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<徴用工問題>文大統領、遂に踏み込む 「労働者個人の日本企業に対する請求権まで消滅していない」

12月14日、三菱重工を相手取った挺身隊裁判判決がありました。例によって三菱重工が敗訴したのですが、だんだん判決内容が酷くなってきています。

■「時効は個人の意思を聞いてないから認めない」

「韓国裁判所「請求権消滅主張、受け入れられない」…勤労挺身隊被害者が相次いで「勝訴」」2018年12月14日

光州地裁は「この事件の裁判の管轄は我々の裁判所にある。1965年の韓日請求権協定に関連し、被害を受けた個人の意思を聞かず、その権利が当然消滅したというのは認められない」とし「被告(三菱重工業)の請求権消滅時効主張は受け入れることができない」と明らかにした。

https://japanese.joins.com/article/158/248158.html

今回の時効を認めなかった理由は、「被害を受けた個人の意思を聞かず、その権利が当然消滅したというのは認められない」というものでした。もうメチャクチャですね。

そもそも何故「個人の理由」を聞く必要が無かったのかと言えば、請求権協定で韓国政府が払うことになっていたからです。そのことを完全に無視して、「個人の意思を聞かなかった」として、時効を認めませんでした。請求権協定の存在を完全に反故にした形です。一応、今までの裁判は「日韓基本条約の請求権協定はあるけど、慰謝料は別よ」みたいな協定自体の存在は認めてきましたが、今回はそれすらしませんでした。

だいたい、時効を認めるかどうかは、法律に照らして、妥当か否かの判断が必要です。裁判毎に勝手に解釈してたら、メチャクチャになってしまうからです。11月29日の判決では当ブログでも言及しましたが、「信義誠実に反する」という理由で時効を認めませんでした。「徴用工問題」の法的根拠としては全く不当ですが、民事裁判では場合によって用いられる解釈です。

でも、「個人の意思を聞かなかった」というのは、法的根拠でも何でもありません。時効の無効をそんなことで宣言できること自体が、おかしい話です。「個人の意思を聞かなかった」から「信義誠実に反する」ため「時効の適用を認めない」とか、「個人の意思を聞かなかった」ことが、法的にどんな問題があったのかを説明しないと判決の意味がありません。でないと、控訴しようとした時に、何に反論すればいいのかすら、わからないじゃないですか。

「恣意的な法律の運用」という言葉がありますが、韓国の裁判所は、運用すらせずに法律を放り投げてしまっています。

■日本の追求に、裁判所が反論か

もう一つ象徴的な文言があります。

この事件の裁判の管轄は我々の裁判所にある。

https://japanese.joins.com/article/158/248158.html

突然、管轄権に言及したことです。おそらく日本政府が韓国政府に対して、徴用工裁判への措置を再三求めていたことに対応したのでしょう。要するに政府の問題ではなく、司法の問題と言いたいのだと思います。

しかし、いろんな方が指摘していますが、国際条約の不履行を、国内法を根拠にして行うことは「条約法に関するウィーン条約 第27条」で出来ません。

第3部 条約の遵守、適用及び解釈

第1節 条約の遵守

第26条 効力を有するすべてのの条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。

第27条 当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない。この規則は、第46条の規定の適用を妨げるものではない。

むしろその国の司法は、「国際条約を守るべし」と政府に求める立場です。率先して国際条約を破る立場ではありません。文大統領を含め、韓国政府の指導者たちは、いずれも「請求権条約はあるが、三権分立の立場から判決を否定できない」といった会見を繰り返していますが、これはウイーン条約の否定を世界に向かって宣言しているわけで、全く論外な話であります。

■文大統領、遂に日本の責任に言及する

「文大統領、徴用工判決「個人の損害賠償請求権は消滅せず」」

文大統領は「今回の最高裁判所の判決も、日韓請求権協定を否定するものではない」とし「ただし、労働者個人が日本企業に対して請求した損害賠償請求権まで消滅したものではないとみている」と言及した。

http://www.wowkorea.jp/news/japankorea/2018/1214/10225963.html

日本政府は「個人請求権は存在する。ただし、請求権協定によりそれは韓国政府が支払う」という立場を明らかにしています。文大統領も請求権協定を認めつつ、三権分立の尊重という曖昧な言葉を続けてきました。

しかし今回、「日本企業に対して請求した損害賠償請求権まで消滅したものではない」と言ってしまったんですね。これは請求権協定の明確な否定です。低姿勢の日韓議員連の言葉に、舌が滑ったのかもしれませんが、とにかく「日本企業への請求権」に言及するのは言い過ぎでしょう。それは日韓請求権協定によって、明確に韓国政府が行うことになっているはずです。

この言い過ぎ事件に対して、日本政府側の反応は、静観でした。

「菅義偉官房長官、文大統領を牽制 徴用工判決「尊重」発言で」

菅氏は同時に「現時点で具体的にどのような対応を講じるか見極めているところで、その過程における大統領の発言一つ一つにコメントすることは控えたい」とも語った。

https://www.sankei.com/politics/news/181214/plt1812140025-n1.html

一つ一つに論評する必要性は、確かに無いと思います。でも、「日本企業への請求権が存在する」と宣言してしまったことを、無視するのは正しいとは思えません。「三権分立発言」とこれは明らかにレベルが違います。

韓国司法は、裁判があるごとに、どんどん発言を後退させて来ています。同じように韓国政府の言い分も少しずつ後退しています。いちいち突っかかる必要はありませんが、守るべき一線をしっかりと守らないと、また結局ずるずると韓国の思い通りになってしまうでしょう。

■世界が韓国をおかしいと気付き始めた今がチャンス

北朝鮮の制裁解除で文大統領は世界を走り回り、そして大きく評判を落としました。

「韓米首脳会談を「格下げ」?…青瓦台「事実でない」」

https://japanese.joins.com/article/673/247673.html?servcode=A00&sectcode=A20

アメリカはあからさまに韓国の扱いを軽くしました。

「「北を信じるのか」…韓国議員を当惑させた独外交官の一喝(1)」

「制裁を少し緩和すれば北朝鮮も交渉の効用を認めて非核化に出るかもしれないではないか」。ドイツ外交官は反問した。「北朝鮮を信じるのか。国際社会が北朝鮮にだまされたのが1回や2回か。危険な国だ。非核化に進展がないのに制裁緩和はできない」。閉口した李議員は「それでも平和のためには何でもするべきでは」と言った。ドイツ外交官は冷笑を浮かべて鋭くこう言い放った。「北朝鮮は米国よりも欧州に近い。彼らのミサイルは欧州にとって脅威だ。これ以上申し上げる言葉はない。このあたりで失礼する」。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38530930U8A201C1FF2000/

欧州各国も冷淡な扱いに変わっています。特にドイツで韓国議員が制裁解除の意見交換をした記事が出ていますが、最後は冷笑と共に「もう話すことは無い」と打ち切られてしまいました。北朝鮮制裁も国際的な合意事項です。韓国は日本に対してだけでなく、世界に対して国際的合意事項を軽んじる姿勢を見せているのです。

こうした韓国の姿勢を受けて、かつてないほどに、「こいつらおかしいぞ」と世界が気付き始めています。これは、もう二度と来ないかもしれない千載一遇のチャンスです。「慰安婦合意」や「日韓基本条約」など、日本は「国際合意を破る韓国」を世界にアピールして、有利に主張を展開しなければなりません。

12月24日には、「募集工裁判」の強制期限がやってきます。アメリカとよく連携して、日本の国益を守れるよう外務省の奮闘に期待しています。

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