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ソフトバンク株が期待外れだった根本原因

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■大々的な宣伝を打ったが、期待外れの展開に

ソフトバンクグループ(SBG)の通信子会社である、ソフトバンク株式会社(ソフトバンク)の上場に対して批判の声が高まっている。元々、ソフトバンクのIPOに不安を感じる人は少なくなかった。IPO直前に、通信障害をはじめソフトバンクの今後の業績を左右するリスクが浮上してきた。

同社のIPOに関しては、事前に大々的な宣伝を打ち、配当利回りの相対的な高さを謳って個人投資家の注目を積極的に集めた。引受手数料に関しても、対面販売の手数料を厚くするなどさまざまな取り扱う証券会社の営業に対する配慮もなされた。

ソフトバンクが東証1部に上場。だが株価は公募価格を割る期待外れの展開となった。(写真=EPA/時事通信フォト)

ところが、IPO後の株価推移をみると、今のところ期待を裏切る結果と言わざるをえないだろう。株価下落に失望した人も少なくないはずだ。世界的に株価が軟調だったことを割り引いても、期待外れの展開になっている。

逆に投資家とすれば、この教訓は生かさなければならない。投資家にとって重要なことは、当該投資案件に関するリスクを適正に判断することが求められる。その上で、時間とタイミングを分散して、安値での投資を心掛けるべきだ。今回のソフトバンクのIPOは、それを再確認するよい機会だったといえるかもしれない。

■2.6兆円余りを調達した過去最大のIPO

12月19日、東京証券取引所1部にSBGの通信子会社であるソフトバンクが上場した。上場によって、ソフトバンクは2.6兆円余りを市場から調達した。過去最大のIPOであっただけに、市場参加者の関心は高かった。

IPOの理由は、グループ全体での投資事業の強化である。有望なテクノロジー企業などに投資を行い、その成長力をSBGだけでなくソフトバンクでも積極的に取り込むことが目指されている。

「ソフトバンクは、金の卵を産むガチョウの存在を大切にし、自らが金の卵を産むガチョウになりたいと思う」。2015年3月期の第2四半期決算説明会にて、SBG創業者であり同社の会長である孫正義氏はこう述べた。これは、SBGが、AI(人工知能)などのIT先端技術などの分野で成長(業績の拡大)が期待できる世界のスタートアップ企業への出資(投資)を重視していることを表した発言だ。その上で、SBGは新しいテクノロジーの実用化などを通してより大きな付加価値を創造することを目指している。

そのよい例が、中国のアリババ集団への投資だ。2000年、孫氏はアリババの創業者、ジャック・マー氏の将来性を見抜き、20億円を出資した。2014年9月、アリババはニューヨーク証券取引所に上場した。その時点で、SBGの含み益は8兆円程度に達したと考えられている。

■IPOを急ぐSBGの姿勢は相当に強かった

孫氏は、アリババのような新興企業を発掘し、それに出資することでグループ全体の競争力を引き上げたい。SBG以外の関連企業の投資能力の向上には、投資に回せる自己資金の確保がどうしても必要だ。

そのため、ソフトバンクの上場が行われた。米中貿易戦争など、世界経済の先行き不透明感が高まってきただけに、IPOを急ぐSBGの姿勢は相当に強かったといえる。そのため、今回のIPOに関して強引、強硬実施といった印象を抱いた市場参加者は少なくなかったようだ。

19日、ソフトバンクの初値は1463円と公開価格(1500円)を下回った。その後、同社の株価は1170円台にまで下落する場面を挟み、1316円で週末を迎えた。この間、株価が公開価格を上回って取引されることはなかった。

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