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「あなた」に向けてしゃべっています−小島慶子インタビュー

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小島慶子氏。
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3月21日にBLOGOSメルマガで小島慶子「トークイン・クローゼット」の配信が始まった、ラジオパーソナリティーの小島慶子氏にインタビューをお願いした。なぜ今、メルマガを始めるのか、喋り手としてのこだわり、ラジオへの思いを聞いた。【構成 BLOGOS編集部 田野幸伸】

メールマガジンを始めようと思ったきっかけ

小島:前からやりたかったんですよ!いろんな人に「メルマガやりなよ」と言われることも多くて、「そうね!」と言いながらも、メルマガってどうすればいいのかしら、きっと難しいに違いないわ。ITに強い人がやることよねって思っていて、ずっと気になっていたんですよ。いつかやろうと思っていたら、たまたま知人がメルマガを始めていて、私はそれを読んでいて。「あ、この人に聞いてみよう」って。で、人を紹介してもらって、なんだなんだ、そんな簡単なことだったのかってのがひとつ。

もうひとつはラジオ番組(TBSラジオ キラ☆キラ)が3月末で終わるのですが,中にはありがたいことに「寂しい」と言ってくださる方がいて、数は少なくても、さびしいと思ってくださる人がいるなら、何かの形で、その人との接点が持てるといいなあと思って。じゃあ、メルマガがそれなんじゃないかしらと思ったので、ちょうどいいわと。それが一番大きな理由ですね。

−最初の打ち合わせで言われたのが「メルマガにラジオを付けたいんだけどできるかしら?」でした。「ラジオ」「音声」にこだわる理由とは?

小島:声を聞いていたいという人もいるんですよ。嬉しいんですけど、こんなガサツな声でもね。小島さんの声を聞くのが習慣になっていて、声を聞けないのが寂しいとおっしゃってくださるから、やろうと思ったんです。音楽もそうだけど、やっぱり音の親和性ってのは、文字とは違う物だよな。。ってのがひとつ。

もうひとつは、やっぱり同じ事を言うのでも、音声言語で言うのと、視覚言語で言うのでは変わってきますよね。私はどっちも好きなんですけど、だったら両方できたほうが、いいかなあって。なぜならば、音で聞きたい場合もある。10分、15分かけて、通勤電車の中などで。そこまで時間は無いけれど、小島さん何言ってるのかなって、ぱっと見たいときは、文字になってれば飛ばし読みしながら5分くらいで見られるとかね。状況によっても違うじゃないですか。もちろん、メルマガとラジオの内容は同じじゃないんですけど、両方が補完しあう形で、1つのメッセージになればいいのかなって思って。

「アナウンサー」と「パーソナリティー」の違い

−小島さんは元々TBSの「アナウンサー」で、いまは「ラジオパーソナリティー」という肩書きです。アナウンサーとパーソナリティーの違い、喋りの違いというのはどこなんでしょう。

小島:なんでしょうね・・・ラッキーなことに私の入ったTBSというテレビ局は、今は別会社ですけど、当時テレビとラジオ兼営の唯一の在京の民放だったんですね。だから、ラジオで喋ることが何かも、テレビに出るって事が何かも分からない状態から、いきなり両方に出られたんですね。

元々ラジオっ子でしたし、そのあとテレビもよく見ていて、テレビもラジオも私にとって忘れがたいものだったんですね。ただ、華やかさに引かれてテレビをイメージして放送局に入ってみたら、テレビとラジオがあった。自分の聞いていたラジオ局じゃないけれど、最初から両方の仕事を始めることになった。もしも、ラジオを私が聞かずに育っていたら、「何だろうラジオって」みたいなところから入ったと思うんですが、ラジオも聞いてた、TVも見てた、出るのは両方初めてだけど、受け手としては両方馴染みがあるって所から入れたのはとても良かったんですけれど。

だからこそ分かったのが、これは同じ「放送」というジャンルだけど、「テレビ」と「ラジオ」は、全然違うってこと。料理で言えば同じ料理でも、フランス料理と日本料理ぐらいに違う。だから、画のないテレビがラジオじゃないし、画のついたラジオがテレビじゃないんだ、別物なんだ!って。ということは私は、1つの企業の社員でありながら、全く違う2つの仕事ができるってことなのねって身体的に気が付いたのです。

身体的にってどういうことかというと、テレビに出ると、今日の自分の髪はどうかしら、衣装は似合っているかしらとか、この立ち方だと足が太く見えるかしら、この手は生意気な感じに見えるかしらとかものすごく気にする自分がいて、実際に来る反応も、「今日の衣装良かったね」とか、「今日顔色悪かったね」とか。

ラジオはそんなこと気にしないわけですよ。それよりも、この喋り方でよそよそしくないかな、この声の出し方だと大きすぎるかしら、息の吸い方どうかしらとか。実際返ってくる反応も「あなたの声を聞くと落ち着く」、中には「あなたの声はすごく緊張する」とか。どっちかと言うと、身体的な経験を通じてこれ違うぞと。反応も違うから、それをキャリアのスタートの初期の段階で経験できたのはラッキーでしたね。

テレビは視覚情報が多いので、見えるものの中からわかりやすいアイコンを拾うってことですから、拾われやすいアイコンでなくてはならないんです、私は。具体的に言うと「女子アナ」あるいは「新人アナ」というひと目で分かりやすいアイコンからなるべくはみ出さないようにしなくてはならない、ってのがプロとして私に求められる仕事。

ところがラジオにはそういったアイコンってのは誰も求めてないんですよ。なぜなら音しかないから。ラジオであえてアイコンと言うなら番組のジングル(CM明けなどの短い音楽)とか、その人の声そのものであって、じゃあ、私にできる事は何かって言ったら、こいつ誰だよって思っている人に、なるべく私が誰かを知らせるって事ですよね。そこでいくら私がTBSの女子アナですって言ったところで、はあ、それはあんたの肩書きでしょ、それよりあんたは何者なの?いいやつなの、嫌なやつなの、真面目なの不真面目なの、面白いの面白くないの?っていう場所ですので、それを精一杯出すと言うこと。その二つの場所で失敗を重ねながら後々気が付いたのは、アナウンサーとして求められるのは前者の「私はいつも同じ品質のものをお届けしますので安心して下さい。」というメッセージ、パーソナリティってのは後者の「あたしゃこんなもんでございます。お好きなら聞いてください」っていうものなのかなと。

どっちがいい悪いじゃなくて、マスメディアにはアイコンがないと分かりづらいときもあるし、アイコンだけだと味気なくなってしまうときもありますし。私もどっちが大事ってわけじゃないけど、どっちが好きかって事をずーーーっと考えて15年仕事をしてこられたのはラッキーでしたね。



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