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韓国レーダ照射への抗議は誤り

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■ 利益は全く得られない

第二の理由は利益を産まないことだ。

今回の抗議により日本は何かを得られるだろうか?

そこに利益はなにもない。強いて挙げれば今後韓国海軍が自衛隊機をレーダ照射しなくなる程度だ。あるいは一部愛国者の溜飲を下げる効果があるだけだ。

逆に損は大きい。それにより韓国政府との関係は悪化する。今は請求権問題で協力関係が必要な時期にある。日本の不正義の露呈を隠すためには協力してウヤムヤにできる解決法を模索しなければならない。それに水をさす効果しかない。

■ 国民感情を刺激する

第三の理由は相互の国民感情を刺戟することだ。

照射の公表は日本の対韓感情を刺激する。日本国民の韓国への感情を悪化させ、日本世論に対韓強硬主張を惹起させる。

そして韓国の対日感情も刺激する。日本政府や日本世論の韓国批判は韓国国民の対日感情を悪化させ、韓国世論において対日強硬主張を引き起こす。

あとは負のスパイラルだ。国民感情での衝突は両国間にある利益の多くを吹き飛ばす。これは尖閣問題で日中ナショナリズムが衝突した際に示されたとおりだ。

影響は政治だけではなく経済にも及ぶ。韓国はかつてのような経済小国ではない。「日本が風邪を引けば韓国は肺炎」は30年も前の話だ。仮に日本ボイコットが起きれば日本経済にも影響を生む。これは貿易や投資だけではない。インバウンドにも影響がおおきい。訪日観光客の半分は韓国、残り半分は中国であるからだ。

■ 外交機能の不全

なによりも不可解な点は外交的な配慮が全くなされない点だ。

従来であれば第一、第二、第三の理由から内閣は防衛省を抑止した。そもそも防衛大臣や内局が発表を止めさせた。それが政府が果たすべき外交機能だからだ。

外交の目的はなにより相互対立の抑制にある。自国政府の主張と相手国政府の主張を対立させない。それによる摩擦や衝突、とりわけ国民感情の爆発を避けることが仕事だ。

必要に応じて自国政府や国民すら騙さなければならない。それが外交機能あるいは外交当局の役割である。例えば、日中漁業協定による尖閣領有権棚上げはその好例だ。それぞれの政府が責任をもって自国民を騙す形になっている。

だが、今回は国務大臣が先頭に立って韓国を非難している。また外交当局の抑制も見られない。

おそらくは日本の外交機能は不全状態にあるということだ。これは既に報道された国際捕鯨機構IWC脱退を含めてそれは伺えるのである。

■ 日本は韓国の言い訳に騙されるべき

日本は抗議せず、あるいは言い訳に騙されるべきであった。そういうことだ。

本当に問題解決を図りたいなら秘密裏にすべきであった。海軍同士、国防省同士あるいは外務当局で内々に解決する。特に相互の国民感情を刺激しないためにはそうするべきであった。

いまなら韓国の言い訳に騙されることだ。

あるいは「仕返し」である。レーダ照射が気に食わない上、交渉ができないなら内々にそれをすべきである。韓国軍艦や航空機にレーダを照射する。あるいはレーダ妨害といった水準の電子攻撃を行う。そのようなやり方がある。それなら不利益も生じないゲームで終わる。

*1 朝日新聞デジタルによると次のとおりである。「能登半島沖の海上で、20日午後3時ごろ、海上自衛隊のP1哨戒機が、韓国海軍の駆逐艦から射撃用の火器管制レーダーを照射された」

古城博隆「韓国駆逐艦が海自機にレーダー照射 日本政府が抗議」『朝日新聞デジタル』(2018年12月21日19時28分)https://www.asahi.com/articles/ASLDP65TLLDPUTIL05Z.html

*2 時事通信は韓国国防省の反応を伝えている。「韓国国防省報道官室は『通常の作戦活動中だった。(海自)哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない』と説明」

」「韓国艦、海自機にレーダー照射」『時事ドットコムニュース』(2018年12月21日22時31分)https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122106819&g=pol

*3 TBSによれば韓国は漁船捜索中と主張している「韓国の海軍関係者は、『遭難した北朝鮮籍の船の捜索のため艦艇の全てのレーダーを作動させたところ、その範囲内に哨戒機がいるのを把握した』と説明」

「韓国の「火器管制レーダー」使用“不適当”」『TBS NEWS』(2018年12月22日)https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3556144.html

*4 共同通信は防衛省による声明として次のように伝えている。

「改めて『極めて遺憾であり、韓国側に再発防止を強く求める』との声明を発表」し「遭難船捜索なら水上捜索レーダーが適当」と韓国主張を公然と批判している。」

「レーダー照射に改めて遺憾の意」『KYODO』(2018/12/22 12:49)https://this.kiji.is/449052808102265953

*5 日本政府は政府公船が射撃されるまでは緘黙していた。1988年11月にUSSタワーズが野島埼南の日本領海で巡視船「うらが」後方に5インチ砲を17発発射し、何発かが1000m内外に弾着して初めて抗議した。

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