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KDDIが御殿場市と「スマートドローン山岳救助支援システム 実証実験」で包括連携協定を締結! 概要とともに同社のドローン戦略について解説【レポート】

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■メリットの多いドローン活用だが課題もあり

このように、遭難者が最後に発信したGPS情報や気象予測を基に、捜索飛行が可能で、なおかつ安全な地点までスマートドローンを運び、救助ヘリや救助隊を向かわせる前にスマートドローンによって遭難者を確認するという仕組みは非常に有用ですが、一方で解決しなければいけない課題もいくつかあります。

例えば、4G回線の電波の届かない場所では当然ながら運用が行えません。富士山のように基地局が完備され、遭難の可能性がある範囲までドローンの自立飛行が可能な山はそれほど多くありません。また山によっては樹木が生い茂り、上空から遭難者を確認できない場合もあります。

さらに山岳地帯特有の突風や突然の天候変化への対応状況や、そういった状況で緊急避難させたドローンを再び稼働させる方法なども検討課題として残っています。

2019年のスタートを予定している富士山での実運用は、そういった課題のチェックや洗い出しにも活用していくとしており、説明会ではKDDIと御殿場市による包括連携に関する協定締結式も行われました。

協定締結式を行う、静岡県御殿場市市長 若林洋平氏(左)と、KDDI理事 中部総支社長 渡辺道治氏(右)

KDDIでは今回の実証実験や実運用について「遭難者の状況を判定することが目的ではなく、飽くまでも早期発見のための運行・運用のテスト」であるとしており、かかるコストや料金などは試算中とのことでした。

日本におけるドローンの運用はまだまだ法整備が進んでおらず、山林・河川・海水域などでの災害救助や無人地帯での目視外飛行(いわゆるレベル3運用)については今年ようやく認可が下り始めたばかりで、特区などの例外を除き、有人地帯(第三者上空)での目視外飛行の認可は2020年代前半まで待つ必要があります。

KDDIが敢えて山岳遭難者救助という運用の難しい条件での実証実験へ踏み切った背景には、こういった日本でのドローン関連の法整備の遅れなども関係していると見られ、認可が早く下りる部分からできる限り実証実験を繰り返し、将来のドローンサービスへの地盤固めとノウハウの研鑽をしたいという狙いがあるものと思われます。

将来の本格的なドローン運用に向けた足がかりとなれるか

記事執筆:秋吉 健

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