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法務省が抵抗する外国人労働者受け入れ法案を、なぜ安倍首相は強引に成立させたのか?

12月8日、出入国管理法改正案が、自民・公明両党と日本維新の会などの賛成多数により参院本会議で可決、成立した。

この法案は、在留資格を新設して、外国人労働者の受け入れを拡大する。深刻な人手不足を背景に、高度専門職に限定していた従来の施策を、大きく転換することになる。

それなのに、衆議院で15時間、参議院でも20時間しか審議していない。法案の中身がないのだから、審議を尽くしようがないのだろう。審議自体も、安倍晋三首相は、下から上がってきた文書をただ読むだけ、担当大臣である山下貴司法相は、「これから検討します」を繰り返すばかりだった。

それにしても、なぜ安倍首相は法案の成立をここまで焦るのか。そして、なぜ法案の中身がないまま進んでいるのか。

法務省に詳しいあるジャーナリストに、僕は話を聞いた。いわく、法務省は法案の成立に、実は積極的ではない、と言うのだ。

高橋洋一さんにも、同じ質問をした。嘉悦大学教授の高橋さんは、元財務官僚であり、官僚について非常に詳しい。僕が司会の番組、「激論!クロスファイア」に出演してもらった。

高橋さんによれば、法務省の中では、出入国管理法改正案の内容に対する拒否反応が強いそうだ。法務省の中堅幹部は、法案の内容を詰めるように自民党から言われているが、その拒否反応のせいで、骨格作りが進まないのだという。

ある自民党議員も、オフレコを条件に、次のように語ってくれた。「官邸筋はやれと言っている。だが、法務省が改正案に反対なのだ」と。

法務省というのは、規制は大好きだが、緩和は嫌いな省庁なのだ。

69名もの外国人実習生が亡くなっていたという悲惨なデータが参議院で明らかになった。実は、これは法務省内からのリークだという。しかも、その事実を安倍首相は当日まで知らなかったのだ。担当省庁が、法案成立の邪魔をしているわけだ。

こんな状況でなぜ、官邸筋は法案を成立させようとするのか。

それは、自民党の支持基盤、つまり全国の企業経営者、特に中小企業の経営者たちから「人手不足が深刻で、このままでは会社が潰れてしまう、外国人労働者を増やしてほしい」という訴えがあったからだ。

しかし、審議をすればするほど、「移民」問題に触れざるを得なくなってくる。日本会議を始めとする安倍応援団は、移民には反対だ。だから安倍首相は、外国人労働者をあくまでも「『移民』ではない」とし、満足に審議もせずに、法案を成立させようとしたのだ。

いずれにしても、法案は成立した。来年4月には施行される。それまでに、具体的な内容を詰めなければならない。いったい、どうするのか。

法務省の幹部は、「俺たちは知らない」と平然と答えている。強引に法案を成立させる官邸筋。そして、その邪魔をする担当省庁。もう無茶苦茶である。いよいよ来年には、「平成」という時代が終わる。このような政治でいいのか。

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