
[東京 20日 ロイター] - ホンダ<7267.T>が20日、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット・エリート」の日本における初号機納入の式典を開いた。日本での初号機は、エンジェル投資家の千葉功太郎氏、元ライブドア社長で実業家の堀江貴文氏、ベンチャーキャピタルの慶応イノベーション・イニシアティブ社長の山岸広太郎氏らが共同で購入した。国内では今年6月の受注開始以来、すでに10機を超える注文が入っており、順次納入する。
ホンダの航空機事業子会社ホンダエアクラフトカンパニー(米ノースキャロライナ州)の藤野道格社長は「ホンダジェットを日本の空で飛ばすことはわれわれの悲願だった」と述べ、「日本で人々のライフスタイルを変えたい。新しい交通システムの創造を目指したい」と語った。
千葉氏はドローン・スタートアップ特化型ファンドの代表を務める。同氏は、小型ジェット機の普及で「新しい経済活動が加速する」と指摘。ホンダジェットのテレビCMをみて購入を思い立ったといい、「ホンダジェットのテレビCMを流したのは日本だけ。テレビCMを見て買った客は世界で初めてではないか」と話し、「せっかくなら自分で運転したい」として訓練していることも明かした。
式典後には堀江氏、山岸氏らも交えたトークセッションが行われた。堀江氏は、乗ったことのある同クラスの機体に比べ、ホンダジェットはキャビンが広く快適だと述べ、「ホンダのシビックが米国市場になぐり込んだときくらいのインパクト」と語った。山岸氏は、開発投資は「短期志向になりがちだが、長期で投資されてきたことがすごい」と話した。ホンダジェットは約30年の開発期間を経ている。
ホンダジェットエリートは従来のホンダジェットを改良した新型機。最大7人乗りで、機体価格は525万ドル(約5億9000万円)、航続距離は2661キロメートルで、東京から中国・上海や台湾まで直行できる。主翼の上にエンジンを配置し、同クラスの機体に比べて客室が広く、燃費も良いのが特徴だ。
2015年末の米国を皮切りに、中南米、欧州、東南アジア、中国、インド、中東などで展開しており、世界での運用機数は100機以上となっている。
*内世を追加しました。
(白木真紀)