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日本からは何が学べるのか

外国人就労の都市集中是正を明記 受け入れ拡大新制度の全容判明(共同通信)

 改正入管難民法などの成立を受けた外国人労働者受け入れ拡大の新制度の全容が13日、政府関係者への取材で分かった。制度の方向性を定める基本方針には、大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じると明記。分野別運用方針では、国会答弁と同じく来年4月から5年間の累計で最大34万5150人を受け入れ、農業と漁業は派遣の雇用形態も認めるとした。外国人への支援内容を盛り込む総合的対応策には各種行政サービスの多言語化推進を記載した。

 さて外国人労働者の受け入れには一定の(雇用側からの)需要があるわけです。予定されている法改正では「農業と漁業は派遣の雇用形態も認める」そうですけれど、需要を考えれば港湾運送業、建設業、警備業あたりの派遣を認めたって良さそうな気がしますね。それよりも問題なのは「大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じる」云々です。それはつまり、外国人に就労場所を選ぶ自由を与えない、ということでしょうか。

 改正法によって就労拡大が期待されているのは、一言でまとめれば「日本人がやりたがらない仕事」であるわけですが、これに加えて「大都市圏に外国人が集中しないような措置を講じる」とは即ち「日本人が住みたがらない場所」に外国人を宛がうことにもなります。まぁ日本国が望んでいるのは人間ではなく純粋な労働力ですから、そういう扱いになるのは必然なのかも知れません。

 日本人ほどには従順でない外国人労働者が増えることは、いずれ日本社会を変える原動力として(労組連合なんかより)期待できると私は思っていますけれど、当の外国人にとって日本で働くことは――決して勧められない現実もあります。賃金水準が低い、労働条件が悪い、日本人と比べて差別的な取り扱いも目立つこともさながら、「今さら日本から学ぶべきことなんてない」ですから。

 日本では「技能実習生」なんて題目で雇用を偽装するのが常態化していますが、ビジネスや科学技術を学ぶのなら、今は中国の方が上でしょう。四半世紀前ならいざ知らず、現代の日本は過去の栄光にすがるだけの二流の国家です。確かに日本には「GDPが横ばいの中でも内部留保だけは増やす方法」や、「景気が上向く中でも賃金を抑制する方法」といった面では世界に例のないものを持っています。しかし、そんなものを学んでも無意味ですよね?

 先日は、日馬富士に暴行を受けて話題になった貴ノ岩が付け人に暴行を加えていたことが発覚したりもしました。子供を虐待する大人には、自身が親からの虐待を受けて育った人が多いと言われます。たぶん、先輩後輩関係も同じなのでしょう。人に殴られれば、殴られた痛みではなく、人の殴り方を覚えるものです。ならば日本で働く外国人は、何を覚えて帰るのでしょうか、日本で学んだのが「立場の弱い人から搾取する方法」となるのなら……

サメ300匹密漁か、米が日本人船員ら刑事告訴(読売新聞)

 【ロサンゼルス=久保庭総一郎】米司法省は12日、南太平洋でサメを密漁していた疑いで、鹿児島県いちき串木野市の水産会社「浜田水産」と日本人船員3人らを11日付で刑事告訴したと発表した。

 司法省などによると、水産会社が所有する日本船籍の漁船「共進丸」は昨年11月上旬、静岡県・清水港を出発。11月上旬頃までの約1年間、南太平洋などで高級食材のフカヒレを手に入れる目的で、サメ計約300匹を密漁していた。日本人船員が指導し、インドネシア国籍の漁師に作業させていた。

 11月6日頃、米ハワイ州のホノルル沖で漁船を離れ、送迎用船舶で米国に入国したインドネシア国籍漁師18人が手荷物検査で大量のフカヒレを所持していたことが発覚し、このうち漁師10人が密輸容疑で米当局に身柄を拘束された。

 ここでも、日本(の船)で働く外国人が登場します。日本人船員「ら」刑事告訴と見出しに掲げられていますが、インドネシア国籍の漁師18名は既に身柄を拘束されているとのこと、「日本人船員が指導し、インドネシア国籍の漁師に作業させていた」結果として身柄を拘束されるとなれば、それはいったい誰の罪なのでしょうね。

 日本独自の慣例として、「おみやげ」と偽り禁止されているサメを持ち帰ることが結構あるようです。まぁ「調査」と称して遙か南極海くんだりまで鯨を殺しに遠征するような国ですから、そういうこともあるのでしょう。しかし雇用主の指示に従っただけであろうインドネシアの漁師にとっては、とばっちりでしかありません。この日本人による「指導」でインドネシア人は何を得るのか――「日本流の偽り方」や「密漁の方法」を習得するとしたら、それもまた恥じるべきことです。

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