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浮気調査はクリスマス前に急増!行動調査のプロ・浅見俊祐氏が語る舞台裏

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BLOGOS編集部

クリスマス=恋人たちのイベントたちというイメージが浸透したのは1980年代と言われているが、実はこの時期は1年間で最も浮気調査の依頼が増える時期でもある。

なぜクリスマス前が最も依頼が多いのか、実際の調査はどのように進められるのか、そして探偵の尾行からは逃れられないのか、といった疑問について、浮気調査を専門に扱うHAL探偵社の代表パートナー・浅見俊祐氏に聞いた。【取材:島村優】

クリスマス前の浮気調査依頼が最も多い理由

—今日はよろしくお願いします。HAL探偵社は浮気調査を専門に扱っている会社なのですか?

うちの最大の得意分野は、対象者を追跡・尾行する行動調査ですね。メインに扱う仕事としては素行調査になります。浮気調査もこの素行調査の一つに含まれます。

—行動調査でいうと「水曜日のダウンタウン」で安田大サーカスのクロちゃんを尾行しているのを見たことがあります。

水ダウさんとは何度かお仕事させてもらっていますが、クロちゃんの尾行はかなり簡単な方ですね。他にも会社が新入社員の素行を調査するケースや、大きな企業が役員人事を決定する前に、候補になっている人物の調査をするケースがあります。

—役員候補の素行調査ですか。

特に上場している会社の場合などは、何か役員が問題を起こして株価に影響することも多いので、慎重に進めているようです。

あとは婚前調査も多いですね。今は離婚率が高く、誰もが結婚で失敗したくないという思いを持っています。夫婦生活で1番見えないのは宗教問題で、結婚しても明かさず、後々になってから気づくという例も多くあります。そのため、結婚前に相手のことをよく知っておきたいという依頼者が多くいます。

—クリスマスシーズンに浮気調査が多いというのは本当なんでしょうか。

そうですね。この業界では、12月が浮気調査の繁忙期になります。その最大の理由は、なんと言ってもクリスマスのイベントがあること。クリスマスは恋人たちの最大のイベントですから。

バレンタインデーやホワイトデーのように1日だけのイベントではなく、クリスマスは街全体が一ヶ月近くクリスマスの雰囲気ですよね。

—確かに、11月くらいからクリスマス一色になります。

そういうムードで浮気相手と会いたいと思う気持ちが強まる一方で、家庭がある人だとクリスマス当日は家族で過ごすことが多いため、その日に動くと怪しまれてしまいます。

だから、クリスマスに恋人と過ごせない代わりに、前の週とか前の前の週とかに動くわけです。

—そうした心理があるんですね。

あとは、世の中が忘年会シーズンなので言い訳しやすいというのもあります。実際に忘年会も多いし、言い訳として「忘年会で遅くなる」と説明しやすい。恋人と会っていることを紛らわせやすいんです。

—なるほど。確かに忘年会は言い訳としてよく使われていそうなイメージがあります。

ほかに、この時期が忙しくなる要因として、調査を依頼する側の問題としてボーナスを受け取った後で金銭的に余裕があるんだと思います。

あとは、12月に依頼が集中する背景には、やっぱりいろいろな面倒な問題を抱えたまま年を越したくない、という依頼者の心情があるんだと思います。夫や妻の不倫を年内に片付けたい、恋人の浮気に年内で決着をつけたいな、といったことはありますよね。

夫婦以外にもカップルからの依頼も多い

—浮気する側も、恋人に会いたくなる時期で忘年会と言い訳もしやすい。依頼する側も金銭的に余裕があって、年内に嫌なことは決着をつけたい、という要因が絡んで繁忙期になると。

そうです。12月は新規のお客さんが受け入れられないくらい依頼が来て、どの会社もパンクしていると思います。本当に猫の手も借りたいくらい。

特に忙しいのが、クリスマス前の10日間まで。この間は予約がパンパンで、依頼者もキャンセル待ちといった状況です。

—依頼者側も「この日の行動を確かめてほしい」とピンポイントでお願いするケースが多いんでしょうか?

ピンポイントでこの日だけ見てほしい、この3時間だけ見てほしい、といった提案が多いですね。時間がかかればかかるほど金額も高くなるので、やはり浮気を確実にしていそうなタイミングで調査を依頼することになります。

基本的に、結婚していないカップルの場合はお金にも余裕がないので、ピンポイントで依頼してくるケースが多いですね。

—浮気調査というと、離婚慰謝料のための証拠を取る目的がほとんどだと思っていましたが、カップルからの依頼もあるんですか。

はい。基本的には不貞行為の証拠のために依頼するパターンが大半なんですけど、恋人同士でも相手の浮気が知りたいという人はいます。また最近は恋人と言っても、男性同士、女性同士などいろいろな形がありますね。

—依頼してから実際に調査するまでの流れはどのようになりますか?

まずは依頼者から問い合わせがあって、当社のカウンセラーが直接お会いして面談を行います。そこで相談内容を聞いて調査日を決め、契約後に調査という流れになります。

実際に調査日になったら、お客さんと連絡を取りながら調査を進めていきます。「こういう状況ですが、続けますか?どうしますか?」といったやり取りは常に続けながら。「わかりました、そこで終わりにしてください」と言われれば、そこでストップできますよね。実は、そういう当たり前のコミュニケーションがこの業界では当たり前ではなかったので、我々は7年でここまで成長できたということでもあります。

—浅見さんは元々別のお仕事をされていたとか。

僕はもともとITの上場企業出身で、この業界のウェブ広告はリテラシーが低く、参入障壁が低かったので一気に成長することができました。すごい調査能力を持った探偵と知り合えて、マーケティング的にIT広告では絶対勝てるというのが立ち上げの経緯ですね。

BLOGOS編集部

素人は警戒している対象者に100%バレる

—浮気調査の依頼がある場合、浮気相手はわかっていることが多いんでしょうか?

業界では依頼者の配偶者や恋人を「第一対象者」と呼びます。そしてその相手が「第二対象者」ですね。この第二対象者はわかってないことの方が多いですね。

—なるほど。では調査は第一対象者の行動を確認するところから始めるのですか?

そうですね。例えば、毎週水曜日が怪しいと思っているなら水曜日に尾行してみましょうと。逆に全く手がかりがない場合は、カウンセラーが「こういうことはありませんか?」「こんな様子はありませんか?」とヒアリングを進めていって、じゃあこの日とこの日が怪しかったかもしれないから、同じ週の金曜と土曜にやってみましょうか、などと提案します。

—第一対象者は警戒している場合が多いですか?

奥さんや恋人に尻尾を掴まれているくらいなので、警戒はしますよね。

—警戒していても、プロが調査すれば逃げられない?

基本的には逃げられないと思いますが、証拠が取れるかどうかは別の問題になります。相手はこいつだろうという女性と会っているところを押さえて、食事はして、手もつないでいた、あるいは抱き合ってキスをしていても法的には不貞行為にはなりません。

—大切なのは証拠なんですね。

そう、配偶者以外の異性と肉体関係を持つのが不貞行為なので、そうした行動は肉体関係がある証拠にはなりません。だから相手を見つけることと法的な証拠が取れるかどうかは別の話。ただ、警戒行動が目立つ対象者はすごく調査が難しいんです。

—警戒行動が激しい相手はどのような行動を取るんですか?

普通に歩いている時も、時々振り返って尾行がいないか気にしていたり、電車に乗る時も発車ベルが鳴った瞬間に下車して、自分と同じタイミングで外に出た人間を観察したりとかなり警戒しています。

—なるほど。怪しいというか、不審な行動ですね。

もちろん、実際に浮気していて探偵が付いていることに感づいているからこそ、そこまでの行動を取るんですけど。そういうケースでも僕らはなんとか証拠を取ろうと。それがプロの技だと思います。

—長年の経験とノウハウがあればこそ、ですね。

実際、警戒していない対象者の証拠を取ることは素人でもできると思いますが、警戒行動をとっている相手は一般人が尾行しても100%見つかります。

やっぱり浮気をしていると、探偵がついてることがわかると警戒がさらに強くなるんです。創業当時、うちは業界に価格破壊を起こそうと思い相場の半額でやっていました。時間制の料金形態もなかったんですね。そのため、他社で失敗してうちに依頼に来るケースが多く、そういう経緯があって難しい案件ばかり扱ってきたということもあります。

—最後の頼みの綱になっていたと。

いろんな会社に依頼して何度失敗しても、藁にもすがる思いで依頼してくる。理由は、嫉妬だったり、証拠がなくて離婚できなかったり、と様々だと思いますが、なんとか証拠が取れないのかと。他社で何度も失敗しているので、とにかく最初から警戒されている相手がほとんどでしたね。

5万人の東京ドームライブから2人の対象者を見つけ出す

—調査をするにあたり、難しいケースはどのようなものでしょうか。

東京ってオフィスビルが地下鉄駅直結だったり、大きなビルは出口がたくさんあったりして、対象者がどこから出てくるかわからないんです。そのため、まずは対象者がどういうルートで出勤するかを確認します。基本、出勤経路と退勤経路って変わらないんですね。

人数に余裕があれば、押さえで次に可能性がありそうな出口にもつけられますが、そうでなければ限られた人数で知恵を絞ってやるしかありません。

—相手に気づかれないようにしながら、出てくるところをキャッチしないといけないと。

あと難しいケースでは、東京ドームなど大きな会場で恋人と会ってるような場合です。

写真AC

—東京ドームの客の中から対象者を見つけられるんですか?

実際にあったケースで、「人気アーティストの東京ドーム公演に女と行ってます」「わかってるのは2人が会ってライブに行くことだけで、泊まるホテルはわからない」と。当然、隣の席のチケットなんて取れないですよね。どうするかと言えば、ライブ終わりで出てくる瞬間をキャッチしてホテルまで尾行しないといけない。

—5万人から2人を見つける!

その時は12人の調査員を出して、見事キャッチできました。ドームから水道橋に行く橋でギュッと道幅が狭まるので、まずそこを重点的に見て、それ以外に地上と地下鉄入口にも配置して、地下組が見つけたんですね。

—すごい。逃げ場がないですね。飲食店で知らぬ間に探偵が隣の席にいるといったこともあるんでしょうか。

うちの場合は依頼者に余分な経費をかけたくないので、飲食店で隣に座るケースはあまりないですね。ただ依頼者からの要望や、一度店内に入られたら見失うような場合は隣に行きますね。

—相手が警戒してなかったら、気付かれないですか?

まず気付かれないですね。余裕で、録画も録音もできます。

—そうなんですね。ちなみに探偵ってどんなタイプの人が多いんですか?

調査員は秀才が多いですね。うちは正直者で真面目な人間を採用条件としていますが、2/3は6大商社に負けないほどの高学歴です。

それには理由があって、行動調査って10時間あったら9時間が張り込みで集中力を要する仕事なんです。テレビで見るような尾行や撮影といったアクションシーンって 1日のうち1時間くらいしかないんですよ。

旦那さんが会社から出てくるまで張り込んで、出てきたら10分くらい移動して女と会う。食事中の2時間、3時間は張り込みで、移動して2~3時間ホテルで休憩して、出てくるところを撮影して終了と。この時間、動いている時間って20分だけで、残りの時間は張り込みなんですね。やっぱり集中力がないと持たない。

写真AC

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