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「大麻解禁の活動で一緒に日本を変えたい」高樹沙耶さんインタビュー

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世界を見れば大麻は今、大きなビジネスチャンス

大麻って今、すごくチャンスなんです。先にも言いましたがアメリカやカナダの非犯罪化、合法化によって大麻のビジネスが新しい産業となり、大麻産業によって成功してお金を儲けている企業や人がたくさん出てきていて「グリーンラッシュ」と呼ばれるほどのムーブメントになってきているんです。

古くから社会にとって危険だからと規制されていたものを、実は間違っていましたと社会が認め、法律を変えただけで、もの凄いビジネスチャンスが大麻を見直した国で起こり始めている。

—そういう見方から大麻を勧める方法もあるんですね。

固定観念を外すことの中に、新しいチャンスがあるということを示せる面白いテーマでもあるんです。今、カナダやアメリカをはじめとした世界の状況を見て、次は日本だと海外の大麻産業を調べながら準備している方はいると思います。実際に大麻ビジネスに関する海外での記事を見ると元マイクロソフトの経営トップの方やナイキなどの世界企業のマネージャークラスの方がそれまでの地位や職業を捨て、大麻のスタートアップに参加して成功しているニュースがいくつも出てくるんです。

彼らは口々にお金が目的ではなく、社会変革の可能性がある大麻産業で世界をより良くする為に新しい産業に投資したいと言っているんです。ビジネスとしても大きな魅力がある事を多くの人が理解できれば、世の中が変わるチャンスは増えるんだと思います。

—ここまで話を聞いていると納得できるところもある一方で、大麻を経験したことがない立場からすると、自分たちの嗜好で法律違反をして楽しんでいる人になぜ合わせるのかという反論もあるかと思います。

それはイメージであって、真実からはかけ離れているから。日本の様に行き詰まった社会では、様々な場面で脳のパラダイムシフトみたいなことが必要なんじゃないかなと。縛られている常識とか、すごく多いでしょう。

大麻って実は経験者もすごく多いんですよ。私たちの親の世代と違って、今は安い金額で海外にも簡単に行けるし、留学を経験してる人も多くなりましたし、世界の現状を知っている人はものすごくたくさんいるんです。そういう人からすると、私はおかしなことを言ってないよね、っていうのはわかってもらえているようです。

—そうなんですか。

でも、やり方がまずかったね、法律を違反するのはまずいよね、ということはすごく言われました。確かに法律という面から見ると悪いことですけど、悪い事の根拠は日本で作られた幻想ですから。今、世界では真実が表に出てきているので。

だから、大麻のことをよく知っている人がこの一件を見ると、大麻についておかしなことをつぶやいている人というのは、情報を自分で取捨選択できない人なんじゃないかと。この問題は、現実を自分で確かめることができるかどうかという良いリトマス試験紙で、大麻は麻薬だとか、大麻をやる奴はバカだとか、エロにハマってるとかって言っている人は全くわかってないの!

—全部、高樹さんが言われたことですね。

そう、「アホだ」っていう人には「お前がアホだ」って私は思ってしまうんですけど(笑)。

BLOGOS編集部

—ただ、しつこいようですけど大義があれば法律は関係ないのか、という人が多いことも理解できます。

でもそれならば、極論だけどあなたは国が人を傷つけたり殺したりしていいという法律があったら、そうしますかってことでしょう。

—それはちょっと極端な…。

うん、これは極論すぎるか。でも、なぜその法律ができたのかという立法趣旨をちゃんと理解してから、反対の意見を言ってほしいなというのはありますよね。法律だから、すべて正しいと信じる前に。それに「大義があれば法律は関係ない」なんて思っていたら、それこそ選挙に出て法律を変えようなんて思いませんよ。

私が例えば快楽のために大麻を吸って、それによって誰か他の人を傷つけているなら許されることではないですけど、やがて高齢者になる私も自分の体の具合が悪い時に大麻の効果を知った上で利用したというだけで。そういうことを知ってもらえれば、私の立場ももう少し理解もしてもらえるのではないかなと思います。

—海外の事例や現行の法律について調べてみると、高樹さんの主張や立場にも納得出来る部分があります。

そうなの、だからこそやってみない?っていうことを問うていきたいんです。私だって参院選にまで出馬して「そういう問題があるんだよ」「今、カナダでは合法になってるよ」、だから大麻っていうのがどういう問題なんだろう、という議論が深まって欲しかったんです。

“法律を犯すやつは悪い、だからみんなで攻撃してやれ”ではない何か議論の深まりが生まれればと思いますね。

—この問題に限らず、どちらも相手方はおかしいと言い合うだけだと議論や対話は起こらないですね。

それにもし…もしもの話ですけど、大麻を解禁したくない人たちがある程度いて、その人達が利権に関わるところでお金とパワーを持っていて、そしてメディアにも影響力もあり、なにか情報をコントロールしているという...。もしそういう現実があるならとても罪深いことだなとは思います。

大麻解禁に反対している業界団体があるとすれば、の話ですね。

—なるほど。アメリカでも、かつて大麻が禁止されたのは製紙産業や繊維産業が大麻の利用に反対したという主張があります。

日本のテレビ局が、製薬会社や酒造メーカー、タバコ産業といったところから広告費というお金をもらって成り立っていて、大麻を解禁するとそれらの売り上げはダウンしますから、そういう理由で妨害しようとしているのであれば、それは残念です。

でもこの社会はそういう成り立ちで、それを悪いとも言えないし、強者が勝っていく弱肉強食の世界なので。私みたいに新しい戦い、チャレンジをするにあたっては「三国志くらい読んでこいよ」と言われちゃうかもしれない。

—え、三国志? 戦略の話ということですか。

戦いに勝つにはその戦いの要点を押さえないと上手くいかないよねってこと。大義は合っていても戦いの進め方が良くなかったなと。大きな相手と戦うのに、準備が足りていなかったし、もっと用意周到に行かないといけなかったかもしれませんね。

—戦いには勝ち筋があるということですね。

ただ、大麻の法律が変わることがこの活動のゴールとするならば、結局、私は失敗した一人なんですけど、これまで70年近く続いてきたその道のりにおいて少しくらいは貢献、できたかなとは思うんですよね。

「大麻、絶対ダメ!」と信じ込んでいた人たちにとって、私の逮捕や報道が「あれ、なんかちょっと違うかな?」って考えるきっかけになって、今まで大麻のことなんて全く無関心だった層の人が少しだけでも「医療大麻」って言葉を記憶の片隅に置くことができたのであれば、私がこれまでやってきたことも少しは意味があるのかな。と時々自分を慰めています。

人に大麻を勧めているわけではない

—高樹さんの話に賛同して「私も一度試してみたい」ってなると、それはまずいんじゃないですか。

経験しないと、わからないこともありますよ。今ってネットで何でも情報が入ってくるけど、カリフォルニアのディスペンサリーがすごくオシャレって聞いても、それは遠い世界の話で自分には関係ないんです。人って何か心を揺さぶられないと動けないと思うので、経験しないといけない。

だから私は、そういう相談を受けた時には「外国に行きなさい」って言っています。日本ではあまりにリスクが大きすぎて、そういうことは勧められないけど、そういう形でまず経験してみたらって伝えるようにしています。

unsplash

—薬物の道に引きずり込んだり、日本で違法行為をさせたりしようとしているわけではなく、自分で考えるために一度経験してみたら、という提案なんですね。

一つ誤解しないで欲しいのは、私たち、大麻を法改正しようと活動している人間は「誰かれ構わずに吸え」って言っているわけじゃないんです。法律がおかしいから変えよう、害よりも益の方が大きいのであれば、今の犯罪者みたいな扱いは改めようと提起しているだけなんです。もちろん民主主義だから多くの人に知ってもらわないと変わらないから、それぞれに情報を発信しているわけで。そうじゃなければ自分たちだけで隠れて吸っています。

—過去には逮捕もされていますし、批判されることも多く、色々と大変な役回りなんだろうなと思います。

私は普通の女性に比べたら食べたいものもいっぱい食べたし、着たい服も着たし、行きたいところにも行った。だから今ではそういう欲は昔よりは少なくなって、環境問題に関わるようになってからは何か違う事でこれまで受けてきた良い事を世の中にお返しできるようになりたいなって。

結局、この歳になるまで家庭も子どもも作らなかったし、そういう意味ではワイドショーが言うように自由奔放に生きてきたんだけど。恋愛もいっぱいしたし…(笑)。

—そこは合っているんですね(笑)。

だから普通の家族を作って、自分の子どもに何かを教えていくってことができなかったので、好き勝手生きてきた最後の最後に、世の中に何か役に立つお返しが出来ればいいかなと思っています。

—最後にこの記事を読んでいる読者で、大麻について自分でも考えたいと思った人に一言お願いします。

大麻に限らず、今、私たちはスマートフォンやパソコン、インターネットを手にすることでたくさんの情報に触れることができます。だからテレビや新聞だけの情報に流されないで自分の目で見て、物事を確認するとか、自分で調べて考えるということをもっと積極的にするようにした方がいいんじゃないかなと思います。

実際に大麻についてネットで調べてみれば、良いことも悪いことも、海外の事例も沢山の情報が出てくるから、もし自分が直接経験できなくても、そういう情報の中でちゃんと自分で考える力を養わなければいけないと思います。

日本はずっと権威者のいうことを聞いていれば間違いのない国だったけど、もうそういう時代は終わったと思います。一人ひとりが、誰が言った意見なのか、どこからの情報なのか、そういったことを個人が自己の責任で取捨選択する時代に入ってると思います。

—そうですね。

だから今回の記事も「高樹はああ言っているが怪しい」とか「法律を変えてもいいのか」とこれを読んだ一人ひとりが考え、疑問に思った事、更なる興味があるのであれば自分で調べて判断して欲しい、特に次の時代を創っていく若い世代の人達には期待しています。

—本日はどうもありがとうございました。

こちらこそ、石垣島まで足を運んでいただきありがとうございました。

プロフィール

高樹沙耶

1963年8月21日、静岡県生まれ。石垣島のキャンピングロッジ 虹の豆 オーナー。1983年に主演映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー、以降、映画、TVドラマへ数多くの作品に出演。近年の代表作に『相棒』等がある。2002年、フリーダイビング競技の日本大会で、水深45mの日本新記録(当時)、同年11月にハワイで行われたフリーダイビングW杯で水深53mの日本新記録(当時)を達成。

2016年5月、参議院議員選挙に医療大麻の法改正を公約に新党改革より東京都選挙区で出馬するも、落選。 同年10月、大麻取締法違反(所持)の疑いで厚労省麻薬取締部に逮捕され、3ヶ月間の拘束と3度の裁判の結果、逮捕から半年後、有罪となる。著書に『贅沢な暮らし—衣食住が育む「心のラグジュアリー」』(エクスナレッジ)、『ホーリープラント 聖なる暮らし』(明窓出版)ほか。

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