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韓国による自衛隊機に対する火器管制レーダーの照射 騒ぐほどのものでもない 安倍外交の危うさ

 先般、韓国海軍駆逐艦が自衛隊の哨戒機にめがけて火器管制レーダーを照射したとされる問題ですが、一部、右翼議員が騒ぎすぎです。その意味では日本政府も同じです。

 もともと火器管制レーダーを照射するということは攻撃の前提としての意味合いがあるようですが(位置の特定)、実際に韓国軍が自衛隊機に向けて攻撃するはずもありませんし、仮に韓国政府の説明がトンチンカンなものであったとしても、だから大騒ぎするほどのものなのかということです。
 逆の意味でも自衛隊機が韓国側を攻撃するはずもないというのも自明のことでもあり、いずれにせよ大騒ぎするほどのものことではありません。

 言ってみれば、「足踏んだろ」、「踏んでない」というレベルのものです。

 韓国政府からしてみると、これで謝罪などしたら自国民に日本政府への弱腰と批判を浴びかねないという事情もあるのかもしれません。ナショナリズムの怖さです。韓国軍兵士の中にも「日帝」への不満もあって不思議はありません。これには日本の右翼層にも原因の1つがあるのですから。

 とはいえです、ここで日本政府が騒ぐのは間違いで、結局、問題解決を複雑にしてしまっているだけです。

レーダー照射 防衛当局の協議で韓国かたくな「証拠を突き付けるしか」」(毎日新聞2018年12月28日)
「探知したレーダー波のデータなどは示しておらず、証拠としては不十分との声も上がる。韓国側は動画公表後も照射を否定する態度を変えておらず、今後の協議の行方は見通せない。」
この程度のことで騒ぐのは、むしろ逆に日本国内のナショナリズムを敢えてかき立てたいんじゃないかという不純な動機すら見え隠れします。

 右翼議員が騒ぐのもそうした動機にしか見えなくなってしまいます。

もっと厳しく対応を…レーダー照射で自民が緊急会合」(テレ朝2018年12月25日)
「自民党議員からは「韓国側に艦長の処分を求めるべき」といった厳しい意見が相次ぎました。自民党は「自衛隊が持っている証拠を韓国側に示して抗議すべき」として、謝罪の要求も含めて日本政府に対応を求める方針で一致しました。」
戦闘なんてしないもんね!

双方に戦闘行為に至る意思など全くない中で、このようなやり取りを長引かせるのは幼稚というよりも危険この上ない外交のやり方です。

 ニアミスで戦闘が起こる?

 なんて本気で考えたらダメですよ。一部の右翼層はそうやって煽るかもしれませんが、ニアミスはニアミス、戦闘行為とは違います。盧溝橋事件だって、偶発のニアミスが日中戦争に突入したのも、日本側が中国侵略戦争の機会をうかがっていたからにすぎません。決してニアミスの結果ではありません。

 そんなに戦争がしたいですか。

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