記事

アメリカの新孤立主義:トランプを罷免できるか

 トランプ政権最後の良識派、マティス国防長官が来年2月に辞任する。トランプのアメリカ第一主義、新孤立主義に対する抗議の辞任である。

 今日の世界は、パックス・アメリカーナ、つまりアメリカが覇権国である。

 ところが、トランプ大統領は、「アメリカ第一主義」を掲げ、覇権国としての役割を全うしなくなっている。国内の支持基盤への配慮を第一にし、それが外交や安全保障政策にも色濃く出てきている。

 マティス辞任の直接のきっかけとなったのはシリアからの米軍の撤退であるが、その前にもイスラエルの首都をエルサレムに移したり、イランとの核合意から離脱したりと、中東に不安定要因を増やしてきた。

 パレスチナ問題では、アメリカはもはや仲介機能を果たせなくなっている。これまでのアメリカは中東全体への目配りをしてきたが、トランプ政権にはそのような配慮はない。アメリカの関与が薄まると、ロシアやイランが中東でプレゼンスを高めることになる。

 トランプの内向き姿勢は、「新モンロー主義」と呼んでもよい。そして、アメリカが世界から「撤退」して生まれた真空地帯(power vacuum)を埋めようとしているのが、中国であり、ロシアである。

 トランプ政権は、オバマ前政権に比べてロシアとの関係が深く、EUの強硬姿勢とは距離をとっている。この点でも、マティスはトランプに不信感を抱いていた。

 2016年の大統領選挙でロシアがトランプを勝たせるため介入したのではないかという疑惑をめぐって、捜査が進んでいるのは周知の事実である。

 トランプから権力を奪うことはできないのか。

 アメリカ憲法第2条4節では、「大統領、副大統領、およびすべての合衆国の文官は、反逆罪、収賄罪またはその他の重罪および軽罪について弾劾され、かつ、有罪判決を受けたときは、罷免される」と定めている。今のトランプが弾劾に値すると言い切ることはできないが、第三次世界大戦の勃発を避けるためには罷免という選択肢も考えたくなる。

あわせて読みたい

「ドナルド・トランプ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    平井大臣の発言を文春が捏造か 内閣官房が公開した音声には企業名なし

    和田政宗

    06月23日 12:48

  2. 2

    昭和の頑固オヤジ!JASRACと闘い続けた小林亜星さん

    渡邉裕二

    06月23日 08:04

  3. 3

    菅内閣が「無観客五輪開催」を絶対に避けたい理由

    田原総一朗

    06月23日 16:02

  4. 4

    ワクチン不足で職域接種の新規受付を一時停止へ「可能配送量の上限に」 河野大臣

    ABEMA TIMES

    06月23日 21:39

  5. 5

    菅内閣支持率最低に 短命政権の可能性強まる

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

    06月23日 17:13

  6. 6

    軽自動車はEV化で高価格に 「交通弱者」が増加するいま改めて考えたい軽自動車の役割

    森口将之

    06月23日 10:51

  7. 7

    低すぎないか、日本の物価水準

    ヒロ

    06月23日 11:31

  8. 8

    ”タコ山”だって守られたい?~「TRIPP TRAPP」高裁判決から6年、いまだ見えぬ境界線。

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

    06月23日 10:09

  9. 9

    「すべては首相続投のため」尾身会長の警告さえ無視する菅首相の身勝手な野心

    PRESIDENT Online

    06月23日 08:26

  10. 10

    GAFAの台頭を許したマイクロソフトがここにきて大復活を遂げている理由

    PRESIDENT Online

    06月23日 16:35

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。