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中国の権力ドラマ

このところ、一部の新聞で目に付くのが中国の権力争い。そして重慶市トップ、薄熙来・同市党委書記の解任が大きな引き金なっています。日本の方にはあまり興味ないニュースだと思います。また、これが日本に直接的に影響するものでもないかもしれません。ですが、この醜いまでの権力闘争は中国の歴史そのものであり、共産党大会を秋に控えた今、その歴史を繰り返しているという点で私は注意深く行方を見守っています。

興味ない方が多いかと思いますのでごく簡単にそして、わかりやすく書きましょう。

秋に中国共産党全国代表大会が予定され、共産党党総書記、要は中国のトップが胡錦濤氏から習近平氏に代わることになっています。胡錦濤氏は中国共産主義青年団という派閥出身で習近平氏は太子党という派閥です。習氏の党総書記着任はほぼ固まったと見てよいと思いますが、上級幹部である25名の政治局員は序列がつき派閥からどれだけ上位に食い込ませるか、これが派閥としての今後の未来を占うものになります。

つまり、中国が共産党独裁といいながら共産党の内部は派閥にきちんと分かれているという点で日本が自民党の55年体制を敷いていた時とさほど変わらないのかもしれません。

さて、共産主義青年団側は太子党の大物と言われる薄熙来氏をどうしても切り落としたかったようです。たとえば温家宝首相が先日の全人代(=国会)後の記者会見の際、薄氏を暗に指し、文化大革命への逆戻りであると指摘しています。薄氏の行ってきたやり方がかなり強引で法律よりも意識改革を強く打ち出している点が「古いスタイル」であり、あの忌々しい文化大革命をいまさら思い出したいのか、という脅しとも取れる内容でした。

文化大革命は1966年から約10年間、毛沢東総書記の思想に傾倒し、国中が過激、過剰な「赤狩り」とは間逆の「資本主義狩り」を行った時期を言います。紅衛兵と称する民間の監視グループが過度の脅迫、暴力を用いて国民を恐怖のどん底に追いやりました。紅衛兵も共産党幹部も毛氏にいかに好かれるか、更には4人組と称する幹部の実に醜い、そしてドラマのような現実話がそこに繰り広げられました。

紅衛兵はインターナショナルという革命歌を高らかに歌い上げ近代中国の暗黒の約10年とも称されているのです。

薄氏はその時代に遡るがごとくの厳しい規律と戒律令を敷きました。一部には暴力団による悪さが激減したと言われるほどの恐怖政治でもあり一定の効果があったのは事実でしょう。

今回の事件の糸口となったのが王元公安部長が薄氏の不正を暴こうとしたところ、薄氏の逆鱗に触れたため、不正の証拠を持ってアメリカの総領事館に駆け込みました。ところが王氏は海外逃亡に失敗し、王氏は当然、解職されました。このニュースが世界を駆け巡り、結果として薄氏も解任されたのです。

不思議なことに薄氏の親分である次期総書記、習氏はトカゲの尻尾切りで薄氏の解任をほぼ放置している状態です。

習氏の政治手腕はまだ見えてきませんのでこの権力闘争が今後どんな展開を見せるか、これはこれから半年の2クールドラマが展開されるとすれば興味を持っていただけるでしょうか?

この問題は外務省レベルとしては今後の中国外交の糸口を探る重要なヒントになるのでしょうけれど、ほとんどの日本人からすればもっとドラマ仕立てのストーリーラインにすればもう少し多くの方が様子を見守ることになるかもしれません。

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