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練馬図書館の非常勤職員らがストライキへ 運営の民間委託に反対「借りられやすい本ばかり選書されてしまう」

職員は「本当ならこんなことやりたくない」と苦しい胸の内を明かします。

練馬区立練馬図書館に勤務する非常勤の図書館専門員らが、ストライキに入る可能性が出てきた。12月18日までに区から納得のいく回答が得られなければ、19日と26日の8時30分から10時30分まで、図書館の業務を停止する。

騒動の発端になっているのは、練馬区が出した図書館民営化案だ。区では現在、12箇所ある図書館のうち9箇所で指定管理者制度を導入し、実質的な運営を民間企業に委託している。今年7月、区から専門員らに届いた連絡では残る3か所のうち2か所、石神井図書館と練馬図書館の運営を、それぞれ2020年、2023年から民間委託すると明かされたという。専門員らは、この民営化案に反対している。

区が提案する「学校図書館司書への配置替え」は「安易」と批判

図書館専門員は1988年、練馬区で独自に導入された制度で、資料の利用相談や選定など、図書館業務の中心を担う。区の直営図書館の職員は、常勤の職員を含め108人(今年4月1日時点)いるが、専門員はこのうち57人と半分以上を占める。

練馬区立図書館専門員労働組合の担当者によると、ストライキが予定されている練馬図書館では32人の専門員が勤務し、カウンターサービスを含め、全ての運営を担っているという。

専門員らは、指定管理者制度を導入すると図書館の運営に支障が出るとして、導入に反対。区から提案を受けた7月以降、複数に渡り団体交渉を重ねてきた。11月には区議会に対し、制度の導入撤回と、現在勤務する専門員全員の雇用を守ることを要請する陳情書を出している。12月4日時点では、1万5878件の署名も集まっている。

「練馬図書館でノウハウを蓄積した専門員が、中央館的な役割を担っている光が丘図書館に異動することで、現場を知る人によって図書館が運営される仕組みが作られてきました。区は、練馬図書館が民営化しても光が丘図書館があれば大丈夫だと主張していますが、私達の考えとは平行線を辿っています」(労働組合の担当者)

区は、練馬図書館に勤務する専門員を学校図書館に配置換えする提案を出しているが、労働組合の担当者は

「学校図書館と公共の図書館では、専門性も設置の目的も違います。同じ図書館というだけで配置換えするのは安易です。現在学校司書として働く人の職を奪うことにもなります」

と、提案を受け入れるつもりはない。

「民営化された場合、職員は、区の図書館全体の蔵書という視点で本を選べるのか」

専門員らは、長期的に見た図書館サービスの質の低下を危惧している。指定管理者制度では民間企業の運営期間に期限がある。期限後、業者の変更があった場合、前の業者と次の業者との間では、契約上、引き継ぎがされないという。区にも運営ノウハウが蓄積されず、「10年20年規模で考えると問題」だと指摘する。

また、「民営化された場合、職員が自分のいる館だけでなく、区の図書館全体の蔵書という視点を持って本を選べるか疑問」ともこぼす。民間企業は複数の自治体で図書館を運営するため、職員は自治体をまたいで異動する可能性が大きい。勤務先の図書館は、区全体の図書館の1つという意識で選書することは、「構造的に難しい」という。

「練馬区の図書館らしさ、地域とのつながりが失われ、パッと見た感じが良いイベントばかりになったり、借りられやすい本ばかり選書されたりする可能性もあります。目に見えてわかりやすいところだけ追い求め、中身がスカスカになってしまうというのが、私達が一番危惧しているところです」

これまで図書館を民営化した自治体でも、様々な問題が起きている。茨城県守谷市は今春、2016年度から民間に委託してきた市立図書館の運営を直営に戻す方針を明らかにした。第三者委員会が運営を調査した結果、人員体制や有資格者数、職員の選書・除籍業務の経験不足などから、民間委託のままでは充分な図書館サービスを提供できないと判断したためだ。市民からレファレンス力の低下を指摘されたほか、地域行政資料、外国語資料の受け入れ冊数低下も見られたという。

組合の担当者が聞いた話では、民間委託後、図書館職員らが選書会議をする時間がなくなったため、職員が個人的に決めて発注したり、取次に配本を頼んだりしている自治体もあるという。人件費削減のために、十分な経験を積んでいない職員をカウンターに配置し、利用者の不利益が生まれているケースもある。

「カウンターにいるスタッフに経験が浅い人が多すぎて、利用者の方が何か聞きたいとき、その人一人で相談が終わらず『上の者に聞いてきます』となってしまうため、『なかなか聞きづらい』という声は聞いています。利用者さんは、近くで聞けそうな職員に一度話を聞いて、手応えがあったらレファレンスに聞くというパターンが多いんですが、こうした運営状況だと、聞くこと自体を諦めてしまうようです」

担当者は今回のストライキについて、「本当はやりたくない。利用者のための図書館を作りたいのに、利用者の不便になることをしなければならないのは心苦しい」と胸の内を明かした。18日までに区側と妥結点を見いだせるよう、最後まで努力したいとも話していた。

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