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格差目の当たり「同窓会」という残酷物語

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同じ同窓会でも、学校を卒業して10~20年後の会と、定年を迎えた世代の会は、似て非なるものだ。マーケティングコンサルタントの酒井光雄氏は「会社で出世した者が定年後に抜け殻のようになるケースもあれば、60歳過ぎても第一線で活躍する者もいて、立場が逆転することがある」という。定年までの時間と、それ以降の時間で「勝ち組・負け組」が180度変わる理由とは――。

※本稿は、酒井光雄『男の居場所』(マイナビ新書)の第一章の一部を再編集したものです。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/JGalione)

■勝ち組の同窓生が、なぜ負け組に転落するのか

学校を卒業して時間が経つと、同窓会の知らせが届く。卒業して10~20年後の場合だと、「どんな企業に就職したのか」「どんな人と結婚したのか」「自分は勝ち組なのか、負け組みなのか」「他人と比べて、外見は老け込んでいないか」「自分は人より幸せに暮らせているのか」といったことが気になり、ある程度自信のある卒業生だけが集まる。

単に昔の友人に会いたいと思って参加したら、周囲から自慢話ばかり聞かされ、自分が選んだ道が間違っていたような気持ちになり、不愉快になる場合がある。

時が流れ定年を迎えた世代の同窓会になると、その状況は一変する。企業のブランド力が自分の価値だと思って生きてきた同級生の中には、定年後どこにも再就職できず、なにもせずに暮らしている男が出てくる。

その姿は生気がなく、まるで抜け殻のように見える。最年少で部長に昇格したことを同窓会で自慢し、自営業で働く同級生に現役時代は上から目線で話をする度量が狭小な男だった。

それなりの企業でそれなりの地位にいれば、好きになれない男でも人はつかず離れず付き合う。いつか、どこかで、その力を借りることがあるかもしれないからだ。だが役職定年を迎え、そして定年になり、再就職していなければ、周囲にいる人間はあっさりと去っていく。見下された人たちは、拠り所を失ったその男の姿を見て溜飲を下げる。

■60歳過ぎても第一線で働き、生気に溢れる同窓生

その一方、自分で事業を起こした男は、60歳を過ぎても第一線で仕事に取り組み、生気に溢れている。会社で培った実務経験を見込まれ、かつて取引先だった企業の経営者から請われて役員として迎えられ、その後グループ企業の社長になって活躍している早期退職者がいる。

長年の趣味を生かして子供たち向けに将棋教室を開き、充実した時間を過ごしている男もいる。人生の後半戦のことなど何も考えず、また準備することなく定年を迎えた男たちとは対照的だ。

学校を卒業して、どんな企業に就職し、そこでどんな地位にまで登りつめたのか。そんな尺度で人を評価する時代があった。だが、人生100年時代と言われるようになった今、定年までの時間など、単なる人生の通過点に過ぎない。

65歳でリタイアし、仮に85歳まで生きるとすると、何もしなければ小学生から大学までの16年間よりも長い20年という時間を無為に過ごすことになる。

■「60歳まで」と「60歳から」人生のありようは変わる

長寿社会で定年を迎えると、長い間縛られてきた多くの制約から解き放たれ、我々は新たな道を選べる恩恵を手に入れる。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/kazoka30)

結婚し、子供が生まれ、住宅を購入すれば、その代償として経済的な余裕と裁量の自由度をなくす。

だが、子供が独立すれば(子供を持たず、自由裁量度を優先した人もいるだろうが……)、教育費という縛りからも解放される。また住宅を購入して住宅ローンを組んだ人たちも、定年前後にローンを完済し、もうひとつの縛りから解き放たれる。

子育てと教育費、そして住宅ローンから解放されると、夫婦二人のためにふたたび時間とお金を使えるようになる。

■人生はダブルヘッダーだ

長寿社会となったこの国で、我々の人生には前半戦と後半戦が生まれた。スポーツの試合に例えれば、前半戦と後半戦の合計得点で勝敗が決まるようになったわけだ。

試合の前半戦に得点を重ね、勝敗がついたように見えた試合で、後半戦で形勢が逆転して勝利する選手がいると、誰もが熱狂し興奮する。人生もこれとまた同じだ。

定年までいた会社で燃え尽きてしまい、定年後にはなにもせずに暮らす人がいる。一方で、前半戦から周到に準備して、後半戦に力を発揮して現在も愉しく暮らす人もいる。

制約が多い前半戦でなく、制約から解放される後半戦にどう挑むかで自分の人生が決まるなら、誰でも面白く生きたいと願うはずだ。

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