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『ジャーナリストの影響力』

今年3月のブログで指摘した通り、メディアの最重要の仕事は、物事を正しく伝えることであります。しかし基本的に、どれだけ正しい情報を伝えたとしても、受け手が情報につき関心を持っているか否かに大きく作用される話です。そもそも全く関心の無い事柄であれば、その情報が正しいか否かも気にもせずに、それはそれで御仕舞になるでしょう。

此の情報というものを正しく伝えるべく正確な報道に努めるが為、反体制として殺されるようなジャーナリストは後を絶ちません。ここ一週間でも「記者の殺害、世界で増加 今年すでに63人 17年を上回る」(12月17日)や、「偽ニュース理由に記者投獄、2年で3倍 民間団体調べ」(12月14日)といった記事がありました。

例えば、米誌タイムより「今年の人(Person of the Year)」に選ばれたジャマル・カショギ氏は自分の命までもを犠牲にした結果、サウジアラビアという国自体および同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子に関し、「こんなにも危険なのか」等々の印象を沢山の人が持つこととなりました。

昨年10月マルタで殺害されたダフネ・カルーアナ・ガリジア氏や、今年2月スロバキアで射殺されたヤン・クツィアク氏、あるいはカショギ氏と共に「今年の人」に選出されたワ・ロン氏とチョー・ソウ・ウー氏(ミャンマーで拘束中)にしてもそうですが、殺されたとか捕まったとかといったことにより、色々な事柄が明るみに出たり様々な事柄を人々に認識させたりする効果は著しく生じるのだと思います。

そういう意味でカショギ氏の件はジャーナリストとして、死んで本望だったのではという気がしないでもない位の話だと思います。彼のジャーナリストとしての活動は、死後に最高位に達したと言えるのかもしれません。それぐらい反体制であるとは、非常に危ないということでもありましょう。

我々情報を受け止める方としては、殆どの人が生前のカショギ氏を何ら認識していなかったのではないかと思います。私自身も実際そうで、彼が殺されて後その殺害方法や皇太子関与の可能性等々様々な報道がなされ、世界中で話題になって初めて関心を持って見るようになったわけです。

ですから率直に申し上げれば、彼の影響力というのは死んだことである意味大きくなったのかもしれません。気の毒な話ではありますが、往々にしてジャーナリストの殺害や投獄の類が起こった方が、情報の真偽につき色々な人が関心を寄せたり情報発信が盛んに行われたりするものです。それが良いとか悪いとかは別にして、その現実の難しさを今改めて思っているところです。

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