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日本テレビをテレビ朝日が猛追!の背後にテレビをめぐる地殻変動が起きている感じが

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 興味深いのは、『NEWS23』のテコ入れのために就任した米田浩一郎さんが『news zero』 についてこう語っていたことだ。

「最初はトーク重視でニュースはあまりやらないのかと思いましたが、最近はこれまでのように社会部系のニュースを中心に据えるラインナップに戻っているように見えます。ただ、あちらがトップに据えるニュースが『NEWS23』ではショートニュースだったりすることも多いです。この2カ月で見る限り、トップニュースが互いの番組でかぶったことは数回しかなかったと思います。

 番組がスタートする時間にツイッターでどんな反応が出ているかも見ることがありますが、今の『news zero』の初期段階では、ニュースを見たいと思って『NEWS23』を見るようになったという人のつぶやきも結構ありました。ただ、それが全体の視聴率にどう反映していくかは、もう少し見てみないと何とも言えません」

 米田さんもともと『筑紫哲也のNEWS23』時代に報道局員として関わってきた人で、今回、こういう興味深い発言をしている。

 「9月にプロデューサーとして関わるようになって感じたのは、いわゆるニュースのコア視聴者層の高齢化が進み、その時間帯にテレビを見ているのは若い人がさらに多くなっているということです。ただ、だからといって右往左往して若者向けのネタに特化したりはせずに、ど真ん中のニュースを、若い人にもきちんと見てもらえるように工夫して出していきたい。その日1日に起きたことをしっかりと、全体像としてとらえられるように伝えることが、筑紫哲也さんの時代からのこの番組の使命と考えています」

 そう語る米田さんは、筑紫さんの時代から『NEWS23』には関わってきた報道マンだ。

「番組のニュースのラインナップを決める編集長とも毎日相談しながら、どんなニュースをどんな並べ方で、どういう切り口から伝えるのか、議論しています。ニュースの中身と並び、それがニュース番組にとって最大の強化策だと思うからです。物言うニュース番組、問いを発し続ける番組という筑紫さんの時代からのスタイルは、星さんがキャスターをつとめる今のチームにも引き継がれていると思います。

私は今回、プロデューサーになる前は報道局全体の編集に関わる立場だったのですが、そのとき掲げていたキャッチコピーは『現場から、』というものでした。記者がニュースの現場に立ち会い、その目で見て、自分の言葉で伝える、そういう現場力と言うか、ニュースの発信力が報道の基本だと思っています」

さて視聴率をめぐってネットではあれこれ書かれている『news zero』だが、10月1日の初回は視聴率10・0%と、いきなり2桁を叩き出した。有働さんがどんな番組を始めるのかという話題と期待の大きさを、それは示していた。2日目も10・4%と2桁だったが、その後3日目7・9%、4日目8・4%、5日目6・6%。この時間帯では高視聴率と言えたが、10月12日の金曜日に4・6%という数字が出ると、週刊誌やネットニュースは一斉に「視聴率急降下」などと書き立てた。なかには「早期降板か」などと書くメディアもあった。

 編成局担当局次長兼編成部長の岡部智洋さんにその話をすると、こう一蹴された。

 「金曜日はそもそも番組開始時刻が23時30分と他の曜日よりも遅いのです。そういう特定の1日だけをとってそんなふうに語られること自体、残念ですね。

 実際は、10月の平均視聴率を見れば、前月と比較して0・2ポイント上がっているし、昨年の10月と比較しても0・2ポイント上がっています。

 確かにあれだけ大幅に変えたわけですから、一時的に視聴率が下がることもあり得ると思っていたし、10月全体で考えれば、この視聴率は上々じゃないでしょうか。想定以上の受け入れられ方だと思っています。

『会話するニュース』というのが大テーマですが、実際、SNSや多彩なゲスト、中継で世の中へ出ていくことも含めて、有働カラーは出ていると思います」

今後この3つの報道番組がどうなっていくのか興味深い。平日22~23時台のニュース戦争だけでなく、日曜夜の日本テレビの鉄壁状態に変化が生じていることなど、テレビをめぐる環境変化は様々なところに顔をのぞかせている。

 日曜夜といえば日本テレビが圧倒的に強く、他局がそこに食い込もうとして敗退してきたのがこの間の歴史だった。そこにこの秋、テレビ朝日が相当食い込んだのが大きな話題になっている。テレビ朝日の粟井淳・総合編成局編成部企画担当部長に話を聞いた。

「テレビ朝日の全日の視聴率が上がっているのは、第一に朝の情報番組が良くなっているためで、これが全体の数字を押し上げていると言えます。早朝の『グッド!モーニング』の7時台の視聴率が昨年比で0・7ポイントアップし、年度平均で自己最高を記録しています。その後に放送されている『羽鳥慎一モーニングショー』も同じく0・8ポイントアップで自己最高です。

 それからもうひとつ、日曜夕方から夜のタテの流れが良くなっています。特に10月からレギュラーにした20時台の『ポツンと一軒家』が視聴率2桁をキープし、11月11日の2時間スペシャルでは15・4%という高視聴率を記録しました。11月までの平均視聴率が14・0%と健闘しています。

 その前の時間帯に10月改編で再スタートさせた『ナニコレ珍百景』も好調で、21時台の『日曜プライム』へ向けてタテの流れが良くなっているのですね。

 ゴールデン・プライムのバラエティについては、やはり日本テレビさんなどは底力が違いますから、チャレンジャーとして頑張らなければいけないと思います」

 日曜20時台といえば、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』やNHK大河ドラマなどがひしめく激戦区だ。そこで2桁の視聴率をとるというのは、並大抵のことではない。業界で言われているのは、『イッテQ!』などと視聴者層の棲み分けがうまくできたのではないか、という指摘だ。『ポツンと一軒家』は、『イッテQ!』などよりは上の視聴者層に見られており、それがその時間帯に食い込めた理由のひとつではないか、というわけだ。

 この日曜夜のテレ朝の健闘も、おおいに分析検証してみるべきテーマといえる。この秋のテレビ界をめぐるいろいろな傾向は、テレビをめぐる大きな構造的変化が起きつつあることの現れかもしれない。

 紙幅の都合でこれ以上ここで詳述するのは控えるが、驚異ある人はぜひ『創』1月号のテレビ特集をご覧いただきたい。 [http://www.tsukuru.co.jp]


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