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財務・収益基盤整う、次は成長ステージ=国部・三井住友FG社長


[東京 26日 ロイター] - 三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>の国部毅社長は、ロイターとのインタビューで、昨年度からスタートさせている中期経営計画の進ちょくについて、財務や収益基盤が整ってきたと前向きに評価し、今後は資本を成長投資や株主還元に充てる成長ステージに移ると語った。

国部社長は「次は新しい時代に向けて成長していくステージ。これから生み出していく資本を成長投資、株主還元強化に配分していく」と述べた。

また、デジタライゼーションの進展を踏まえて、金融グループとして新しいビジネスモデルを作り出すことが重要との認識を示した。

三井住友は来年4月1日付で、国部社長が会長に就き、太田純副社長が社長に昇格する人事を発表した。国部社長は再来年度から始まる次期中計について「次の人が新しい発想で思い切ってチャレンジできればいい」と語った。

インタビューの詳細は以下の通り。

――昨年度からスタートした中計の進ちょく状況と、今後の目標は。

「今回の中計でガバナンス構造を変えた。委員会設置会社に移行し、事業部門制を導入した。持ち株会社を中心としたグループ経営を強化したことで、グループ会社を含めた各事業部門の戦略の統一性や施策の実行力などが深まった。その効果が業績に反映されている。財務基盤も安定し、一定の収益を生み出す基盤も整った。次は新しい時代に向けて成長していくステージだ。これから生み出していく資本を成長投資、株主還元強化に配分していく」

「大きな環境変化として、デジタライゼーションの進展がある。来年度から議論を始める次の中計は、デジタライゼーションを踏まえて、新しい時代におけるグループのビジネスモデルをどのように作っていくのか。どの分野でどのように成長していくのかを議論して計画を作り、実行していくのかのフェーズに移る。それは新しいトップの元で進めてほしいということで交代を決断した」

――投資余力としての資本バッファーは、どれくらいを想定しているのか。

「財務基盤の強化という点では、CET1(普通株式などの中核的自己資本)比率が目標よりも1年前倒しで来年3月に10%程度に達する。必要以上に資本を積み上げるつもりはない。当期利益が年間6000―7000億円程度と想定すると、配当控除後に4000―5000億円が積み上がる。5年で2兆円だとして、リスクアセットの増加などを考慮すると、5年で1兆円から1兆3000億円ぐらいの資本を割り当てるイメージだ」

――どのような分野での投資を考えているか。

「貸出資産の増強やIT投資、キャッシュレス対応にも投資がいる。そのほかに、買収戦略として関心があるのは、まずアジアの商業銀行だ。アジアをベースにした強い商業銀行を目指す。インドネシアで出資している銀行でリテールとホールセールのフルバンキング業務を近く始める。そのほかに成長が期待できる他の国でもフルバンキング業務を展開していく。いちからリテール業務を立ち上げることはできないので、地元の金融機関を買収することになるだろう」

「2番目がグローバルで採算性の高い金融プロダクト。国際事業部門の収益の6割がコーポレート向け、2割が航空機リースや貨車リース、LBO(買収ファイナンス)アセットなどの金融プロダクトになっている。こういうタイプのアセットの買収機会があれば検討する」

「3つ目が成長を担保する投資。具体的にはアセットマネジメントや証券業務の関連だ。証券業務では、グループのSMBC日興証券を強化してきたが、グローバルという観点で組める相手が選択肢だ。アセットマネジメントもグローバルな運用力強化が必要だ。米銀を買収する戦略的意義はあるが、今は、価格が高いので優先順位は高くない」

――頭取、社長と7年務めてきたが、銀行と企業の関係は変わったか。

「メーンバンク制は過去も現在も変わらない。ただ、その中身が時代の変遷とともに変わってきた。企業は資本市場から調達し、活動もグローバルになった。銀行も金融グループとして機能を拡大し、証券機能も持っている。広がる企業のニーズに対して銀行も機能を拡大して応えられるようにしなければならない。確かに、かつてほど資金需要は強くはないが、リーマンショックで顕在化したように企業はラスト・レンダー(最後の貸し手)として銀行の役割を大事にしている。それが企業と銀行の絆だ」

「加えて、今銀行が提供しているのは、ファイナンスだけではなく、買収案件や顧客の紹介などのさまざまな情報だ。企業とは多面的な取引関係になっている。企業が経営上の課題にぶつかった時にファーストコールを受け、企業の立場で解決策を考える銀行がメーンバンクだ。時には、厳しいことも言わなければならない。これまでそういう考えで臨んできた。かつてよりもメーンバンクの役割は広がっており、大変エキサイティングな仕事だ」

――デジタライゼーションが銀行に与える影響は。

「銀行はフィンテックベンチャーやIT企業と組んで新しくサービスを広げることができる。これからは、情報という価値をどのように収益につなげるのかが、1つの柱になるだろう。情報をビジネスにするために規制上の問題があれば、規制当局に緩和してもらい、新しく立ち上げていく。攻め込まれて失う部分もあるが、新たに得る部分を考えればデジタライゼーションは銀行にとって総合的にはプラスのインパクトだ」

このインタビューは21日に実施しました。

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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