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高度プロフェッショナル制度、来年4月から導入可能に 「使用者を縛るものがなくなる。適用事例の発生を防ぐことが大事」


長時間労働を助長し、過労死を増やすと批判されてきた「高度プロフェッショナル制度」が、いよいよ来年4月から導入可能となる。12月26日には、対象者や運用のルールが厚生労働省の労働政策審議会で決定した。

同制度に反対してきた法政大学の上西充子教授は、決定を受け、

「あくまでも適用が可能になっただけです。適用事例が生まれないようにしていくことが大切です」

と話す。

適用には個人の同意が必要だが「断るのは難しいのでは」

対象になるのは、金融商品の開発、金融商品のディーリング、アナリスト、コンサルタント、研究開発の5業種のいずれかに従事し、労働契約において年収1075万円以上の人。制度の適用に同意すれば、その人は労働時間の規制や残業代の支払い対象から外れることになる。

高プロ制度は"柔軟な働き方"を可能にすると喧伝されてきた。しかし上西教授は、

「これはあくまでも使用者を縛っていた規制が免除されるというもの。使用者が制約なく労働者を働かせられるようになり、とても危険です」

と指摘する。元々、労働時間の規制は働く人の健康を守るためにある。それをなくしてしまうのはあまりにも危険だ。

制度の乱用を防ぐ目的で、運用には労働者本人の同意が必要とされている。もし本人が同意しなかったり、同意を撤回したりしても、不利な扱いをしてはならない。しかし、こうした規定は歯止めとしては不十分だと上西教授は指摘する。

「事業所で導入すると決まってしまえば、個人が断るのは難しいのではないでしょうか。一度、導入を決めてしまうと乱用される恐れがあるので、労使委員会で賛成してしまわないことが重要です。今は自分が対象ではないとしても、今後対象が拡大される可能性は高い。事業所への導入や同僚への適用を監視する必要があります」

実際には会議の出席等、働く時間を縛られる可能性も

制度の対象者に対して会社側は、始業・終業時間を指定することができない。また、労働時間の裁量を失うような業務量を要求したり、特定の日時を指定して会議に出席させることもできない。

「『裁量を失わせるような成果・業務量の要求や納期・期限の設定』はしてはならないとありますが、『裁量を失わせるような』という表現は曖昧です。また、『会議に出席することを一方的に義務付けること』はしていけないと書いてありますが、『会議に出席することを求めること』はしてはいけないと明記されていません。経営者や上司に会議に出席するよう言われたら、普通は参加せざるをえませんよね。結局、働く時間が完全に自由になることはありません」

今回は労働契約において年収1075万円以上の人が対象となったが、塩崎前厚生労働大臣が『小さく産んで大きく育てる』という趣旨の発言をしたように、今後は対象年収が引き下げられる可能性もある。対象業務も拡大していく危険性が高いという。

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