにシアトルやシカゴ、サンフランシスコに9店舗を展開している。ゲームチェンジャーとなったアマゾンゴーが「キャッシャーレス」「キャッシャーフリー」を定義化した年となったのだ。

 大手チェーンストアではキャッシャーレスに対抗し、セルフスキャニングシステムやアプリ決済を導入する事例が相次いでいる。

ウォルマート傘下のサムズクラブは2016年10月にスキャン&ゴーを全店に導入し、スキャン&ゴーをフューチャーした小型店「サムズクラブ・ナウ(Sam's Club Now)」をダラス近郊に先月オープンしている。

スーパーマーケットチェーンで全米最大となるクローガーは「スキャン、バッグ、ゴー(Scan, Gag, Go:SBG)」を傘下のスーパーなど400ヶ所に拡大中だ。クローガーのSBGは、SBGの専用アプリか店内にあるスキャニング端末のハンドヘルドで商品をスキャニングしていく。

 ミシガン州を中心に中西部6州にスーパーセンターなど235店を展開するマイヤーもスキャンしながら買い物を行う「ショップ&スキャン(Shop & Scan)」を全店に拡大。

約1.5万店を展開するダラーストアのダラーゼネラルもスキャンしながら買い物を行うセルフ・モバイル・チェックアウト・サービス「DGゴー(DG Go)」のテストを行っている。

ペンシルバニア州を中心に200ヵ所以上のスーパーマーケットを展開するジャイアント・イーグルも「スキャン・ペイ&ゴー(Scan Pay & Go)」のテストを一部で始めている。
 モバイルチェックアウトでは10年前から導入しているストップ&ショップの専用アプリとスキャニング端末の「スキャン・イット(Scan It)」も事例もある。ストップ&ショップではスキャン・イットを最近、アップデートし使いやすさの向上を図っている。

テキサス州などに約400店舗のスーパーを展開するHEBはキャッシュレスのアプリ決済サービス「HEBゴー(HEB Go)」を20店舗近くでテスト展開している。

ファミリーフェア・スーパーマーケットなどを傘下にミシガン州で140店展開するスパルタンナッシュもアプリ決済「チェックアウト・ナウ(Check Out Now)」を2店でテスト中だ。

コンビニエンスストア大手のセブンイレブンもダラスにある14店舗で「スキャン&ペイ(Scan & Pay)」のテストを行っている。

 これらの店舗で共通しているのはストアアプリもしくは端末(その両方)で商品バーコードを読み込み、アプリ決済もしくはレジと同期して決済することだ。生鮮品などで量り売りがある場合はデジタル計量器と同期させるか、プリントアウトしたステッカーのバーコードを読み込ませる。アマゾンゴーのジャストウォークアウトと異なり、商品やレジのスキャニングに手間がかかるのが課題だ。

 一方、ジャストウォークアウトに倣った「スタンダード・マーケット(Standard Market)」「ジッピン(Zippin)」「イノーキョー(Inokyo)」の事例もあるが、商品数や営業時間が極めて限定的でラボのような展開となっている。

 アマゾンゴーが数年で3,000店舗展開になるとのブルームバーグ報道がある。情報筋からの話として、アマゾンは今年末までにアマゾンゴーを10ヵ所オープンし、2019年末に大都市圏を中心に50ヵ所を展開、2021年までには3,000店舗の展開を計画しているのだ。ウォール・ストリート・ジャーナル紙もアマゾンゴーの大型化をテストすることを報じている。ロイターでは公文書や関係筋の話として空港ターミナルにオープンする可能性があることを伝えている。

 来年はアマゾンゴーの存在感が増すことでさらに多くの競合が追随し、キャッシャーフリーの定義化から成長の段階に入っていくだろう。

⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。後藤にとっての2018年は「IT&オムニチャネル・ワークショップ」を定義化した年となりました。コンサルティングや流通視察セミナーの現場に「ワークショップ」を取り入れたのです。ワークショップを平たく言えば「体験型講座」。今後、流通視察は必ずワークショップ形式になります。なぜなら流通の現場にITが拡大・浸透しているからです。流通ITの理解は体験しかありません。

買い物もせず売り場を見て回る視察研修が今も行われていますが、時代遅れの感は否めません。例えれば、自動車の時代に馬車をみてまわるようなものです。レストランに行くけど食事はしないようなもの。つまり話題のアマゾンゴーに行くだけで観光と変わりません。分析とは比較です。体験を通じてジャストウォークアウトとアプリ決済等、互いのメリット・デメリットを比べなければならないのです。当社のワークショップではサムズクラブのスキャン&ゴーやクローガーのSBGも体験します。

 「IT&オムニチャネル・ワークショップ」とは、難解に見える流通ITも体験で誰もが理解できるというものです。買い物体験という原点であり、顧客視点です。

今年もありがとうございました!みなさん、良いお年をお迎え下さい。

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