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消費税増税対策の盲点

自民党が政権復帰した直後の2013年1月に、私は、消費税について以下のように記した。

「消費税については、逆進性を考えると、二桁になったら複数税率、つまり軽減税率の導入を考えてもよいが、その際に、政官業の癒着をいかに排除するかは大きな課題となる。

① 今日のような豊かな、そして価値観が多様化した社会では、何が贅沢品かの判断は容易ではない。主食にしても、精米、玄米、麦飯、パン、どれが贅沢品かは、個人の嗜好による。

② 公共交通機関が少なく、車が不可欠な地域では、車は贅沢品ではない。では、価格にしていくら以上なら、贅沢な高級車なのか。500万円の車なら10%で、50万円、200万円の車なら5%で10万円というような決定ができるのか。

③ また、金持ちには高級品を買ってもらって10%の消費税を払ってもらうほうが、税収は伸びるし、税の公平性も増す。ヨーロッパのようなインボイスの導入も検討課題である。」

5年前の私の問題意識について、①と②は、食料品、車と一括して扱うようになったので問題は解決した。しかし、消費税増税対策は複雑すぎる。商品によって、また消費の場所によって税率(8%と10%)が違ってくるが、これはクイズ番組に最適なくらい正解が難しい。

ポイント還元政策も問題が多い。2%増税するのに5%も還元するのなら減税である。また、本当に貧乏ならクレジットカードなど持っていないので、カードで高額消費をする金持ち優遇策である。

その点で、③について、金持ちに1000万円の車を買ってもらって100万円の消費税を払ってもらう、安月給のサラリーマンは中古の50万円の車で5万円払うという点の指摘はそのまま維持したい。

ポイント還元は、同時にキャッシュレス化を推進するためであるが、キャッシュレス決済事業者の乱立などの問題を放置したままでは、政府の思惑通りには進むまい。

何よりも、税制の基本が、「公平、中立、簡素」であることを忘れてはならない。

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